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スカイリムプレイ日記~狩人ちゃん~ #105
こちらの続きです
『マグナスの目』
マグナスの杖を持ってウィンターホールドに戻ると、向こうに見える大学の校舎に違和感を覚えました。
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よく見ると、校舎の周りに巨大なシールドが張られていることがわかりました。あれはマグナスの目の周りを囲んでいた激しい光と風の壁です。私がラビリンシアンに行っている間にシールドの範囲が拡大してしまったようですね。
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「無事だったのか!」
トルフディル先生が私を見つけるなり叫びました。
「あれは持っているのか?」
杖を見せると目を見開き、それからシールドを指していいました。
「サイジック会が予想したほど強力かどうか、確かめよう」
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「そうだ、ミラベル先生はどこに?」
「か、彼女は…だめだったようだ…」
「え!?」
「撤退しなければならないことがはっきりした時、彼女は他の者を先に撤退させ、独りだけここに残ったのだ」
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なんということでしょう。ミラベル先生は自分を犠牲にしてみんなを守ったのですね。私が杖を探している間に、力は膨張し、先生たちの力ではどうにもならなくなっていたようです。これではおそらく私の弓矢をいくら打ち込んだところで歯が立たないでしょう。
「アンカノの力は増すばかりだ。彼がシールドに何を使っているにせよ、我々はそれを破ることができない。ラビリンシアンに行った甲斐があるといいのだが…行こう!」
アークメイジとマスターウィザードを失った今、残されたトルフディル先生たちはこのマグナスの杖の力に頼るほかないと判断したようです。やるしかありませんね。
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激しいシールドに向かってマグナスの杖を傾けます。念じると杖の先から光がほとばしり、それがバチンと弾けました。
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なんと、マグナスの杖の力であれほど強大だったシールドが消え去りました。やはり杖の力は目のエネルギーを吸収するという伝説に間違いはないようです。
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元凶であるマグナスの目がある元素の間にまっすぐ飛び込むと、
「私に会いに来たのかね?」
アンカノの声が聞こえました。マグナスの目に向かって魔法をかけているのか、力を吸収しているのかわかりませんが、両手の先から出る何らかの魔法で目とつながっています。
「何を企んでいるか解らないとでも?お前を倒せないとでも思っているのか?」
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「この力があれば世界は思いのままだ。お前がどうにかできるとでも思っているのか?」
トルフディル先生がアンカノに向かって破壊魔法をぶつけました。しかしアンカノは涼しい顔です。
「呪文が効かない!」
マグナスの目の力でしょうか。
「貴様のふざけた魔法ごときなど効かん。私に触れられるものか」
私の矢も意味をなさないようです。どうするか考えていると、トルフディル先生が叫びました。
「杖を!目に使え!」
その声を信じ杖を振ると、眩しい光が目に向かって飛んでいきました。目の内部に光が生じ、たしかに目が反応していることがわかります。それまで余裕ぶっていたアンカノはこちらを睨みつけると、トルフディル先生とアラネアさんに向かって麻痺魔法のようなものを飛ばし、二人は魔法を構えたまま倒れて動かなくなってしまいました。
しかしこの手を緩めることはできません。
「まだ続けるか?よかろう」
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マグナスの目が激しい光を発し、次の瞬間には球体パズルが分解するかのように開き始め、中から飛行する異形魔法生物が飛び出してきました。
「最後の過ちだ…」
トルフディル先生が倒れたままつぶやきます。
対抗して召喚魔法の巻物でゴールドセイントを呼び出し、異形魔法の相手をしてもらいます。こちらを攻撃してくるアンカノにも弓矢や巻物の呪文、杖の魔法を当ててみますが、まったく効いている様子はありません。反対に相手の魔法は恐ろしく強力で、油断すると体力を削られてしまいます。さすが魔術師ギルドに送り込まれたサルモールの公認スパイなだけあります。一筋縄ではいきません。
回復の薬を何本も空にしながら柱の陰に隠れ、マグナスの目に標的をしぼることにしました。
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マグナスの目に杖の魔法を当て続けます。アンカノの異様な力は間違いなく目の力。その力を吸収していくほかありません。
杖に魂石を何個も補充しながら、杖を目からそらさずにいると、なんと異形魔法がアンカノに向かって攻撃を始めました。それまでなんの攻撃も聞かなかったアンカノに異形魔法はどういうわけか大きなダメージを与えられるようで、ついには「嫌だあああ…」と断末魔を上げながらその場に倒れ、息絶えました。
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その後、残った異形魔法がこちらを襲い掛かってきましたが、麻痺魔法が解けて起き上がったトルフディル先生とアラネアさんがすべて片づけてくれました。
「やれると思っていたぞ!」
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アンカノはこと切れ、マグナスの目だけが残りました。
「これからどうしますか?」
「わからない…アンカノはいなくなった。だが、彼が”目”に何をしたにしろ、事態は悪くなる一方だ。どうしたらいいかさっぱりわからない!」
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トルフディル先生は困惑を隠そうともせず、もはやお手上げ状態です。アークメイジのサボス先生も、頼りになったマスターウィザードのミラベル先生もいません。残された私たちはこれから一体どうすればいいのでしょう。
サルモールも、サイノッドもマグナスの目の存在に気づいています。このままにしておけば、またこの力を狙う者により問題が起こることでしょう。
その時、黄色いローブの男がマグナスの目の前に突如として姿を現しました。
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近づくと、振り向いたその顔はクアラニルさんでした。
「うまくいくと分かっていた」
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「お前を信じる我々の信念は正しかったようだ。ウィンターホールド大学の導き手に留まらない自分の力を証明したな」
いや、まあ、都合よくあなたたちの手先として使われたに過ぎないような気もしますが…
「お前には不透明であろうたくさんの事が、我々にははっきりと見えている。お前が打ち勝つとずっと信じていた」
「はあ、それはどうも。で、これからどうするんですか?」
「あの目は不安定な状態に陥っている。ここには置いておけない。さもなくば、大学やこの世界に破滅をもたらすだろう。安全な場所に置かれるべきだ。この世界はアレを使いこなす準備ができていない。それはアンカノが証明している」
「それはそうですね。でもどこに?」
「我々がこれを守る…とりあえずはな」
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サイジック会が持って行く?だったら最初からそうすればよかったのでは…などと素朴な疑問が浮かびますが、まあ、そう簡単なことではなかったということでしょう。元々サイジック会の仲間からはこの件に介入することを強く反対されていたようですし。
「これは大学を存続させるチャンスなんだ。命懸けで実行してほしい」
しかし命懸けで実行してといわれても、私は一体何をすればよいのでしょう。
「アークメイジ、お前の助けが必要なんだ」
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「いや、アークメイジはもう…」
クアラニルさんは私の返事を無視してマグナスの目に対峙したかと思うと、どこからともなくクアラニルさんと同じローブを着た人物が二人現れ、三人でマグナスの目を囲み始めました。
「サイジックが…ここに?な、なんということが…」
トルフディル先生がうろたえるのも無理はありません。結局はこの人たちに振り回されてばかりなのです。
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三人のサイジック会の魔術師とマグナスの目は跡形もなく消え去りました。私の手は必要なかったようです。結局クアラニルさんが言っていた、”命懸けで実行してほしい”という話は一体なんだったのでしょうか。
「よくやってくれた!大学に安全が戻った。働きに感謝する」
トルフディル先生が明るい声で称賛してくれました。
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「君ならやれると思っていた。サイジックの言う通りだ。私が思うに、他にアークメイジにふさわしい者はいない」
「えっ」
「ここにあるものは好きに使っていい。アークメイジ居住区も自由に出入りできる。私はここにいるから何かあれば聞いてくれ」
「ええええ?!」
なんと、この私が新アークメイジに指名されてしまいました。私はあくまで狩人で、魔法はほとんど使わない主義なのですが…アークメイジは完全に実力主義なのでしょうか?同胞団と同じ展開になってしまい、困惑してしまいます。
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とりあえずもらったものは着てみましょう。見た目は悪くないのですが防御力もなく、付呪されているのがマジカ関連なので私には使いようがありません。
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アークメイジ居住区にも来てみました。これからはここを自由に使っていいと言われています。錬金術や付呪の道具、素材がそろっており、魔術師にとっては喉から手が出るほど欲しい環境でしょう。
「付き添ってもらうだけのつもりが、まさかアークメイジにまで昇り詰めるとはね」
アラネアさんはそんなことをいいながら、楽しそうにきょろきょろと周囲を見回しています。マスクで見えませんが、その目は輝いていることでしょう。
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せっかくなのでアラネアさんにもアークメイジのローブを着てみてもらいました。サボス先生もダークエルフだったからか、アラネアさんの方が似合っているような気がします。実際、魔力は私より格段に上ですしね。
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防御力が落ちてしまうのは気になりますが、魔術師にとっては便利な付呪がなされた装備なので、しばらくは身に着けてもらうことにしました。
さて、図らずもウィンターホールド大学のアークメイジに就任してしまったわけですが、こうなってしまっては責任を持って職務を為すしかないでしょう。クアラニルさんが言っていた『命懸けで実行する』とは、後継のアークメイジとしてこの件を最後まで収拾し、ウィンターホールド大学の存続を守り続けるということなのかもしれません。
先生たちや生徒たちにも挨拶に行かなくては。『マグナスの目事件』は一段落しましたが、なんだかまた忙しくなってしまいました。雑務を片づけたら、子供たちの待つリフテンの別荘に帰ることにしましょう。