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スカイリムプレイ日記~狩人ちゃん~ #70
こちらの続きです
『氷の上の血』②
北の都市ウィンドヘルムを震撼させている、女性連続殺人事件。犯人を突き止めるべく、殺人鬼を『ブッチャー』と呼んで警告のチラシをばらまいているというヴィオラ・ジョルダノさんを探します。
ダークエルフの居住区、灰色地区を抜けて歩いていると、向こう側から階段を下りてきたインペリアルの女性が、出会い頭に「気を付けて」と声をかけてきました。
「ブッチャーはすぐ近くにいるかもしれないからね!」
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「ヴィオラ・ジョルダノさんですね?”ブッチャー”について何か知りませんか?」
ヴィオラさんはこくりとうなずきました。
「他の女たちに起こった事のおかげで、自分の安全が心配になったわ。もう何か月も追いかけているわ…えっと、正確には追いかけているわけじゃないわね。見つけようとしている」
「そうなんですね。私も犯人を見つけたいと思っています。あなたもこれが危険であることは承知かとは思いますが」
「衛兵は助けにならない。みんなも助けにならない。あいつを捕まえられるって考えているのは私だけ。戦争の事で手一杯って言うの…私に言わせれば、犯罪者に脅かされていたら戦争に勝っても何にもならないわよ」
同感です。この件に関して衛兵や執政の態度には私も思うところがありました。ヴィオラさんは勇敢な方ですね。ブッチャーが脅威に感じるのも無理はないでしょう。さっそく、空き家で手に入れたブッチャーの日記を見せます。
「奴のねぐらでこんなものを見つけたんです」
「んん?」
ヴィオラさんは日記に目を通し、その内容に顔をしかめた後、死霊術師の実験ではないか、という推論と共に『ウーンファース』という魔術師の名を教えてくれました。
「彼については噂が絶えないの。私が思い出せる限りずっとよ。危険な男ね。だから”死せる者”って呼ばれているわ。私なら直接会いにいかないわ」
そんな怪しい魔術師となれば、容疑者として候補に挙がっても不思議ではありません。
「この話は直接、執政にした方がいいわ。あなたのいう事なら耳を傾けるはず」
ヴィオラさんはこれまでも執政達に働きかけてきたのでしょうが、きっと相手にしてもらえなかったのでしょう。ヴィオラさんの努力が報われるよう、最善を尽くすことを心に決めました。
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宮殿に戻る前に、カリクストの骨董品の館へやってきました。ここに来るのは久しぶりです。観光客にとっては暇つぶしになるのかもしれませんが、商店でもないので立ち寄る用事がないのです。
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そういえば、この建物には久しぶりですが、館の主カリクストさんとはあの殺人現場で会っていたことを思い出しました。現場から逃げる人物を見たけれど、姿はよく見えなかったと証言していたのです。
そんな彼のコレクション・ツアーを断り、アミュレットを鑑定してもらいます。
「どれどれ…ああ、これは舵の石だな。ウィンドヘルムの後継者によって受け継がれた力の象徴だ。伝統的には、王宮魔術師によって受け継がれる。」
なんと、これは王宮魔術師が受け継ぐアミュレットだというではありませんか。
「もし…手放しても構わないのなら、もらい受けてもいいが…」
確かにそれほどのものであればコレクターとして手に入れたいところでしょう。しかし重要な証拠品です。商談を断り、王宮魔術師について尋ねました。
「ウーンファースだと?いいや、これは儀式に使うものだ。彼は必要としていない」
おや?王宮魔術師がウーンファース?ということは、ウーンファースがこの舵の石を受け継いだのではないのでしょうか。しかしそれを否定する…うーん、言っている意味がよくわかりません。
カリクストさんは構わずに続けます。
「それに、私は奴に与えたくない。虫唾が走る… 噂では、奴は死霊術師だそうだな」
よくわかりませんが、カリクストさんがウーンファースという王宮魔術師を毛嫌いしていることだけはわかりました。
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ブッチャーのアジトに残されていたアミュレットと、死霊術の儀式と思われる祭壇…証拠としては弱いかもしれませんが、とりあえずヨルレイフさんに報告してみましょう。王宮魔術師が容疑者となれば、なるべく早く身柄を確保してもらわねばなりません。
王宮に向かい、食事中のヨルレイフさんに報告します。
「死せる者ウーンファースを容疑者として拘束してください」
「重大な告発だな。証拠はあるんだろうな?」
ヨルレイフさんの目が光りました。
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「殺人犯のアジトと思われる場所から死霊術の痕跡と、彼のアミュレットを見つけました」
ヨルレイフは頭を抱えます。
「信じたくないな…ウーンファースは、何年も前からウルフリックにとって信頼できる友だった。噂話が本当だと知るのは、心が痛むよ」
やはりヨルレイフさんもウーンファースに疑念を持っていたのでしょう。しかし相手はウルフリック首長のお気に入り。それが捜査の手を鈍らせていたのかもしれません。しかしここまで来たらさすがに見過ごせなくなったようです。ヨルレイフさんは重い腰を上げました。
「ウーンファースは逮捕されるだろう。真相を明らかにしてくれた事に感謝する。これでウィンドヘルムの街並みに平和が戻るな」
もっと早く本気で捜査すれば、三人もの犠牲者を生まずに済んだかもしれません。しかしヨルレイフさんは複雑な私の心中に気づくことなく、意気揚々と衛兵の元へ歩み寄り、「お前も来い。ついにブッチャーを逮捕するぞ」と声を掛けました。
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ヨルレイフさんたちは王宮の上階へ続く階段を上がり、王宮魔術師の部屋までやってきました。
何事かと驚いてこちらを見るウーンファースに対し、
「お前を逮捕する。キャンドルハース・ホールのスザンナ、フリガ・シャッターシールド、そのほかの者すべてを殺害した罪だ」
やはりトールビョルンさんの娘、フリガさんも連続殺人の犠牲者だったのですね。
「お前の企みは見抜いていた、臆病者め」
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何をいけしゃあしゃあと…本音だとしたら行動が遅すぎますし、嘘だとしたら単純にむかつきます。
ウーンファースは「街中が正気を失ったのか?」と吐き捨てました。
「私も水晶や占いで殺人者を探しているんだ」
「殺人の言い訳はブラッドワークスで聞こう、ウィザードめ」
罪を認めないウーンファースに対し、ヨルレイフは侮蔑的な言葉を投げます。もともとウーンファースに対して良い印象を持っていなかったのでしょう。
こうして連続殺人事件の容疑者、王宮魔術師ウーンファースは捕らえられました。
しかし、どこか腑に落ちません。
この街に落とす戦争の影のせいなのか、それとも事件の真相がまだ明かされていないのか――
もしも他に犯人がいたとしたら…
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私に出来ることは、次の犠牲者が現れないよう祈ることのみです。