風船未満×殺未遂。
いつも首回りに風船が括り付けられているようだ。
重いわけでも気になる程邪魔なわけでも無いが、とにかく「あぁ、あるな」という位の感覚だ。
それは、ビックリするほど簡単な罪悪感で締め付けられる。
昨日の日付のまま承認の判子をうっかり押した時。
すれ違いざま見知らぬ誰かに舌打ちをされた時。
いつものメニューとは違う選択をしてハズレだった時。
誰が悪いんではなく、自分のうっかりな時、風船を揺らぐ風は強くなり首をぎゅうぎゅうしめてくる。
いつからあったかな。
小学生?自覚したのは大人になってからだが、思い返せばあれは首が締まっていたと思う事は多々あった筈だ。
この、時折やってくる息苦しさは、何が原因か。
探し回って、やっぱりそれは自分に向かってぐるりと戻ってくる。
そしてまた首がしまるのだ。
どうしようもないから、外すこともできずまた、平凡に苦しい日々を織り混ぜていくのだ。
おしまい。