『彼と彼女の約束』エピローグ
エピローグ カランカラン、と音が鳴った。扉に備え付けられたベルの音。扉が開いた音だ。わたしは、他の人間がするのと同じように、扉の方を向いた。
扉のところには、髪の長い女性が居た。栗色の髪をした、まだどこか幼さの残る顔立ちをした女性が。彼女はきょろきょろと店内を見回していたが、やがて、こちらを見つけたらしい。弾けるような笑顔を浮かべて、こちらへと歩み寄ってくる。
「お待たせしました」
彼女の言葉に、微笑んで応える。彼女はそのまま、わたしの向かいの席に座った。
「いいお店です