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涙するほどの熱量を持って。

ひとつひとつの涙には、さまざまな感情が含まれる。

大切なものをなくして悲しみが溢れ出た先の涙もあれば、
努力が実った嬉しさで涙がこみあげる瞬間もある。

人は、感情の振れ幅が大きいとき、涙を流すのではないだろうか。

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昨年末、人知れず涙を流したのは、「自然と共に生きる」というコンセプトを掲げてる『株式会社Sanu』の周年パーティに参加したときのこと。

Sanuとは、自然の中にもう1つの家を持つ、サブスクリプションサービスを展開している会社だ。

この会社の創業者がこれまでつくってきた数々の宿空間がすきで、すきで、一時期住んでしまった経験もある私にとって、このパーティは思い入れのある1つの行事でもあった。

会場に訪れると、大人も子どもも、代表者も関係者も、混沌とした箱の中で音楽に身を委ねる姿は、純粋無垢な生き物の本能が垣間見えたように思う。

美味しいワインにDJのパフォーマンス。
走り回る子どもたちの傍ら、音楽に酔いしれる親御さん。

カオスな箱内での時間はあっという間に過ぎていき、
創業者の本間貴裕さんが片手にマイクをとりはじめる。

“俺は、環境を守らないと地球が危機的だとか。それ起点ではなくて。
純粋にサーフィンがすきだから。自然がすきだからこの事業をやっている。
すきなものって、自ずと大切にしようと思えるじゃん。
だから、今都会で自然とは無縁で生きている人たちも、次世代の子どもたちも、「自然っていいな」と思えるような世界観をつくっていくのがSanuの役割。そうすれば、結果的に環境を守れると思うから。”

声色は力強く、真っ直ぐな眼差しをしていた。

あんなにざわめいていた会場が、一気に静まりかえる。
この箱の中にいる人々が、ひとつひとつのことばに応えるかのように
全員まっすぐな目で、本間さんを見つめていた。

長いこと、この人のつくってきた歴史を追い続けてきた自分にとって、
このことばに、この光景に、ただただ目頭が熱くなった。

今過ごしている日々の生活で、心を燃やして取り組めていることって、どれだけあるのだろう。心からすきだといえることにどれだけ向き合えているのだろう。

ひとつひとつの涙には、さまざまな感情が含まれる。
人は、並ならぬ熱意に触れたとき、心が動かされて涙を流すのかもしれない。

忙しない日常の中、目先のことばかりに集中して、自分の心を置いてけぼりにしてしまうことがある。
それでも時々「今のあなたは心を燃やせている?」と自分自身に問いかける心を忘れずに過ごしていきたい。

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