
フランクリン効果を活用!ケアマネが信頼関係を築く方法
ケアマネの仕事は、利用者・家族・多職種との信頼関係がカギを握ります。でも、「なかなか協力が得られない」「家族の理解が進まない」と感じることもありますよね。そんなときに使えるのが、「フランクリン効果」という心理学の法則です。
フランクリン効果とは?
「人は、自分が好意を持っている人よりも、自分が親切にした人を好きになる」という心理現象のことです。
アメリカの政治家 ベンジャミン・フランクリン が、自分の政敵から好意を得るために「本を貸してほしい」と頼んだところ、敵対していた相手がフランクリンに好意を持つようになり、関係が改善されたことが由来です。
つまり、相手の好意を得たいなら、自分が親切にするよりも「小さなお願いをする」方が効果的ということです。
ケアマネの現場でも、この法則を活用することで、家族や利用者との信頼関係を深め、協力を引き出すことができます。
ケアマネの現場での活用方法
① 利用者との信頼関係を築く
利用者さんに小さなお願いをすることで、関係を深めやすくなります。
✅ 具体例
• 「最近、好きなテレビ番組って何ですか?よかったら教えてもらえますか?」
→ 自分のことを聞かれると、話しやすくなり、心を開きやすくなる。
• 「ちょっと昔のことを聞きたいのですが、〇〇さんの若いころのお話、聞かせてもらえますか?」
→ 昔話をすることで、楽しい気持ちになり、ケアマネへの親しみが増す。
• 「この前の訪問でお話しした内容、少しメモにしていただけると助かります!」
→ 簡単な頼みごとに応じることで、「頼られている」と感じてもらえる。
② 家族の協力を引き出す
家族の理解や協力を得たいとき、「ちょっとした手伝い」を頼むことで関係が深まります。
✅ 具体例
• 「お母様が好きな食べ物、少しメモにしていただけますか?」
→ 負担が少なく、「介護に関わっている」という意識を持ってもらいやすい。
• 「最近のお母様のご様子を少し教えていただけますか?」
→ 短い報告でも、ケアの一員として関与している実感が生まれる。
• 「次回の担当者会議で、家族の意見を伝えてもらえますか?」
→ 家族が主体的に関わるきっかけを作れる。
「介護を押し付けられている」と感じると、家族は負担を感じやすくなる。でも、小さな役割を依頼することで、「自分もケアの一部を担っている」という感覚が生まれ、協力しやすくなるのです。
③ 多職種との連携をスムーズにする
他職種(訪問介護、訪問看護、リハビリ職など)との連携にもフランクリン効果は使えます。
✅ 具体例
• 「〇〇さんの介護で、特に気をつけているポイントを教えてもらえますか?」
→ 自分の仕事を評価されることで、積極的に情報を共有してくれる。
• 「お忙しいところ恐縮ですが、〇〇さんの最近の様子を少し教えていただけますか?」
→ 頼られると、相手も「協力しよう」という気持ちになりやすい。
• 「ちょっとしたアドバイスをいただけると助かるのですが…」
→ 専門職としてのプライドをくすぐることで、円滑な連携が取れる。
ケアマネは、いろいろな職種との調整役です。「報告してください」と一方的に依頼するよりも、「少し教えてもらえますか?」と相談する形にすると、相手も快く応じてくれることが多いです。
なぜフランクリン効果が有効なのか?
• 「頼られると、相手に対して好意を持つ」心理が働く
• 「協力した」という実績ができると、関与し続けたくなる(一貫性の原理)
• 「ケアマネ=頼れる存在」と認識されやすくなる
実践のコツ
✅ 小さな頼みごとから始める(簡単で負担にならないもの)
✅ 「助かります!」「ありがとうございます!」と感謝を伝える
✅ 相手がやりやすい形にする(時間を取らせない、選択肢を与える)
まとめ
ケアマネの仕事では、「利用者・家族・多職種との信頼関係」が重要。フランクリン効果を活用することで、「協力しやすい環境」を作ることができる。
「相手に親切にする」だけでなく、「小さなお願いをする」ことで、関係をより深め、スムーズな支援につなげていきましょう!