プロのバナナ (バレエショートショート)
「藍、早くおいで。レッスン場にプロのバナナが」
遅刻ぎりぎりにレッスン場に来たが、すぐにその意味がわかった。
全体に黄色だが少しだけ茶色の部分もあるレオタード、タイツ、シューズを着用した男性がそこにいた。バーに持たれて足をひっかけて斜めになってポーズをとっている。バナナそのものを擬人化したようだ。が、体幹のしなやかさであきらかにプロとわかる。そばに奨励さんがいる。
「ぼくの友人だ、ブローノバゥナ」
「人名?」
ブローノはレッスン場のすみでさらに斜めのポーズを取った。藍たちは笑いをこらえる。
音楽がかかるとバナナのようにずるりと皮が剥けたように高く跳躍した。動きが早すぎてバナナの果肉のように白く見える。こんな踊り方は初めてだ。
藍たちは拍手喝采。動きをとめるとブローノさんはずるりと床にはいつくばった。背中を少しそらしてバナナの皮のように擬態する。次にウィンク。
「サービス精神が旺盛だろ」
奨励さんも笑っていた。
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