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スカイリムプレイ日記~狩人ちゃん~ #102
こちらの続きです
『抑制』
ウィンターホールド大学
寄り道せずに大学へと帰ってきました。アークメイジのサボス先生に報告しようと正面扉を開けると、元素の間が青白い光を放つ竜巻のようなものに覆われ、その様子をサボス先生とミラベル先生が愕然と眺めていました。
「――分かりません。シールド魔法のようですが、かけているのは誰?アンカノだとしたら、どうやって?」
「何だろうと構わん。すぐに倒せ!奴が中で何をしているのか確かめろ!」
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どうやら魔法でシールドが張られ、元素の間の中に入れないようです。竜巻のように見えたのは魔法の膜でした。サボス先生が珍しく声を荒げ、ミラベル先生がシールドに向かって氷魔法をかけはじめました。
「何が起こっているんですか?」
「アンカノさ。あの中で何かしている。何だかわからないが、今から押し入るところだ。こうなったら奴はクビだな。絶対に」
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アンカノはダンレインの預言者にマグナスの目について探りを入れていました。彼がどんな預言を授かったのかはわかりませんが、マグナスの目になんらかのアプローチをかけているのは間違いありません。
ダンレインの預言者が言っていた『手遅れ』というのはこのことなのでしょうか?
「これを壊すのを手伝ってくれないか?手当たり次第に物を投げつけているんだが」
「あ、あの、マグナスの杖の場所がわかったんですが」
「今はそれどころではない。現在起こっている問題を解決しないといけない」
サボス先生は背をむけて、シールドに激しい雷撃魔法を食らわせます。二人の魔法が効いたのか、シールドが消え去りました。
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サボス先生は一目散に中へ駆け込みました。
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中ではアンカノが、マグナスの目に向かって何かの魔法を当てています。
「一体どうなっているの?!」
ミラベル先生が叫びました。
「アンカノ!いますぐ止めろ!命令だ!」
アンカノはサボス先生を無視して続けます。サボス先生は魔法をかまえてアンカノに襲い掛かりました。
「近づいてはいけない!」
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ミラベル先生の悲鳴に近い声が聞こえた次の瞬間、マグナスの目が眩しく光り、意識が遠のきました。
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一体何が起きたのでしょう。
「大丈夫ですか?歩けますか?」
ミラベル先生の声が聞こえます。
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「立ってもらわないと。大変な事になったのです」
意識がはっきりしてきました。どうやら先ほどとは違う場所に吹き飛ばされてしまったようです。
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辺りを見回すと、柱にもたれかかったミラベル先生がぐったりと座り込んでいました。
「私はたぶん大丈夫です」
「アンカノがあれを…”目”を使って何かを始めたのです。止めることもできなかった!爆発後、サボスの姿が見えないのです。相当吹き飛ばされてしまったのでしょう。怪我しているかもしれません。アークメイジを探してきてください、急いで、早く!」
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「ミラベル先生は大丈夫ですか?」
「大丈夫。少し息を整えているだけです。サボスを早く…」
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心配なので、癒しの魔法をかけておきました。
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アンカノ…彼は一体このマグナスの目をどうするつもりなのでしょうか。
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元素の間にサボス先生は見えなかったので外に出ると、先生たちが集まっていました。みんな真っ青な顔をしています。
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近づくと、全員が何を囲んでいるのか目に入りました。
トルフディル先生が私に気が付くと駆け寄ってきました。
「大丈夫か。ここで何があったのだ」
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「…アークメイジの…サボス先生が…死んだのですか…?」
「そ、そんなことは…信じられない」
突然の爆発と、校庭に投げ出されたアークメイジの遺体。トルフディル先生も動揺し、混乱している様子です。
「しかし、今は時間がない。ここで起こったことは、ウィンターホールドにも起こったはずだ。そこを出て、無事を確かめるんだ」
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トルフディル先生は冷静さを取り戻し、周囲に指示を出しました。
「私はここでできる限りのことをする。さあ、今は行くのだ」
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何が何だかわかりませんが、ウィンターホールド市内でも何か起こっているようです。トルフディル先生の指示を受け、他の先生たちもばたばたと走りだしました。しかしその時――
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ドラゴン!?
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これもあの爆発に引き寄せられた災害なのでしょうか。泣きっ面に蜂とはこのこと。しかしここはウィンターホールド大学、しかも一流の魔術師達が一堂に会しています。侵入してきたドラゴン退治は容易でした。
ドラゴンを倒したあと、サボス先生の遺体の前で短い時間弔いの祈りを捧げました。
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街へ向かおうとする私に、ファラルダ先生が困惑しながら叫びました。
「どうなっているの!?あそこで何が?」
「まずいことになりました。ウィンターホールドが危ないんです。手を貸してもらえませんか?」
「危険かもしれないって?見て。疑問の余地なんかないわ」
ウィンターホールド市内では異形の魔法生物が人々に襲い掛かっていました。勇敢な衛兵や市民が対抗していますが、大変に危険な状態です。
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素早く飛び回る異形生物相手に弓矢での応戦は苦労しました。先生たちがいなければ劣勢だったでしょう。目につく敵を排除し、残党の確認はファラルダ先生やアーニエル先生に任せ、急いで大学へ戻ります。
それにしても、この騒動がマグナスの目のエネルギーがアンカノによって暴発したことが原因なのだとしたら、使いようによってもっと広範囲にわたってさきほどのように異形生物たちがあふれ出したり、あるいは大爆発を引き起こしてしまう…そんなことが可能になるということなのでしょうか。想像するだけでぞっとします。
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ミラベル先生の下へ戻り、市内の安全確保を報告しました。
「こちらも大丈夫と言えたらいいんですが…」
アンカノとマグナスの目を睨み、ミラベル先生が歯噛みしました。
「トラフディルと私で食い止めてみます。その間にマグナスの杖をお願いします。行ってください」
「そんな重役を…なぜ私に?」
「私はここを動けません。アンカノに働きかけてこの事態を止められるか、やってみなければなりませんから。だから信用できる人に任せたいんです」
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「それに、あなたはこの顛末を予言した当人ではありませんか」
「予言って…ミラベル先生は、その杖が役に立つと本気で思っているのですか?」
「見つけろと言われたのでしょう?」
ミラベル先生はこちらを見透かすように、じっと私の目を見据えました。私の調査に対してあまり関心がないようにふるまっていましたが、すべて演技だったのか、それともこの状況下において考えを一変させたのか――わかりませんが、その目からは強い意志を感じました。
「もし伝説が真実で、杖が本当に莫大な力を吸収できるのなら、アンカノの魔法を打ち破れるかも知れないのです」
アークメイジのサボス先生すら太刀打ちできなかった力。今はこの途方もない展開を収束する手立てとして、マグナスの杖の可能性にすがるしかないのは事実です。
「…わかりました。ではラビリンシアンに行ってきます」
「何?」
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ミラベル先生は驚愕し目を丸くしました。
「それは…本当なんですか?杖はそこに?」
「え、ええ、サイノッドの研究者によれば、そこにマグナスの杖があると」
「偶然の一致とは到底思えませんね」
「何の話ですか?」
ミラベル先生はしばし逡巡し、決意したように口を開きました。
「アークメイジの話を」
アークメイジのサボス先生と、ラビリンシアンになんの関係があるというのでしょう。
「あの人…あの人がつい最近くれた物があるんです。ラビリンシアンに会った物で、使い方は時が来れば分かるだろう、と言っていました。たぶん…あなたに渡してくれたという意味だったのでしょう。なんとなくですが、あの人にとっては大きな意味を持つ品のようでした」
なんと、ラビリンシアンにまつわる品を、サボス先生がミラベル先生に託していたなんて。まるでこのような未来を予見してかのようです。
「たぶん…あなたに渡してくれという意味だったのでしょう。なんとなくですが、あの人にとっては大きな意味を持つ品のようでした」
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ミラベル先生は、半月状の不思議な形をした物を渡してくれました。これがどのような意味を持つというのか、見た目だけではわかりません。
「それと、このアミュレットも持って行ってください。元々はサボスのものでしたが、今はあなたの役に立つかと思います」
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ミラベル先生とサボス先生の関係はわかりませんが、そんなに大事なものを譲ってくれるということは、この先の困難を前に、私を信頼し、重要な役目を託してくれたということなのでしょう。
「これを持って、すぐに行って。アンカノが大学を完全に破壊してしまう前に、杖を持ち帰ってきてください」
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ミラベル先生は治癒魔法が効いたのか、歩けるほどに回復していました。とりあえず一安心です。大学はトラフディル先生や他の人たちに任せて、急いでラビリンシアンに向かいましょう。
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