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人生の先輩方と働くという事

地方で働くようになって早二年。
東京や地元の栃木県で働いていた時よりも、職場の年齢層がとても高いことに、初めはとても驚いた。

北海道の厳しい自然で生きている私の周りの道民の方々は、その年齢も感じさせないくらいに、現役でいる方が多いと思う。

しかし身体は正直であり、もちろん個人差はあるが、年齢が60歳以降となってくると、だんだん聴力の低下が目立つ方が多いように感じる。

私自身も40代になり、近くの物が急に見えずらくなった老眼の症状を、突然に実感したのが最近ではあるが、年齢を重ねて来ると、肉体の様々な所で若い時にはなかった問題が生じてくる。

最近聞いた、シニア世代の先輩方の悩み、「マスク越しにボソボソ話す人の声が聞き取りにくい。」「時々、話が聞こえなくて、疎外感を感じる。」等、きっともっと思う気持ちはあると思うが、声に出してくれた事はこんなことであった。

コロナ禍以降、病院は常にマスク着用であり、冬になり感染症が流行る季節はとても忙しい時期になってきた。

忙しいと、人は早口になってしまう。
一緒に働いている、聴力が低下してきたと感じる先輩方は、仕事の流れがこれまでとは違うと感じて、寂しいような、自分が今までとは同じように働けないような気持になり、自信を失ってしまっていた。

通常の会話時にも、これまで感じていたことだが、耳元で大きめに話をすることや、一呼吸おいて一緒に薬剤のダブルチェックをする事など、まだ聴力の低下が起きていない世代の私たちが気を付けようと、40代のスタッフで共有した。

我慢しないで、思いを伝えてくれて良かった、と聴力が低下して落ち込んでいた先輩に思い切りハグをした。
先輩、ちょっと照れていたが、嬉しそうだった。

人生の先輩は、これからの自分の姿でもあり、田舎の病院は特に貴重な医療従事者の一人でもある。

人は必ず年を取るもの。
年を取った人、ちょっとずつ機能が低下してくる時に、落ち込んだり悩んだりすることがきっと多いと思う。

周りの後輩である私たちが、状況を見て、お互いに安全に働きやすいように工夫することが大切になってくるだろう。

だって、誰しも年を取るのだから。

ちなみに、職場の平均年齢65歳くらい。
北海道の田舎町では、普通か若いくらいだと思う。
まだまだ皆様元気。でも、健康に気を付けたいお年頃になりつつあるので、数少ない40代50代の職員で、地域の方の健康が保てるように協力していきたいと思う。

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