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「モノクロームキッス」(推敲中)

薄桃の花びらがはらはらと舞い降り
風は空っぽの心の細道を吹き抜ける
少年はちっちゃな手指を差し出して
白灰色に沈積した路上の塵芥を拭った

道端に咲く花が揺れてダンスダンスダンス
限りなく白に近い薄桃に誰かが色を付ける

少年が開け放った扉の向こうには
モノクロームの日常が群れをなして待つ
視線の遥か先にある空に泳ぐ虹が
黒から白へ七色のグラデーションを描く

もはや涙も涸れ果てた老人は
黒ずんだ自らの躯を抱きしめるほかない
そしてただひたすら祈るのだ
少年が流す涙の一粒一粒にあらゆる黒が封じ込められるよう

涙は真実でできていると信じたあの日から
誰かがついてきた優しい嘘をすべて許そう
そしてすべての罪と罰に色をつけよう、春色を
口づけのようなやわらかなタッチで

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