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れいわ新選組舩後靖彦さんの議員活動を知る①

2022年11月13日

 水道橋博士さんの唱えた国会可視化の為、このnoteで国会議員、主に少数会派であるれいわ新選組の議員の活動を紹介していきます。読者の少ない私のnoteですが、一人でも多くの方に届くことを願います。国会や議員について知ることが、この国の政治を良くすることにつながる事を願います。
今回は舩後靖彦さんです。

舩後靖彦さんは、2019年(令和元年)の参議院選挙で初当選されたれいわ新選組所属の参議院議員です。

難病ALS当事者
全身麻痺ギタリスト
株式会社アース副社長
生年月日:1957年10月4日
岐阜県生まれ。千葉県立南高等学校から拓殖大学政治経済学部を卒業。1982年 酒田時計貿易㈱入社、商社マンとして活躍。
1999年 41歳の夏に突如、箸、歯ブラシ、ペンが上手く握れなくなる。翌年5月ALSの告知を受ける。麻痺は全身に及び、2002年 人工呼吸器、胃ろうを装着。2008年 最後まで働いていた右手中指も麻痺。現在は歯で噛むセンサーでPCを操作しながら詩歌や童話などの創作活動、意思伝達装置「伝の心」を用いての講演活動に取り組む。松戸市常盤平在住。
れいわ新選組HPより

 既に議員として実績ある方ですが、れいわが少数会派であるためか、その活動はメディアで報じられる機会は多くありません。初当選の際は、共に当選した木村英子さんと、重度障害者の議員として取り上げられることもありましたが、最近ではれいわ支持者のみなさんのみにその活動が知られている状況ではないかと思います。
 

2022年10月27日参議院文教科学委員会における舩後議員の質問

 ご紹介が遅くなってしまいましたが、10月27日、文教科学委員会において、舩後議員の質問が行われました。舩後議員は、難病ALSの進行により喉に穴をあけ人工呼吸器をつけておられます。質問はパソコンによる人工音声、秘書による代読により行われています。尚、質疑の全容はYouTubeチャンネル「舩後靖彦事務所」にて字幕付き動画で見ることができます。

質問①日本人学校など在外教育施設で働く派遣教師とその家族への支援、緊急対策について

日本人学校など在外教育施設で働く日本からの派遣教師は、現在アメリカに91名。円安ドル高が続き生活に大きな影響が出ている。円安による負担増に緊急対策を。
派遣教師の在勤手当のうち、在勤基本手当と住居手当は、現地の物価や為替相場の変動などの事情で改定。外貨ではなく円で支給。現在1ドル108円のレートで計算、現状1ドル147〜149円として実質的に3割減。派遣教師の子女も通う日本人学校への支払いは、2021年度は年間で25万円。2022年度は1学期だけで24万円となり、年間では3倍となる。
実態把握と緊急手当の措置を。

この質問への答弁は、文科省総合教育政策局長の藤江陽子氏と永岡文科大臣。手当は定期的な改定を行なっているので、まず改定により適切に対応する、文科省として支出内容と方法について研究する、といった答弁が行われた。

質問②多様な学びの場に障害のある子供を当てはめる分離別学教育から、全ての子供が共に学ぶ*インクルーシブ教育へのパラダイムシフトを。(*インクルーシブ教育とは、人間の多様性の尊重等を強化し、障害者が精神的および身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能にするという目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組み。)

国連の障害権利委員会の勧告では、障害者の分離特殊教育を終わらせることを目的として、障害のある子供がインクルーシブ教育を受ける権利を認め、あらゆる教育レベルで、障害のある全ての児童生徒に必要な合理的配慮と個別サポートを求めている。十分な予算を伴う、質の高いインクルーシブ教育に関する国家行動計画を提供することが要請されている。
就学にあたり、基本的に本人と保護者の意思に基づき通う学校が決められることとなっている。実際には、最終的にどこの学校に通うかは、学校設置者の自治体の判断となっている。「可能な限り共に学ぶ」と言いながら、その限度を決めているのは自治体であり、なかでも本人にあった事もない就学指導委員会の医師による判断が幅を利かせている。
障害のあるお子さんが就学予定の、ある愛知県の親御さんからは、現状では特別支援学校に行くのが前提とされていること、選択肢が与えられず合理的配慮の検討もない、との声が寄せられている。文科省が可能な限り共に学ぶことを勧めても、現在の就学先決定の仕組みを改めない限り、インクルーシブ教育には到達しないのではないか?

これに対し、永岡文科大臣からは、障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に過ごせるよう、通級による指導担当教員の基礎定数化の着実な実施、特別支援教育支援員の法令上の位置付けと財政措置を行なっている、などの答弁がなされた。
答弁をうけ、舩後議員からは「条件整備も大切だが出来ることからはじめませんか」とさらに問いかけた。現行の法令を変えなくても就学手続きの実務を変えることで本人及び保護者の希望にそった就学先決定は可能である。就学の入り口でまず分けるのではなく、原則を地域の学校に置き、特別支援学校への就学を希望し、かつ就学できると認定されたお子さんが特別支援学校に通う。国全体としてこの方式を取ることを提案した。

井ノ口人の感想

今回の質問時間は20分程度。それでも中身は濃いと思いました。この日の質問でも「合理的配慮」というワードが気になりましたが、その意味するところを今後学んでいこうと思います。障害者の権利、障害者権利条約やインクルーシブ教育については、noteにも多くの方が寄稿されています。noterの皆さんの発信からも学ぶことが多そうですね。
舩後議員が障害者の当事者を代表して真摯に質問をされていることが伝わりました。特にインクルーシブ教育について、学ぶ機会となりました。国会を見る事は新たな学びにつながり、市民の政治参加へとつながることと思います。多くの方に国会を見る事をおすすめしたいと思います。

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