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「ここにいること」(即興詩)

わたしは今生きている

それは、
前を向くこと
立ち上がること
朝焼けを眺めること
全身に日の光を浴びること
帰り道で雨に打たれること
濡れた髪をタオルで拭うこと
生暖かいコンビニ弁当と一人きりの晩酌
狭い湯船につかって鼻歌を歌い
ペタンコの布団に寝ころんで天井を眺めれば
普段より緊張感を増した私の心に眠気が襲う

今日一日ここにいることが許された
そう安堵して枕を抱きしめる
そんな狂おしい日々がまだまだ続く
振り返ると少しつらくなるから前を向く

ここにいること
ここにいること

かつて世界がこんなに狭いなどと思わなかった
逃げ場のない時間と空間の中で
唯一わたしの手のひらの中にある
それがここだった

ここにいること
ここにいること

いま世界はここでしかないのだから
世界中の人々とここを共有しよう
もしそこに行けずとも世界がなくなることなどない
たとえ今は会えなくてもあなたがそこの住人だから
そして私はここの住人だ

わたしたちは時折響く雷鳴に身をすくめながら
何事もなかったかのようにやりすごすのだろう
命ある限り、命ある限り

わたしは今生きている

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