三葉春宙(みつばはるそら)

実話のような、創作のようなそんなお話を書いています。 実際にあったような、なかったよう…

三葉春宙(みつばはるそら)

実話のような、創作のようなそんなお話を書いています。 実際にあったような、なかったような。 私の中から浮かんでは消えていくたくさんのお話。 書いていても、ほっぺの奥が、胸がきゅうっとなるそんなお話を綴る予定です。

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はじめてのチュウ

今日放課後に図書館に行ってくれる? 突然クラスメイトの男子に言われた私は 当たり前に「何で?」と訊いた。 後輩の坂下が話があるんだって。 その言葉を深く取らず 何を意味するかも考えず ふーんといって私は放課後に図書館に行く 選択をした。 言われた時間より少し前に私は図書館に行って 頭に入るか入らないかわからない 微妙な感覚で適当に手にした本を 読んでいるように眺めていた。 これから何が起きるんだろうか? わかるようなわからないような 期待と不安が入り混じって 目の前

    • ずっと好きだった。 3

      気づいたら柔らかくて マシュマロみたく甘くて溶けそうな 彼の体の一部が私と重なっていた。 こんなに好きな顔がこんなに近くにいるのに 目を瞑るのはもったいないなとおもって 私は白川くんの顔をずっと眺めていた。 それに気づいた白川くんは ちょっと照れたけど そのあとも、何度も私にキスをした。 そうだ、私恋人がいたんだった。 でも私はこうしていたい。 ずっと好きだったんだもん。 なんの罪悪感も生まれなかった。 未消化だった恋がこんなにも自分を正当化するなんて 思いもしなかっ

      • ずっと好きだった。 2

        卒業してちょうど1年が経とうとしていた。 仕事にも慣れ、恋人もできて 私は学生の時とは違う私になっていた。 なのに、白川くんからの電話は 私をあの頃に引き戻した。 もしもし白川です。 うん、びっくりした。 どうして? ちょっと三葉さんに話したいことがあって 今度会えるかな? 私はドキッとした。 なにも起きてないのに、 恋人にひどく悪いことをした気がした。 でも私は白川くんと会う約束をした。 桜がちょうど咲き終わって、 かわいい桃色の花を見送ったあと 美しく鮮やか

        • ずっと好きだった。 1

          学校を卒業して1年が経った頃 知らない番号から電話が鳴った。 ちょうどその時私は友達と 知り合いのオープンしたてのお店に出向いていて 22時を回った頃 お酒も入って気分も良くなっていた時だった。 もしもし、 三葉さん? 知らない男の人の声だった。 どんなに記憶を辿っても 思い出せない声だったけど 確かに電話の向こうのその人は 私の名前を呼んでいる。 そうですけど。 私の返事に安心したのか 聞きなれない声の人は自分の名前を名乗った。 白川です。 私は一瞬動揺した。

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        • ずっと好きだった。
          3本