結婚式ゾンビ (バレエショートショート)
「おい団子女」
愛野藍は幼馴染の伊井野から声をかけられて身構える。こいつは藍のバレエ衣裳をからかう。チュチュを超絶ミニスカートで太もも丸出してよく人前で踊れるなとか。バレエを冒とくする男はこの世に存在しなくていい。
「すげえ冷たい目…俺はバレエの事が知りたいだけなのに」
藍は態度を変えた。
「どうぞ」
「結婚式にゾンビが出てくるヤツがあるだろ」
「…創作バレエの話かな」
彼から舞台のあらすじを聞いたがどう聞いても眠りの森の美女だ。チケットの半券があり確定した。彼はカラボスとその手下をゾンビと間違えている。オーロラ姫の洗礼式を結婚式と思っている。あれは第一幕なのに。何よりもあの動きをゾンビと思うなんて許せない。
「カラボスは悪い魔法使いか~俺最初から寝ていたから。で、センレーシキってなに?ケッコンシキと違うの」
藍は彼をバレエ好きにしようと決めた。体験レッスンに誘うと彼はなぜか嬉しそうだ。体型は細マッチョだから有望かも。
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上の画像と動画は東京バレエ団の眠りの森の美女のカラボス登場シーン。カラボス役はなんとマラーホフさん。
カラボス役は男性が演じると妙な迫力が出ます。女性だと妖艶さが増す。決してゾンビではありません。悪い魔法使いです。バレエ団によっては解釈が違ったりするので楽しいですよ。
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