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スカイリムプレイ日記~狩人ちゃん~ #43
こちらの続きです
『血の栄誉』
コドラクさんから呼び出されたので部屋を訪ねると、ゆったりとした所作で椅子に座るように言われました。
「最近忙しそうじゃないか」
やはりすべてお見通しのようです。
「これは…スコールさんの死に対しての報復なんです」
「悲しみは分かるさ。私もスコールを失って大いに嘆いている。だが彼の敵討ちはずっと前に終わっている。名誉が求める以上の命を、君らは奪ってしまったのだ」
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うなだれてお叱りを受ける覚悟をしましたが、コドラクさんは怒るでもなくいつもの調子で「ともかく、一つ仕事を頼みたい」と続けました。
「はい…え?仕事?」
本題は別のところにあったようです。
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「我々がなぜウェアウルフになったか、その理由を聞いたことがあるか?」
「デイドラ王ハーシーンから受けた祝福だとか、呪いだとか、なんとか…」
「信念は人それぞれかもしれんが、真実は誰かひとりの口から出た事よりも、ずっと複雑なものだ」
コドラクさんによれば、同胞団が結成されたのはおよそ5千年前。そしてこの同胞団においてウェアウルフの歴史が始まったのは、ほんの数百年前なのだそうです。
かつて同胞団の導き手の中に、目先の力欲しさから『グレンモリル魔術結社』を名乗る魔女達と取引をした者がいました。強大な力を授けるその条件は、『同胞団が魔女達の主人であるハーシーンのために狩りをすること』。
魔女たちは約束通り、同胞団に『ウェアウルフ』という強大な力を与えましたが、取引をした導き手も、それが永遠のものだということは知らなかったのだそうです。そして数百年もの間、このブラッド・ビーストの呪いは同胞団の中で秘密裏に受け継がれてきたのでした。
「我々は騙されたのだ」
「でも、ウェアウルフの力は強力ですよね」
その異様な力は、私自身も実感しています。だからこそ同胞団の人たちもこの呪いを受け入れ、歴史をつないでいるのでしょう。
「そうだ。たしかに魔女たちは約束を守ったというわけだな。しかしいくら体が強くなっても、魂が汚れてはダメだ。病は我々の体を侵すだけではなく魂の中にまで侵入してくる」
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「ウェアウルフは死ぬとハーシーンのハンティング・グラウンドに呼ばれるんだ。そこを楽園とみなす者もいる。ご主人に仕えて永遠に獲物を追いかけるだけで彼らは満足なのさ。それもいいかもしれんが、真のノルドはソブンガルデでその魂を休めるべきだ」
入団式の後に話してくれたことですね。たしかに誇り高いノルドの戦士にとって、命を削って戦った末にソブンガルデと呼ばれる死後の楽園に行けず、しかも真の行先は永遠のハンティングだとわかっているなんて、絶望なんてものではないでしょう。
「年を取ってからは、ずっとその答えを探し続けていた。そしてついに見つけた。我々がこうなったのは魔女たちのせいだ。そして我々を救えるのも、奴らの魔法の力だけなんだ」
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「魔女たちを探してくれ。そして奴らの首を持ってくるんだ。魔法の力の源だよ。首があれば、数世紀に渡る我々の不幸な運命に終止符を打てるだろう」
なんと、コドラクさんは独自にウェアウルフの呪いを解く方法を見つけ出していたのですね。そのために必要な魔女の首を狩らせる目的で、私を呼び出した、と。
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それにしてもウェアウルフの継承を止めることにアエラさんが賛成するとは思えませんが、同じくウェアウルフ賛成派のスコールさんが亡くなったタイミングで動き出したあたり、コドラクさんとしては念願を叶える契機として見ているのかも知れません。
私は、ウェアウルフの力を治癒する方法があるのなら、保険として確保しておきたいというのが本音です。この力を得てから寝つきが悪かったり、体から獣臭を放つのが気になっていますので。
グレンモリル魔術結社
怪しげなアーティファクトで飾られた洞窟へやってきました。
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禍々しい雰囲気の暗い洞窟の中には、四人の不気味な魔女が四つの部屋に別れて潜んでいました。忍び足で近づき、それぞれ仕留めていきます。
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強力な魔女たち相手の仕事を慎重に行ったため、少し時間はかかりましたが、魔女の頭を四つ抱えてジョルバスクルへ戻りました。
ジョルバスクル
時刻はすっかり夜。コドラクさんに褒められることを期待しながらホワイトランの門をくぐると、何か物々しい雰囲気で、市民の多くが不安そうな表情でジョルバスクルの方へ集まっています。目をこらすと、階段上に山賊の遺体がいくつも転がり、同胞団の仲間たちが剣を構えて警戒しながら歩き回っていました。
「どうしたんですか?」
「シルバーハンドめ。ついにジョルバスクルまで攻撃しやがった」
「え!!」
なんと、シルバーハンドの一味がここまで乗り込んできたようです。ホワイトランには衛兵もいますし、何より同胞団はみな精鋭揃い。そんな無謀な事をするなんて、こちらの追い込みによってタガが外れてしまったのでしょうか。
「大半は返り討ちにしたが、一部の残党兵には逃げられたようだ」
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ジョルバスクルの中へ行くと、顔面を蒼白させて立ち尽くすヴィルカスさんが、私の姿を一瞥し、「どこに行っていたんだ?」と冷たく言い放ちました。
「コドラクさんに頼まれていた仕事を…」
「大事な用だったと思いたいね。そのためにここで彼を守れなかったんだから」
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「シルバーハンドはついにジョルバスクルを襲いに来る度胸がついたようだ。みんなで撃退したが…コドラクは…死んでしまった…」
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コドラクさんが死んでしまったなんて!信じられません。
唖然とする私に、ヴィルカスさんが言います。
「奴らはコドラクを殺し、我々が集めたウースラドの一部を持って逃げた。お前と俺でそれを取り返しに行くぞ。敵の野営地の中心部に戦闘を仕掛ける。奴らの物語を生きて後世に語り継げる者は一人として残すまい。歌われるのはジョルバスクルの歌だけだ」
「わかりました」
「コドラクの敵を討ちに行くんだ。死の恐怖を教えてやる」
スコールさんに続いて、コドラクさんまで奪われてしまいました。同胞団の仲間たちは悲しみに暮れています。
けがを負った者はいましたが、転がっている死体はどれもシルバーハンドのものでした。ジョルバスクルは仲間たちに任せ、私とヴィルカスさんは武器を整えて敵陣へと向かいました。
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コドラクさんの魂は今、どこにいるのでしょうか。彼が言っていた通り、ハーシーンの元で獣として狩りを強いられているのであれば…間に合わなかったことが悔やまれてなりません。
とにかく今私にできることは、シルバーハンドの中心部を潰し、同胞団の誇りであるウースラドの一部を取り戻す事。夜の荒野を駆けながら、心の中で報復を誓いました。
『復讐の正当性』
ドリフトシェイドの隠れ家
ウィンターホールド要塞まで北上し、シルバーハンドのアジトまでやってきました。
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地上からは小さな小屋のように見えましたが、地下につながる広い敷地に、シルバーハンドが数多く潜んでいました。今回はあえて変身せずに、ヴィルカスさんと二人三脚で敵を倒していきます。
途中で見つけた牢屋に、生きたウェアウルフが閉じ込められていたので、鍵を開けて解放してやりましたが、どうやらすでに自我を失っていたようで、こちらに向かって襲い掛かってきました。
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結局、助けたウェアウルフも倒してしまいました。サークルの人々や私と、彼らとの違いは何なのでしょうか。考えさせられます。このウェアウルフとコドラクさん、そして私も、死後の行先は同じなのか…とも。
その後、シルバーハンドを殲滅し、奪われたウースラドの一部も奪還しました。外に出ると、ヴィルカスさんは外の明るさに目を細めながら言いました。
「ジョルバスクルに戻ろう。コドラクの魂に敬意を示したい」
「そうですね」
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これで終わりとは言えませんが、シルバーハンドに対してはできることはしました。しかし、この虚しさは何でしょう。
コドラクさんは、こんな事では褒めてはくれない。そんな確信が、我々の心にしこりを残しているのでした。