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困った。読みたいことが分からない。

森田健太郎

このタイトルは、実に罪だ。

0.1秒目は、「はっ！なるほど！」となれるのに、１秒後には頭を悩ませる。



読みたいってなんだ？



一体どれだけの人が、「俺、こんな文章読みたいんだよねぇ～」と説明できるだろうか。少なくとも、僕は説明できたこともないし、そもそもそんな感情を抱いたこともない。

だから、読みたい文章を書けばいいと言われても僕は分らなかった。

書こうと思って本を開いたのに、約一か月悩ませたこのタイトルに、やっと解決策をくれた救世主の言葉を借りて、僕なりの解を導き出してみたい。




結局、悩ませておいてこの本に答えはあったのだ。

著者は、なんと罪な男だろう。どうやら、最近結婚した国民的女優のハートも鷲づかみにしたらしい。

そんなギルティ―な、本と著者が教えてくれた試練と越えた先の未来を聞いてほしい。


読みたいじゃなくて、「読んで良かった」と向き合おう


「読みたい」はやっぱり難しい。冷静に考えると、読みたいと思うきっかけは大体表紙だったり、サムネだったり、好きな人だったり、好きな人のおすすめだったり、文章以外なことが大半だ。だからいくら考えても分かるわけがない。

だれも読まない。だれも読まないのである。わたしのように、依頼主がいて、その文章を掲載する場所が最初から用意されていても、だれも読まない。ましてや、自分で解説したインターネット上のスペースにそんな文章を載せても、だれも読まない。なぜか。あなたは宇多田ヒカルではないからである。
　　　
　　　                 『読みたいことを、書けばいい』 だれに書くか その4より

ほら、本を出版してる著者でもこんなことを言ってるのだ。


じゃぁ、どうすりゃいいんだと。そんなときに問いかけてみてほしい。

「読んで良かった文章は？」と聞かれれば、いくつか浮かぶ気がしないだろうか？


新しいことを知れた

自分と重なって、つい涙が出た

ふと心が軽くなった

電車の中で、ふと吹きそうになって必死にこらえた


きっと「よかった」の理由は人それぞれあれど、「ちょっとこれ読んでみてよ！めっちゃいいから！」とおせっかいを、かましたくなる時は少なからずあると思う。自分で分からなかったら、友達に聞いてみるか、Twitterを振り返ってみてほしい。きっと語ってるはずだ。

結局は、自分が読み返しても、知らない人に勧めたくなる文章ということだと思う。


また読みたいものを書けばいいのだ。

どうだろうか。読み始めよりは、気持ちが楽になっただろうか？



自分をもっといっぱい、くすぐってみよう。


また読みたいものを書けばいい。きっとピンと来た人は、この文章にいいねだけ押して、今頃友達やTwitterを漁っているだろう。


でも、大半の人は「おまえは俺らの悩みが分かってない」と思っているはずだ。


自分の「また読みたい」が、分からない。


僕も、これで死ぬほど悩んだ。結局、自分のどこをくすぐられたら、笑い転げてしまい、涙が出てしまうのかが分からないのだ。


そんな時は、一旦このゴリラになってみてはいかがだろうか。


いっぱいくすぐられてみて、どこが一番ツボなのかを知る。自分で自分をいっぱい愛してみるのだ。やはり、一番目の読者である自分のことを知らないと書けるものも書けない。

物書きは「調べる」が9割9分5厘6毛

 　　　　　　　　『読みたいことを、書けばいい』 どう書くか その2より


まずは、徹底的に自分が面白いと思ったものと、向き合ってみてはどうだろう。意外なところが弱かったりするかもしれない。


さぁ、手を拡げて。

なすがままに自分を自分で、笑いの渦に落とし込んでみよう。


ちなみに自分でくすぐっても、あんまりくすぐったくないというツッコミは受け付けない。



「また読みたい」に気づけたなら、幸せに。


どうだろうか。少しは、ペンを執る気になっただろうか。自分が読み返してもまだ面白い文章を書けるようになったならば、それほど幸せなことはないと思う。

そして、それを面白いと思う人が、この世に一人もいないということもないと思う。後は、巡り合わせだ。どうしようもない。


国民的女優のハートを掴み、タイトルで人々を悩ませる著者は、この本の最後を、こんな言葉で締めている。

「事象に触れて生まれる心象。」それを書くことは、まず自分と、もしかして誰かの心を救う。人間は、書くことで、わたしとあなたの間にある風景を発見するのである。
                                                    『読みたいことを、書けばいい』　おわりに


どこまでもカッコいい。それは6.5万人フォロワーがいるTwitterでも揺るがない。まずは、自分がまた見ても面白いと思うもの。そして、どこかで見ているあなたの心を奪っていくことで、そこに出会いとドラマが生まれるのだ。


今日もまた、罪深い著者に救われた。





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