人は常に評価している
ども、テレワーカー過ぎて地元の集まりで「仕事してるの?」とガチ質問され、リストラ疑惑にあってるsaburoです。
私はプログラマーの講師とフリーのエンジニア、2足のわらじを履いているのですが、今日はフリーのエンジニアとして従事している現場のお話です。
ジョブシャドウウィング
皆さんはジョブシャドウウィングという職業教育をご存知でしょうか?
米国ではすでに定着している職業教育の一つで、主に中高生が半日から1日ほど企業に赴き、従業員に密着し職場での仕事ぶりを観察するというものです。
先日、私の現場に高校1年生の二人がジョブシャドウウィングのために訪れてくれました。
私の現場は人事評価制度のコンサルタントをしている会社で、私は人事評価のためのシステム開発を担当しています。
そのため、人事評価とシステムとを絡めた話をするのですが、その日私が思いつきで話したことが、意外にも自分に刺さってしまったので紹介します。
(自画自賛でさぁせん)
人事評価とは
人事評価というと皆さんは何を思い浮かべますか?
「地位や報酬を決めるための制度」と言ったニュアンスの回答が多いのではないかと予想します。
Wikipediaの概要から抜粋すると下記のようです。
人事評価(じんじひょうか)または人事考課とは従業員の業務の遂行度、業績、能力を評価し、賃金や昇進等の人事施策に反映させる仕組みのこと。
引用元:人事評価(Wikipedia)
私の印象では「地位や報酬を決めるための制度」でも正しいのですが、人事評価を表す表現としては50%と言った感じです。
では残りの50%はなんでしょうか?
成長戦略のためのツール
もう、タイトルでお分かりですね。
私は、人事評価の残り50%は成長戦略のためのツールだと考えています。
実は先ほど紹介したWikipediaにも下記のような紹介がされています。
従来は賃金や昇進・人材配置などの意思決定が人事評価の主目的とされたが、アメリカでは人事評価を人材育成・能力開発に統合するパフォーマンス・マネジメント(英語版)が論じられるようになった。
引用元:人事評価(Wikipedia)
「人材育成・能力開発に統合するパフォーマンス・マネジメント」を端的に説明すると、評価者が評価対象者に対して「私はこういうことを評価するよ」ということを公開し、評価対象者の進むべき道を示すことだと考えています。
人間関係は全てにおいて人事評価
こういうことを言ってしまうとちょっと極論過ぎるかもしれないのですが、友人関係・恋人関係・会社の同僚、全てにおいて人事評価の考え方が適用できると考えています。
例えば、彼女があなたのためにお弁当を作ってきたとします。
もし、また彼女にお弁当を作って欲しいのであれば、仮に美味しくなかったとしても、少し大げさなくらい大いに喜んであげましょう。
すると彼女は「この人はお弁当を作ることに対して評価してくれた」と捉え、また作ってきてくれるでしょう。
そうです、この話はお弁当を作ってきた彼女が評価対象者で、お弁当をもらった彼氏を評価者と見立ててお話をしています。
似たようなことで、「旦那に家事をさせたければ、よく褒めて大げさに感謝しろ」なんて話もよく聞きます。
「褒める・褒めない」「感謝する・感謝しない」という評価は、対象者に将来的な行動を促すための成長戦略となりうるツールなのです。
人は常に評価している
と、ここでこの記事のタイトルに話を戻します。
実はここまでは本題のための前振りで、「評価対象者こそ評価者のことを評価している」というのが今日一番お話ししたい内容です。
先ほどのお弁当の話ですが、彼女の手作り弁当に対して大げさなくらいに喜んだとしても、100人中100人が後日お弁当を作ってきてくれるわけではありません。
それはなぜでしょうか?
それは「評価対象者が求める評価方法はそれぞれ異なる」ためで、評価対象者は「評価の仕方を評価」しているためです。
そのため、個人の成長にスポットして考えた時「個々にマッチした評価制度」が理想的と言えるかもしれません。
人事評価の奥深さ
人が成長することで組織が成長し、組織が成長することで人が集まるのが企業です。
10人程度の小さめの組織なら先ほどの「個々にマッチした評価制度」を実現することも可能でしょう。
そしてそれを実現することで個々の成長スピードが加速し、その結果企業の成長スピードも加速するでしょう。
ただ、先ほども述べたとおり、企業とは「組織が成長すると人が集まる」という性質を持っています。
人が増えると、個々にマッチした評価制度は瞬く間に運用不可能な状態となります。
成長スピードを優先すれば将来的に運用困難な状態を招き、安定的な運用を優先すると成長スピードが低下する。
人事評価制度とはこんなジレンマとの戦いなんだなぁと感じます。
そして「企業の成長と合わせ人事制度自体も成長する」これが最も理想的で、そのような人事制度の土台となりうるシステムを開発するのが私の勤めですね。
まとめ
・・・と、こんなような話をしたのですが、訪れた生徒さんに何かしら良い刺激になればと思います。
また、こうやって自分の考えを相手に伝えるために言語化するという場をもらうことで、人事制度に対する自分の知識や認識を整理する良いきっかけをいただけました。
以前の記事でも書きましたが、他人に成長を促す活動はそのまま自分の成長に繋がることが多いです。
エンジニアという職につき、自分の能力を活かすことができる現場に出会い、教務という役割に巡り会えたこと、様々な縁に感謝です!