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スナイパーの意外な使い方 #毎週ショートショートnote

 須賀伊織は、警視庁で伝説のスナイパーと呼ばれた男。退職後は静かな日々を送っていた。
 そんな須賀を、若くしてアイドルのプロデューサーとして成功した息子の良が訪ねてきた。
「父さん、俺は斬新でリアルなステージを演出したいんだ。今度は踊るアイドルをカラーペイントで染め上げたい。力を貸してほしい」
 息子の依頼に伊織は応えることとした。ドームツアーの会場、片隅に陣取った伊織は、踊るアイドル達を次々と特殊なライフルで射止めていく。発射されたペイントボールはアイドルの体を染め、繰り広げられる色彩絵巻にファンは盛り上がる。「大成功だ!」終演後のバックステージでは固い握手を交わす伊織と良の姿があった。

 その後、楽屋に集まったアイドルグループのメンバー達。
「今日の演出ダサくない?」
「ボールがマジで痛いし」
「胸とか尻ばっか狙ってきてキモいんだけど…」
 翌朝のスポーツ新聞では、「前代未聞のセクハラ演出」という見出しが躍る事となった。

(410字)

たらはかに様の企画に参加させていただきます。今週は、暑さのせいにしてなかなか書き上げられなかったです。どんなお題にもチャレンジをやめない皆様の事を尊敬します。

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