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未来の断捨離 #毎週ショートショートnote

 深夜1時、愛子は忙しかった今日を振り返っていた。多忙ではあるが充実した1日。これからもこうありたい。だが愛子には拭いきれない不安感があり、今こそそれを乗り越えねばならない時であると考えていた。愛子の手元には、今日届いた包みがあった。包み紙を破ると出てきたノートには表紙に「未来の断捨離ノート」という金色の文字。ページを開くと、そこにはいくつかの質問が書かれている。

「今あなたの周りに、10年後に捨てた方が良さそうなものはありますか?」
「10年後のあなたは、それをためらわずに捨てられるでしょうか?」
 10年後にはより充実した大きな仕事ができるようになっていたい。その為に捨てなければならないものがある…。
 それからの1時間で、愛子は苦心の末に「未来の断捨離ノート」を書き終えた。寝室に入ると夫はベッドで静かな寝息を立てている。その顔を眺めながら、ノートの最後の一行を思い返してみる。「どうしても捨てられない場合には…」

(410文字)

たらはかに様の企画に参加させていただきます。
今回のお題、いろいろと想像することはできたのですが、短くまとめるのが難しい。あえてこのような終わり方にしてみました。みなさんの作品を楽しみにしております。




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