#45 月の降る夜の灯り
「星に興味があるなら
店内のものを色々と見てごらん。
星を読むことに興味が出てきたら
ぜひ勉強することを薦めるよ。」
「ありがとうございます。
でも占星術って難しそう…」
「それはどこまで詳しく読み解きたいかに
依るだろうね。
私は1人でも多くの人に占星術に
興味を持ってほしくて
このお店をやっているのさ。」
「なぜ占星術に興味を持ってほしいのですか?」
「星の読み間違いを防ぐには
色んな経験や立場からの意見が必要だ。
これまでもそうやって
たくさんの人が星を読むことで
精確に読み解けるように修正されてきたんだ。」
「なるほど…」
ふと手元の棚に目をやると
小さな月が並んでいた。
「これって、月ですか?」
「そうだよ。去年降ってきた月さ。」
「去年?降ってきた!?」
「あぁ、君の世界では知られてないのか…
とある丘には、十数年に一度、
とても綺麗な満月の夜に月が降ってくる。
正確には、月そのものではなくて
月の形をした星ってとこだけど。」
「隕石ってこと?」
「まぁ、隕石の類だろうか。
いろんな星が降る丘なんだよ。」
「面白いですね。
でも、降ってくるって
危なくないですか?」
「雨のように降り注ぐわけではなくて
ふわりと舞い降りてくる感じさ。
だけど、コツンとは当たるだろうね。
私は、翌日に回収に行ったよ。」
少し影になっている場所にある
この月を見てみると
様々な色に移ろいながら光っていた。
「え、これって、光るの!?」
「もちろんさ。
月は、どんなに暗い夜も
明るく照らしてくれるだろう?」
「色が次々変わってますけど
それにも意味が…?」
「ん?君の世界では月の色は1種類?」
「う~ん。
ブルームーンとかピンクムーンとかは言いますけど
実際に月に色のことではなかったような…
月食とかの影響で色味が少し変わるくらい?」
「そうか。ここでは
そういう色の月も実際にあるのさ。
このライトはその月の様々な色の時に
月そのものに起こる変化も観察できるんだ。」
「へぇ、すごい…
この周りのお花はその丘の?」
「そう、その丘のお花や
同じくその丘に降ってきた星達だよ。
正面の大きな花とその横の小さな黄色の花は
月が降る夜には必ず咲いている。
次に月が降ってくるのは11年後の秋だ。
その2種の花はそれまで咲かない。」
「不思議なお花なんですね。
でも、そんな月の降る夜を
11年も見られないなんて残念…」
「小さな星ならしょっちゅう降るよ。
タイミングが合えば一緒においで。」
「ありがとうございます!
ぜひ見てみたい!」
これが月の降る夜の灯りを
仕入れた時のおはなし。
続きはまた次回に。
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