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「モノクロームキッス」(推敲中)

足元に舞い散る花びらが心の隙間を吹き抜けた
少年は差し出したその手指で路上の塵芥を拭った

道端に咲く花が揺れる ダンスダンスダンス
誰か色を付けて、誰か

アタリマエが不自然に溶け落ちた世界
変わらぬ秩序が昨日までの白を黒にグレーに変える

町を一回りして帰ってきた猫が軒先に寝転がる日日是好日
空に泳ぐ虹は黒から白へ七色のグラデーションを描く

あの日に帰ろうと開け放った扉の向こうには
モノクロームの日常が群れを成して待っている

涙は真実でできていると知った夜(=君が教えてくれた)
老人は自分がついてきた嘘をすべて許そうと思った

アナタは何でできていますか?
私はコンビニの総菜コーナーに並ぶカレーパスタ
チープな食材でできています

涙も枯れ果てた今、老人は黒ずんだ自らの魂を抱きしめる
そして祈るのだ、
少年の涙の一粒一粒にすべての黒が封じ込められることを

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