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助手席の異世界転生

 ある日、深夜の国道を走っていると、俺の車の助手席にそれは現れた。それはやがて手足のある生き物の形となり、助手席でモゾモゾと動き、すぐに言葉を発するようになった。
 俺はそれを連れ帰り、「タマ」と名付け飼うことにした。助手席に乗せて連れ歩いたが、他人にはぬいぐるみをにしか見えないようだ。しばらくの間、俺は突然出来た相棒との暮らしを楽しんでいた。
 タマは毎日、ニュースなどからこの世界の情報を吸収していた。ある日、タマは運転中の俺にこう言った。
「ここはヒトとヒトが殺し合うセカイ。だからこのセカイから出る」すると車の操縦が効かなくなり、俺達を乗せた車はガードレールを突き破って崖下へと落ちていった。
 目が醒めると、視界にタマの姿が映った。後ろの景色が飛ぶように動いていて、どうやら俺はタマの世界の乗り物に乗せられているらしい。気づくと俺は首輪をつけられていた。タマのふにゃふにゃとした手が伸び、俺の頭を無造作に撫で回した。

(410文字)

たらはかに様の企画に参加させていただきます。「異世界転生」。難しい。よくわからないまま書きました。皆さんの作品を楽しみにしております。

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