【感想・学んだこと】ディスレクシア(読み書き障害)がある人の特徴とサポート~読み、学びを保証する方法を考える~
新宿区立戸山図書館が主催するに北陸大学・河野先生によるディスレクシアに関する講演会に出席したので、その感想だったり、学んだことを書いていこうと思う。
感想
当事者が読み書きしているときの視線を計測したときの動画など、本だけでは得られない情報に触れることができ、新鮮だった。
また、講演会のタイトルになぜ「学びを保証する」が入っているかも理解でき、教育環境について考えさせられた。
学んだこと
当事者と定型発達者とでは読むときの視線の動きが異なる
河野先生によると、人は文字を読むとき、視線を常に動かしているのではなく、「止まる」と「ピュッと飛ぶ」を繰り返しているようだ。定型発達者の視線の動きを見ると、止まっている時間と飛ぶ距離が一定である。一方で、ディスレクシアの人の視線の動きを見ると、一文字ずつ止まってしまう。
書き間違えは書きが自動化されていないために生じる
ディスレクシアの人は頭の中の音を文字に変換するのに必死なので、「ここには濁点がある」というような細かいことは忘れてしまうことがある。「カウンセラー」を英語で書いてみると、定型発達者もこの困難さを経験することができる。「最初のスペルはcで、次はoだったかな?…」と自動化されていないと、定型発達者でも書きに苦労する。
黙読で口が動くのはディスレクシアの特徴
小学校3年生ぐらいの児童をテストすると、ディスレクシアの児童は黙読しているときに口が動くようだ。河野先生はこれを観察ポイントの一つとしている。
困難さは環境によって異なる
左手の小指を切断したときを例に挙げていた。職業が教師の場合、パソコンのタイピングでAを押せない程度で日常生活にはほとんで影響がないが、職業がピアニストの場合、致命的である。
学習を遅れさせないことが大切
実は学業不振は若者が自殺する最も大きな要因である。そのため、スラスラと文字が読めるようになることを目指すのではなく、学校の学習に追いつけるようにすることが、まず周りがやるべきことである。