スカイリムプレイ日記~狩人ちゃん~ #36
こちらの続きです
新しい従者を探しに。
ドルテと自宅の警護は、やはり一番信頼できる人にしかお願いできません。そのためジョディスさんにその役目を担っていただくことにしました。
また、ペットたちも家で過ごしてもらうことにしました。狭いダンジョンだと間違えて踏みつけそうになるので、ここにいてもらった方が何かと都合がいいのです。この子たちもきっとドルテを守ってくれるでしょう。
そうなると、問題は自分自身の従者です。セイントやセデューサー、召喚士ソロンにも大変苦戦しました。一人の旅路はまだまだ不安です。
「つてが無いことはないのですが。東帝都社のアデライサさん、元ヴァーミルナ信者のエランドゥルさん、あと、名前は忘れましたが、殴り合いで勝ったマルカルスの酔っ払い…」
指折り数える私に対し、リディアさんは首を横に振ります。
「我が従士、その者どもはいずれも信用なりません。やはりリディア殿が最も適任かと。彼女はまさにノルドの戦士。私としても安心です」
「それはそうなんですけど…。ダメもとで一度頼んでみますか」
ホワイトラン
リディアさんにまた旅のお供をお願いするため、ホワイトランにやってきました。
リディアさんはホワイトランの衛兵として仕事をしながら、私の別宅『ブリーズホーム』に住み込みで管理をしてくれています。この日は非番だったようで、家でお話できました。
「申し訳ありません、我が従士。ホワイトランの緊張状態は悪化するばかりでして、今私がここを離れることは現実的ではありません。先日も二人の仲間がドラゴンに食われ、三人が夜間の巡回中に姿を消しました。こちらは吸血鬼かウェアウルフの仕業かと言われていますが、原因不明です」
「そうですか…残念ですが、仕方ありませんね。他を当たってみます」
「僭越ながら、『同胞団』の者に依頼することを検討されてはいかがでしょうか?」
「同胞団?あぁ、ジョルバスクルの…」
以前初めてホワイトランにやってきた時、『同胞団』を名乗る屈強な男女に出会ったことを覚えています。三人で巨人を倒していました。たしか『狩猟の女神アエラ』と呼ばれる、赤毛で顔にタトゥーを入れた女性から「用があればジョルバスクルに来なさい」と言われたので行ってみましたが、扉を開けると仲間同士で殴り合っていて、周りは酔っ払いばかり。そっと扉を閉めて逃げ出してきて以来、一度も足を踏み入れていません。
「確かに、今はならず者の寄せ集めになり果てたと批判する者もいますが、ノルドの伝統あるギルドですから、腕は確かです。それに我が従士様と違わぬ、他の者の助けに馳せ参ずる戦士としての矜持は忘れていないはずです。きっと彼らと手を合わせることは、従士様の役に立つでしょう」
「そうですか。リディアさんがそう言うなら、依頼してみます」
荒くれものの集団だという偏見は置いておいて、もう一度ジョルバスクルに行ってみることにしました。
家を出ると、配達人から手紙を渡されました。行商人のリサードからの手紙です。お礼状と見せかけて、新商品のご案内ですね。セイントやセデューサーの装備品を仕入れ始めたそうです。
キャラバンを狩る側だったセイントやセデューサーが、今や逆に狩られる側となってしまったわけですね。皮肉な話です。私も肝に銘じなければ。
ジョルバスクル
同胞団の本拠地、ジョルバスクルにやってきました。歴史を感じる独特な設計の建物です。
エントランスのホールが広い食堂になっており、数人の戦士たちが食事をとっていました。その中にアエラさんを見つけ、話しかけてみました。
「あのー、アエラさんですよね」
アエラさんは私を一瞥すると、言いました。
「一緒に狩りがしたいなら、足が速くて、もっと目ざとくなくちゃ」
「え?いや、私はただ、従者の依頼を」
「駄々っ子は連れて行かないことにしてるの。同胞団になる資格があると思うなら、コドラクと話すのね」
団員になりたいわけではないのですが…もしかして団員として登録しないと、従者をレンタルできないシステムなのでしょうか。
続いてベテランの風格がある男性、スコールさんに話しかけてみます。
「ここで一緒に旅をしてくれる人を探しているんですが、同胞団に入らないといけませんか?」
「あぁ、さすがに長旅に連れ回されるとなるとな。金だけじゃ通らん契約だ」
「ですよね…そもそも同胞団ってなんですか?」
私の素朴な疑問に苦笑しながら「ここにいる全員に聞いてみな。すべて違う答えが返ってくるぞ」そう言ってゴブレットを傾けました。
「傭兵団。名誉のために戦う戦士。剣の下に集う兄弟姉妹。ただの酔っ払い集団。なんとでも呼んでくれ。もちろん金も十分にもらっている。酒もな!」
以前救出したソラルドさんの一族、グレイ・メーン家の人もいます。
ちょっと自虐が強い集団ですね。リディアさんの言葉を疑いたくはないのですが、本当に伝統あるノルドの戦士ギルドなのでしょうか?
さて、同胞団に加入するためには『コドラク』さんと面談しなければならないとのことで、使用人の女性に居場所を聞き、地下への階段を下りて奥の部屋へ向かいました。
そこでは白髪、白髭の男性と目の周りが黒ずんだ男性が、深刻な表情で意見を交わしていました。
「やぁ、客人か」
白髪の男性、コドラクさんが私を見上げました。
「同胞団に入るためには、あなたと会う必要があると言われまして」
「今すぐに?ふむ、ちょっと顔を見せてもらえるかな」
コドラクさんは私の顔をじっくり観察すると、なぜか一瞬目を見開き、そして言いました。
「うむ、悪くない。なかなか根性がありそうじゃないか」
さきほどまで意見を交わしていた相手のヴィルカスさんは私の加入に賛同しかねる様子でしたが、コドラクさんはそれを説き伏せ、彼に私の腕前を見るように言い渡しました。
『戦いを始める』
ヴィルカスさんは短く返事をするなり、さっさと歩いて行ってしまいました。その後をついていくと、階段を上がり、ジョルバスクルの中庭に出ました。そこは主に剣術や弓術を訓練するための場所になっていて、鎧を着た他のメンバーたちが物珍し気に注目する中、広場の中心に立ちます。
ヴィルカスさんは片手剣と帯鉄の盾を構えて言いました。
「俺に向かって攻撃してみろ。心配するな、ちゃんと受け止める」
手に入れたばかりのジャガラグの剣を振り、盾に向かって思い切り振り下ろしました。一太刀受けたところでヴィルカスさんの表情が変わり、すぐに「悪くない」と言って止めました。
「うまくやれそうだな。だが当分は使い走りだぞ。やれと言われたことをやるんだ」
いやあ、私、ここに就職したいわけではないのですが…
「これが俺の剣だ。エオルンドの所へ届けて研いでもらってこい。取り扱いには気をつけろよ。おそらくお前の命よりも価値があるからな」
普段から使い走りで生計を立てているので慣れたものですが、腑に落ちないのはなぜなのでしょう。
気を取り直して、エオルンドさんが居るという鍛冶場、スカイフォージにやってきました。エオルンド・グレイ・メーンさんといえば、ホワイトランで一番の鍛冶職人であり、ソラルドさんのお父さんです。
仕事中だったエオルンドさんは、私を見ると怪訝な顔をして「どうしてここにいる?」と尋ねました。
「ヴィルカスさんにこれを届けるように言われてきました」
「ということは、新入りだな?」
「あの人はいつも新人にこんなことをさせてるんですか?」
「ふっ。あいつもかつては立派な使い走りだったんだがな」
偉そうなヴィルカスさんにもそんな時代があったんですね。
「このあたりでは自立した生き方が学べる。忘れるな。『同胞団』では誰の指図も受けることはない」
まったく、スコールさんの言う通り、みんなの考えがバラバラで一貫性がありません。
「あなたも同胞団なんですか?」
「いや。自分は同胞団ではないが、彼らは炉の正しい使い方を知らないんだ。手を貸せて光栄に思っているよ」
同胞団ではないけれど、支援者のような位置づけのようですね。少なくとも密接な関係のようです。
「用も済んだので失礼しますね」
立ち去ろうとすると、「頼みたいことがある」と呼び止められました。
「アエラの盾が完成したんだが…自分は悲しむ妻の元に帰らなくてはならない。これをアエラの元に届けてくれると嬉しい」
「ついさっき、誰の指図を受けるなと言われた気がするんですが」
「これは命令じゃない。礼儀だ。年寄りの鍛冶屋を助けろ」
同胞団の人たちってクセ強すぎじゃありません?
盾を渡しに、アエラさんのもとへやってきました。スコールさんとの会話の途中でしたが、私の手にある盾を見ると眉を上げてこちらへ向き直りました。
「あぁよかった。これを待ってたのよ。あら…見た事ある顔だわ。さてはあのじいさん、関心を持ったと思っているのね」
「言ったろ。こいつがヴィルカスの言っていた小娘だよ」
「えぇ、派手にぶちのめしたって聞いたわよ」
「そんなこと、ヴィルカスの前で口にするなよ」
スコールさんから窘められたアエラさんは、私に向かってニヤリと笑いかけてきました。
「本気でやったらヴィルカスを倒せると思う?」
「想定の話をしろと言われましても」
「あぁ、行動で示すタイプなのよね。そういうところが好きだったのよ」
理由はわかりませんが、気に入ってもらえたようです。二人に呼び出されたファルカスさんという名の若い男性に、寝場所を教えてもらうことになりました。
大剣を背負ったファルカスさんの後ろについていきます。
「スコールとアエラにはよくからかわれるが、いい連中だよ。彼らは常に最善を尽くすよう求めてくる。」
いかつい見た目に反して、穏やかに話す人です。
「新顔は歓迎だよ。たまに退屈するからな。ずっといてくれることを願うよ。辛い人生になるかもしれないからな」
微妙に不穏なことも言うのは何なのでしょう。
ベッドがいくつも並ぶ大部屋にて、簡単に説明してくれたあと、
「よし、あんたはここの一員だ」
そういってにっこり笑いました。
「頑張れよ、同胞団はあんたを歓迎する」
どうやら無事に同胞団の一員になれたようです。
で、私はどうしたら従者を雇えるようになるのでしょうか?目的が達成されるまで、まだ道は長そうです。こんなことになるのなら、宿で傭兵を雇うのでした…