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力みが気になる全ての人に送る、脱力系クライマーになるための練習方法

はじめに


クライミングの時に力が入りすぎてしまう。軽やかに登りたいのに理想的な動きとは違ってぎこちない動きをしてしまう。こういった悩みを抱えているクライマーは意外と多いと聞きます。今回は、力が入ってしまう理由の分析と脱力から得られる効果、脱力の練習方法までを紹介していきます。

私が最初にクライミングを始めた時、周りのクライマーと同じようなムーブができないことがよくありました。特に懸垂のようなパワームーブが出てくると途端に登れなくなります。練習を重ね、自分自身でも色々調べつつ、専門家の意見なども聞くと、どうも私の体は筋肉がつきにくく、また柔軟性も低いことが分かりました。力もない、体も硬い、という条件の私の体にできることは、脱力です。緩みを体に作ることで、自分の力以外の物理的に産み出された力を使うことができると考えました。

といっても力を抜いているだけでは登れません。ムーブの種類によっては全く力を抜いてはいけないパートもあります。そういったパートの解決策として脱力が役に立たないのも事実です。ただ、20年の経験の中で話すと、クライミングにおいて80%以上の割合で脱力による効果でムーブを解決できるイメージを私自身は持っています。

というより、私の体に筋トレによる高負荷をかけ続けることは、クライミング上達の効果よりも肉体の負担と、それに伴う生活への支障が大きいのです。柔軟性は努力によって改善できるとは思いますが、やはり限界があります。年齢を重ねれば、体はどんどん硬くなるでしょう。

長くクライミングを楽しむ観点で先々のことまで考えると、脱力の動きは身につけておきたい技術のひとつです。

力が入ってしまう理由と効果

力が入ってしまう理由は3つです。
1、力を抜く練習をした経験がない。
2、力を抜いた状態での成功体験が少ない。
3、落下に対する恐怖感。

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