内山峡石尊山北陵
長野県佐久市内山峡
長野県佐久市の内山峡は奇岩が屹立していることで知られています。しかし、それらの岩は脆く、クライミングの対象になるものは殆どありません。
過去にクラックやボルダーなど、脆い中にも「まだまし」な岩を何本か登ったこともあります。先輩や他のクライマーもひっそりと登っていたらしいのですが、登って楽しいというわけではなかったようです。
今回はそんな内山峡にあって比較的名前の知れた石尊山に、藪岩的なバリエーションルートをソロクライミングで初登したのでここに詳細を載せます。ルート自体は短くてしょぼいので「北陵」という響きは若干恥ずかしいですが、佐久平ロッククライミングセンターの裏山的な場所に藪岩的なバリエーションルートがあるなんて素敵じゃないかと思って、登ってみました。
アプローチ
石尊山へは中村公園登山口から登る。中村公園というのは石尊山全体を指しているようで、いわゆる公園ではなく、どちらかというと、国立公園のような自然の環境全体を公園と呼ぶノリに近い。ジグザグに10分ほど登ると、朽ちたベンチがある休憩場所のようなところにたどり着く。その先に岩登り危険の看板が見えるがそちらには行かず、右にトラバースしてルートに取りつく。
クライミング開始
【出だしの岩】
出だしの岩の下に動物の寝ぐらのような穴がある。ここからスタート。グレードはⅢ、カムがよく効くがブロック状に積み重なった岩なので注意が必要。この岩を登ると傾斜の強い藪歩きが始まる。1つ目の岩塔を右に巻き、2つ目の岩塔を更に右に巻くと、小さなチョックストーンの詰まった汚いチムニーが出てくるので、これを直上。このチョックストーンはグラグラと安定しないので、いつか崩落すると思う。
【1つ目の岩塔】
【チョックストーンのあるチムニー】
チムニーを抜けると、トンネル状のチムニーが現れるのでこれをくぐって、太い松の木がある広いテラスにでる。
【トンネルチムニー】
目の前に10mほどの苔に覆われたスラブが現れるのでこれを登る。5、8ほどのグレード。クラックもないのでカムも効かず、緊張するクライミングになると思う。
【スラブを見下ろす】
スラブを上がれば石尊山の山頂だ。下山は一般登山道を下るが、それなりに危険なので、最後まで油断しないで下りたい。
【山頂】
再登される方にお願い
再登される方はボルトの打ち足しをしないでください。こういったルートはプロテクションの少なさがクライミングの面白さの大きな要因に繋がっています。
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