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整理回収機構と三宮一貫楼⑭

木曜は仕事(三宮一貫楼)ネタ

↑からのつづきです。

整理回収機構(以下RCC)神戸支店が平成16年末いっぱいで閉店という通知が来ました。

それによりわれわれの債権がRCC大阪支店に移管されるということも同時に聞かされました。

引継ぎのために神戸支店に11月某日、役員プラス1で再び招集。

すでに取引開始より4年弱の月日が流れており、あの恐怖を感じた無機質な白い空間もこの頃には勝手知ったる部屋となっていました。

↑はじめてのRCC面談はこの記事

アポイントの時間となり、
神戸支店の担当者が大阪支店の担当者2名を引き連れて入室してきます。

辰己氏から引き継いだ神戸の担当はキャラが薄くて
どんな人だったかは記憶にないのですが、
新しい大阪のメインの担当さんは明らかに学生時代ラグビーか柔道を
やっていたであろう巨漢でした。

第一印象の迫力がすごい(苦笑)

一通りの挨拶を済ませ、いざテーブルに着きます。

私は頭の中で「また一括で返せとか言わんやろうな?」と考えてました。

警戒モードを解かずにお話を聞いていると、
新担当の2名は終始笑顔でこちらの近況を聞いてくれています。

さて本題に、のような空気になった時に、
私は腹に力を入れてどんな言葉でも受け止める気概で集中しました。
警戒モードMAX!

新担当のラガーマンを仮に大山さんとしておきます。

大山さんが切り出します。

「御社のお話は神戸支店からよく聞いております。
このたび再生の芽があるとの判断に至りました。」

めっちゃいいこと言うてくれてるやん!
いやいやでも騙されへんで!とまだ警戒を弱めない私。

大山さんは続けます。

「御社の返済能力を向こう10年間で6、7億円はあると見ています。
そして政府の政策が今、景気回復を重点的に行っていて、
それに順じてRCCは動く組織なんです。」

ここから信じられない展開の構想を述べ始めます。

「昨年の決算では再生が不可能なように見えましたが、
理由が本店の休業であり、
今期の決算が重要になってくるという絶対条件はありますが、、、」

「RCCとしては、大幅な債務免除も含めての企業再生案件と判断しております。」

私の頭の中、

「あぁ、はい。はい。債務免除な。。。えっ、、」

「でえええええぇぇっ!!」


この部屋で最初に一括返済を迫られた時に勝るとも劣らない
驚愕の展開に鼓動の速度が倍になり、足の震えが止まりません。。。。

ただし、それには越えなければならないハードルがあることを
大山さんは説明していきます。

まずは専門家を招聘しての緻密な再建計画書の策定が必要であること。

再建計画書は今後の事業計画および返済計画を網羅したものであります。

ここまでは全店舗まとめて損益計算をしていたものを
店舗別に損益を明確にすることも必須であり、
店別の管理システムの構築を早急に整えていただきたいと
要望されました。

まさに狐につままれたような心持ちの三宮一貫楼一同。

このような結果を手繰り寄せたのは、
運の要素が大きくあることは間違いないのですが、
先代夫婦の返済に対する誠実な姿勢が評価された
と言っても過言ではないでしょう。

ようやく少し苦労が報われた瞬間でした。

しかし、この債務免除という甘い果実を手に入れるには
まだまだクリアしなければならない壁がいくつも存在することを
まだこの時は解らない三宮一貫楼一同なのでした。

(つづく)



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