体育から生まれるアンチスポーツの要素
SCJにて、スポーツの価値向上を掲げる上で「アンチスポーツ」の考えから目を背けるわけにもいかず。
なぜスポーツを嫌いになる人が一定以上いるのかを考え、仮説を立て、それに対する策を打つことで、少しでも価値向上に寄与できるのではないかと思っています。
今回は、体育の授業視点から書いてみようと思います。
得意不得意から生まれるヒエラルキー(階級)
当時から得意不得意は存在し、そして幼少期では成長の過程において相手への配慮や思いやりがまだ身についていないことも多い。
テストの点数と同じくらいにヒエラルキーがはっきりと出てしまうのが、体育ではないでしょうか。つまり得意不得意が一目瞭然です。
特に体育でチームスポーツをやった場合、得意な学生は不得意な同級生に対してどんな態度をとるでしょうか。イメージも着くと思います。
そして幼少期の頃の体験は、後も色濃くその人の価値観に根付いていきます。失敗から学ぼうという考え方は僕も大好きですが、学ぶという概念もない中での出来事は単なる黒歴史に終わることもあるでしょう。
つまり、体育(=スポーツ)では、自分は評価されない。そしてスポーツをやる理由や価値を自分に押し付けて欲しくない。体育で評価されているあなたに、僕の私の気持ちは分かりっこない。この様な考え方がアンチスポーツの一部をになっているのではないでしょうか。
「運動能力=体育の成績」の図式
今でこそ、ここまで極端ではないはずですが、スポーツ嫌いの人に話を聞く上で出る話題の一つがこれです。
例えばどう頑張っても、体が弱く運動機能が上がらない学生に良い評価はつかないでしょ、と。
「足が速けりゃ成績上がるだろ。だから嫌いなんだよ!」と感情的になっている人に会いましたが、そこに関しては体育に限らず他の科目も同じなので何も言いませんでした。笑
数学の問題だって沢山解ければ成績は上がるので、、、
人間の能力を全て一律の物差し(試験)で計り、良し悪しを決めることに関しては、僕も少し違和感があるので否定はしません。ただそれは体育だけが悪である理由にはなっていないので、別の機会にするとしましょう。
ここで気になるのは「運動によるパフォーマンス以外での評価基準」という部分。運動さえできればそれでいいのか、という考えが原因でスポーツに嫌悪感を覚えている人が一定いました。
何度も言いますが他の科目も同じだと思っています。しかし体育だけは非常に強く記憶に残っている様です。
嫉妬や妬み
はっきり言いますが、スポーツやっている人間はほぼ確実にモテます。それも幼少期であれば必ずチヤホヤされます。体育では、それがおおっぴろけになり、得意な子はさらに目立つ様になります。
だから嫉妬や妬みを買います。笑
生物学上、「運動能力=狩猟能力」としてインプットされるのは普通だし、強いオスが子孫を残すのも一般的な話です。だから運動できる人間が異性の注目を浴びるのは当たり前なんです。
個人的な嫉妬が、その分野ごと嫌いになる一つのパターンではないでしょうか。
余談ですがここ最近の、学校生活が舞台になっている最近の漫画やアニメにおいて、スポーツ系の漫画でない限り主人公は高い確率でスポーツが苦手という属性を搭載しています。そしてスポーツができる同級生を嫌っています。笑
作者の偏見なのか(その偏見から作品が生まれるので、努力と才能の賜物だと思います)、現在の読者のニーズなのか。俗にいう「隠キャ」と自らを称し進んでいく物語の根源には、嫉妬や妬みがあるのではないかと思います。
体育の先生が嫌い
上記の理由とも絡んできますが、とにかく体育の先生が大嫌いで、そのままスポーツ丸ごと嫌いになったという声もありました。
声が大きくて怖い・威圧する・運動できない=悪・熱苦しい・根性、など。
多少の思い出補正(ネガティブ寄せ)も入っているでしょうし、そんなことはないと言いたい部分もありますが、ちょっと否定ができない自分もいます。
実のこの部分、体育の先生の課題にとどまらず、スポーツコーチの課題と非常に近しいと認識しています。
体育に取り組む学生を、どんな視点で見守るのか。どんな成長を望むのか。体育を通じて何を学んでもらいたいのか。
素晴らしい体育の先生も沢山いて、その方の話や記事を見ると、この視点で体育を俯瞰的に捉え実践されています。
で、僕はどうするのか
SCJとしてのミッション視点で入るなら、ここでいう体育の先生のサポートが浮かんできます。
触れた様に、スポーツコーチが抱える課題と似ている部分が多く存在し、そのエッセンスを教育の分野にも転用することはとても有効だと考えています。
民間の団体である私たちが、公的な教育機関である学校にどう介入できるのか。この部分に関してはハードルを感じますが、継続してアプローチを続ける必要があると再認識しています。
個人としては、やはり教育の現場に身を置いて現状をしっかりと把握することを大事にしたいです。
私が介入できる切り口は今のところ「就職支援」なので、大学や専門学校なので、体育とは少し距離があります。
ですが、教育を良い方向に向かわせるための「具体的なアクション」としては有効だと信じています。
スポーツコーチングを生業にしている自分自身が、キャリアの視点や知識、経験を持って教育現場に入り実態を見る。
あとは、引き続きアニメ見ます。笑
では。
亘
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