#18 石に棲む妖精
Eveのハーブティーは
薄いピンクでほんのり甘かった。
今回のはピンクね。
おいしい?
はい!ありがとうございます。
あ、そういえば!
これも持ってってくれないかしら?
そう言って
Eveが背後の棚から箱を出した。
その箱を空けると、
入っていたのは宝石のようだった。
この石にはそれぞれ妖精が棲んでるのよね。
ほら、この子たち…
言われた通り、
輪郭が少しぼんやりするような妖精たちが
それぞれの石に1人入っていた。
へぇ、それぞれ少し色が違う子たちが
入っているんですね。
あら、あなたにはちゃんと見えてるのね!
えっ、えぇ。
見えない人もいるんですか?
たまにね。
あなたの世界なら
見えない人の方が多いかもしれないわ。
とEveは面白そうに笑いながらこう続けた。
この子たちは、
この種類の石にしか棲めないのよね。
この前、鉱石店に行ったら
この石たち、すごく騒がしく感じたの。
ショーケースを覗くと妖精たちが店から出たい、
外の世界を見たいって話してたのよ。
この石にしか…
なんだか綺麗な川にしか棲めないメダカみたい。
で、たくさん買っちゃったんですか?
そう。
1人だけ連れて帰る
ってわけには行かないでしょ?
全部買っちゃったわ。
でね、最近、この中の何人かが
もっと色んな世界を見たいって。
普段は庭を見せたり
子供たちと話したり
持って帰ってもらったりしてるんだけど、
まだ満足できない子がいるみたいね。
何人かの石をあげるから、
あなたの世界を見せてあげられないかしら?
もちろん、よろこんで!
色んな世界を見せてあげられるようにします!
そうしてEveから
この妖精たちの入った石を受け取った。
これが石に棲む妖精を仕入れた時のおはなし。
続きはまた次回に。
最後までお読みいただき
ありがとうございます。
サポート、フォロー、スキしてくださった方
応援のお気持ち大変嬉しいです。
ありがとうございます。
あちらの世界で仕入れたものは
minneにてアクセサリーにして
販売しています。
他、ギャラリーの裏側なども
SNSにて発信していますので
ご興味あればこちらもご覧くださいね。
twitter:@3count_m
Instagram:@3count_m