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桃の新種!? ワッサーを食べてみた話
いちばん好きな果物はなんですか? と聞かれたら、私はたぶん桃と答える。すもも、あんず、さくらんぼなど、桃の仲間もひっくるめて大好き!
そんな私が旅先・長野で出会ったのが、桃とネクタリン(これまた桃の仲間)から生まれたという
ワッサー。
桃とその仲間たちといえば、たいてい可愛らしくていじらしい、まさに桃色が似合うような名前をしている。
が、ワッサーである。なんだか頼りがいがあるような、ひょうきんなような印象をうけるこの果物を、初めて食べた話をしよう。
ワッサーとの出会い
ワッサーと初めて会ったのは、「長野といえば」のスーパーだというツルヤの商品棚。長野のお土産にと、地元の方に薦めていただいたドライフルーツを求めていた時のことだった。
さすがは果物王国・長野。地方スーパーのプライベートブランドとは思えないほど、ドライフルーツの種類も豊富である。
レモン、オレンジ、りんご、いちご。どれもおいしそうだが、やはり桃の類に目がとまる。その中で、みつけたのだ。
……ワッサー!?
初めて目にする文字列に、「〜桃とネクタリンから生まれた〜」のサブタイトル。白桃という重鎮も並ぶ中、一際存在感を放っている。
パッケージには、黄金色に輝く桃のような実の写真。しかし、味の想像がつかない。けれど、桃とネクタリンの子だもの。きっとおいしいはず。
これはもう、食べるしかない。
こうして私とワッサーは帰り道を共にした。
実食!
新幹線の車内ですぐにでも食べたい衝動をこらえ、無事帰宅。
手を洗い、袋を開け、きゅっと締まったワッサーの実を口にする。
お い し い !
なんだこれは。サクッとした歯応えがするかと思えば、肉厚でみずみずしい果肉。桃とネクタリンをかけ合わせたような甘酸っぱさが、じんわりとろけるように口にひろがる。たまらない。
ヨーグルトにも合うだろうな。などと考えながら食べていたら、あっという間になくなってしまった。
もっと買っておくんだったな……。
けれど、また長野に行く楽しみが増えて嬉しい。
おわりに
次は生のワッサーも食べてみたいと思ったが、どうやら旬は夏らしい。今は秋。少し遠いが、来年の夏が楽しみだ。
ところで、気になるのはワッサーという名前の由来である。両親にあたる桃、ネクタリンと一文字もかぶっていないが、なぜワッサーなのか。
調べたところ、ワッサーをはじめて生産した農家さんの、幼少期のニックネームに由来するらしい。
人間味のあるエピソードももつワッサーに、ますます興味がわくのだった。