おー先生

娘を3人もち、学習塾講師・家庭教師として「付け焼刃の知識でなくクリアな理解」「人として…

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娘を3人もち、学習塾講師・家庭教師として「付け焼刃の知識でなくクリアな理解」「人として成長できる受験」「健康的な受験」をモットーに30年間指導しています。生徒とのエピソード・子育て中に感じたことを綴っていきます。お問合せ:3daughters.and1@gmail.com

最近の記事

『お子さんの語彙数少なくないですか?』

私の塾では、夜9時を過ぎると保護者にお迎えをお願いしていた。 授業後、6年生の男児が自宅に電話をかけている。 生徒:「もしもし?」 彼は一言発しただけで、ほどなく電話を切った。 私:「え?今の何?」 生徒:「ママが迎えに来るって。」 私:「用事があるのはあなただよね。どうして要件言わないの?」 生徒:「だって…」 こちらは、家庭教師時代に受け持った小学生。 私:「こんにちは。」 生徒の父:「先生、息子は今日頭が痛くて、宿題やっていないんです。」 私:「宿題は、1週間前にお出

    • 『3人の娘を育てる中でpart2』

      今日は、娘達が机に向かって勉強というものを始めた頃の話をしたい。 長女は小学校に上がるとまもなく毎日のように早退してくるようになった。 帰ってくると元気に遊んでいるので、あまり問い詰めずに寄り添うことにしたが、もうずいぶん暑くなった5月のある日、一緒に昼寝をしながら「お友達と喧嘩した?」と聞いてみた。 長女はのんびりと「あのね、目が回るの。」と言った。 国語の本が面白いなと思って読んでいると、「次は算数だ。」と言われる。 「お友達の顔を描きましょう。」と言われて、誰の顔を描

      • 男女共同参画社会

        『虎に翼』 久しぶりに、朝ドラに熱中した。 長女も同じように見ていたらしい。 私の母は、昭和10年生まれ。大変な時代を強く生きてきた女性だ。 叔母から聞いたところによると、勉強はよくできたらしい。 大学進学を望んだが、「女だてらに勉強など必要ない。」と、両親から反対され、学歴は高卒どまりであった。 その後、親の決めたお見合い相手(私の父である)と結婚し、結核を患った父を支えるため大変な苦労をした。 父が健康を取り戻すと、夫婦で事業を起こし、父の右腕以上の存在となった。 しか

        • 『三人の娘を育てる中でpart1』

          プロフィールでお知らせしたとおり、3人の娘たちは中学受験にチャレンジして桜蔭に合格している。 指導した生徒の中にも桜蔭や鴎友など上位校と言われる学校に合格した子は多い。 しかし、この子たちは皆、小さいころから中学受験を念頭に置いて育ってきたわけではない。 指導した生徒たちはたいてい勉強していく過程で、これらの学校を目指すようになったのだ。 中には受験など全く予定していなかったが、成績の伸びとともに中学受験に切り替えたお子さんもいる。 また、成績は良かったが、経済的な理由で中学

        『お子さんの語彙数少なくないですか?』

          「算数の成績をあげよう」

          受験生ならばテストの直しを実施するのは、もう習慣になっていることと思う。 ここでテスト直しの水準が成績の伸びに大きく影響すると考えてほしい。 成績の伸びないお子さんは、塾で配布される解答や解説を見ながら直して「理解した。直しは終わった。」と言ってのけてしまう。 保護者の方々はテストが返されるとまず成績に目が行ってしまうが、テストとはお子さんの立ち位置を確認するためだけのものではない。 ここでは、学んだ事が理解できているか、定着できているかの確認作業を是非行っていただきたい

          「算数の成績をあげよう」

          「日常生活と受験」

          これは中学での実話です。 Part1: 先生「雑巾で机を拭いてください。」 生徒「はーい。」 あろうことか水浸しの雑巾で机を拭き始めた。そう・・・雑巾の絞り方を知らない。 Part2: 調理実習で 先生「さあ、お釜を洗いましょう。」 (電気炊飯器です。) 「ドボン!」 外釜ごと水の中へ・・・ Part3: 同じく調理実習でマカロニグラタンの作り方。 生徒「先生!マカロニが鍋の中で消えました。」 先生「えー!それ、チーズだよね。」 塾生から「うちのママは何にもやらない。」

          「日常生活と受験」

          「合否を左右するコンディション」

          私が自分の子以外で最も長く指導した生徒との話です。 小さいときは泣き虫でした。1年生の夏、時折泣きながら教室に入ってきました。 「どうした?けんかでもした?」 「せんせー、プールいやだ!」 どうも話を聞くと水が苦手なようでした。 「うーん・・・。跳び箱跳べなくても死にはしないけど、泳げないと死んじゃうこともあるから、頑張れ!」と、返してより一層泣かれたことをよく覚えています。 彼女はとても頑張り屋で宿題を忘れたことなどありません。中学受験もうまくいくものだと思っていました。

          「合否を左右するコンディション」

          「時事問題」

          中学・高校受験では時事問題は必須です。 小学生対象に『合衆国大統領選の仕組みと問題点』を学習した際に、生徒たちは気づいた点と自分たちの意見などを模造紙に書き込み、玄関に貼りだしました。 翌日、教室で授業の準備をしていると、「ここは何の団体ですか?」とさも訝しげに見知らぬ男性が声をかけてきました。私は大慌てで模造紙をはがしながら、「子供たちの社会科の学習です。」と答えました。あの頃は、子供が政治的な発言をすることは良しとされていなかったのです。 今では、政治・紛争・経済につ

          「時事問題」

          たかが受験、されど…

          親御さんの中には、お子さんの成績が思い通りに上がらず、ストレスを溜めていらっしゃる方も多いかと思います。 「つい、子どもに手をあげてしまう。」 「子どもに言ってはいけない言葉を浴びせてしまう。」 「受験に協力的でない夫と喧嘩になってしまう。」 「子どもの気持ちがわからない。」など お母さま方から、このようなご相談を受けます。 私も三人の子どもの子育て中には、「やってられない。」と投げ出したい気持ちになったことは日常茶飯事でした。 ただ、私が受験生を教える仕事をしていたこと

          たかが受験、されど…

          「合格」

          私が、30年間受験生を指導して来られたのは、生徒達が成長し続けてくれたからである。 もう一つ、私は私が『どんくさい』人間だということをよく知っていることも一因だ。 生徒には、早い時期に「行きたい学校」を尋ねることにしている。そうして過去問を手に入れ、10年分程度の過去問に目を通す。目を通すというのとは違うな。実際に10年分の問題を解くのだ。 この作業は私にとっては重要であった。 過去問と真剣に向き合うことで、その学校がどの程度の学力を要求しているのかが分かるからだ。 例え

          「適時」

          近頃、中学受験にあたって、かなり早い時期から受験準備をスタートする子供たちと接する機会が増えた。 少し、厳しい表現になるかもしれないが、その昔、日本中でバレンタインのチョコを送るのが流行りだし、多くの友人が、なけなしのお小遣いをはたいてチョコを買いに走る姿をやや異様に感じたのを思い出す。 「好きな人がいるのなら、なにも2月14日でなくとも、その時点で告白すればいいのに。」 「たいして好きでもないのに、この日のために、好きになってない?」 などと友人と語り合ったりもした。

          「人間万事塞翁が馬」

          part1 長女は勉強が好きな子である。 東大の建築学部で院を卒業すると、1年間、とある研究所に勤めたが、大学院時代に書いた論文が契機となって再び東大の門戸をたたき、ゲットーとユダヤ教の研究を始めた。 そしてある日唐突に 「お母さん、私、ベネツィアに行った後2年くらいイスラエルに行くことになった。」 相談ではない、宣言だった。 安全でない場所への留学はだめだと言い聞かせていたため、すべての準備を終えてからのまさしく宣言だった。 「行くんやったら、お母さんの首絞めてから行け!」

          「人間万事塞翁が馬」

          「間違い」

          三女と天体の勉強をしているとき、 「お母さん、ちゃんと理解できてるのに、ところどころ間違う。何で?」 星座や天体の名前は覚えるしかないが、動きは天体の公転や自転角度から計算をする。 説明させると理解はできているようだ??? 「わかった!」私たちは小さな地球上から夜空を眺めているが、娘は天球の外から神のごとく宇宙を見ていた。やはり子どもは面白い。 またまた三女の話 「ねえ?高橋是清は原敬暗殺しても総理大臣になれたんだ?」 「なんのこと?」 「人名事典に大蔵大臣となり政友会総

          「間違い」

          「勉強嫌い!」

          中3の生徒との会話 生徒:「先生、俺、いい高校に入りたいけど、勉強したくない!」 正直と言えば正直だが、大人ならこんなこと決して口には出さないだろう。 私:「どちらか、あきらめてもらうしかないな。   選択肢は1つや。勉強せずにそこそこの学校に入るか、努力して希望の    学校に入るか。魔法はないからな。」 受験を通して子ども達は成長する。 進学したい学校があれば、そこに向けて計画を立て努力するしかない。 ゲーム、テレビ、友達との長々としたお喋り、動画配信、寄り道・・・

          「勉強嫌い!」

          身近な教材

          ずいぶん前になりますが、ある中学(受験を目指している方ならだれでもご存じの学校です。)の受験で、スーパーに売っているような魚の切り身のカラー写真についての出題がありました。 当時はまだ家のお手伝いをする子も多く、半数の子どもがこの問題に対応できましたが、 中には「見たこともない。」という子もいました。 学校がどういう子ども達を欲しているのかが、うかがえる問題です。 お手伝いをする子が欲しいわけではありません。 机上の勉強だけにとどまらず、私たちの身の回りには不思議や矛盾、学

          身近な教材

          東日本大震災

          東日本大震災の折、川崎も大きく揺れ、我が家も4階の子供部屋の整理ダンスが倒れ、冷蔵庫が動きました。 「4階の整理ダンスはそのままにしておいて、倒れたものはこれ以上倒れんやろう。」と三女に言い残し、私は1階の教室に降りていきました。 背の高い本棚がいくつかありましたが、教室には変わりはありませんでした。 三女「こんな日に、生徒来ないでしょう。」 私「いや、来るような気がする。」 大きな机を本棚から離し、準備をしていると、 タワーマンションに住む生徒や、共働きのご両親を持つ生

          東日本大震災