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続・なんで大借金をしたのか?

この記事のつづきです。

引継ぎもないままに転売された本店の土地。

次に新しく大家(3代目)になった会社は神戸ではかなり名の通った不動産会社でした。

当初から好戦的だったと聞きます。
家賃を収めようとしても先方は受け取りを拒否。

界隈の開発を進めたい先方は当社に立ち退きを迫ってきました。

うちとしてはテナントの権利もあるので、話し合いに持ち込もうとしても取り付く島もないような状態が続きました。

ある日、本店入口のシャッターが閉まらくなり、修理のために工務店を呼ぶと、作業をかかろうとした工務店の方を制する声が。

先方の不動産会社がどこからか見ていたのか、

自分の所の建物に勝手に作業してもらったら困ると。
要は釘一本打たせないと分かりやすい嫌がらせをしてきました。

この時はすでに双方弁護士を立てていたので、仮処分申請を裁判所に申請して作業をするに至りました。

ある時は朝に出勤すると看板が不動産会社の看板になっていたり、実家には嫌がらせの電話が頻発するなど、

うちとは直接関係があるかは不明ですが、数軒どなりの飲茶店にはダンプカーが突っ込んで営業不能に追い込まれた事件などもあった時期で、けっこうタフな状況が続いていました。

係争が4年目に入った頃に転機が訪れます。
先方が和解を持ちかけてきました。

すでにバブルは崩壊しており、ここに時間を使うことが惜しくなったのでしょう。

こう書くと三宮一貫楼の粘り勝ちという風に取られる方もおられるかと思いますが、それはまったくの思い違いで、正確には痛み分け。

和解に応じたわれわれはその土地建物を購入しなければならなくなります。

当初、先方の提示金額が驚きの

20億円!!!


20円置くんと違いまっせ(苦笑)

と、漫才のネタも言いたくなる冗談のような金額。

ここからまたしばらく双方の弁護士を通してのやり取りが続きます。

うちとしては高過ぎるからもう少しまともな値段を付けてほしいと回答。

先方としても少なくとも7億円以上で購入しているので、(アホですね)そうそう安くもしていられない事情もあります。

何度かラリーを繰り返して最終決まった金額は

12億5千万円

先代曰く、自分としてはもう少し値切るつもりだったのが当時の顧問弁護士にこれ以上粘ることは得策ではないと諭されて、折れたとのことでした。

この土地建物代金に改装費用を含めて、14億円を借入して購入に至りました。

しかし、この借入も一筋縄ではいきません。

当該土地建物はもちろん、当時先代が所有していた不動産(自宅など)をすべて担保として差し出しても3億円分が不足しているとのこと。

親方筋の一貫楼本店製麺所さんにお願いして、所有している土地を担保にしていただく交渉がまとまり、なんとか融資が実行されました。

この時の本店製麺所さんには足を向けて寝れないというのが、先代の偽らざる思いだったでしょう。

そのことは当代のわれわれも深く胸に刻んでおります。

ただ融資が実行されることなく、あの土地を手放すという世界線も少し見てみたいような気もします。
※そのあと狂ったように返済のために働いたので(笑)

というのが三宮一貫楼が大借金をしたという顛末です。
また機会があれば、ここからの返済の苦難の歴史を書いてみたいと思います。楽しみに待っていただければ幸いです。





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