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食べ塾24:50代飲食経営者が考えておくと随分得することお伝えします!

随分長い間飲食店の経営者の方と向き合って仕事をさせていただきました。
およそ年齢は25歳~80歳まで幅広くありますが、
飲食店経営を体力&知力を使って行う「転機の年齢は50歳代」と思います。

50歳代前半(50歳~54歳の5年間)→30代~40代の総括の時期

50歳代後半(55歳~59歳の5年間)  →60代~70代へ橋渡しする調整の時期

こういう風に考えています。

私の人生を振り返っても、
20歳代は力がみなぎり、経験不足で思慮も足らず、イケイケの強気ばかり。
30歳代は、体力と知力の両方が備わったアクティブな10年間。
40歳代は、体力が衰えて少し凹む分を経験と知恵で埋め合わせる10年間。

50歳代で最盛期の1/10まで激減したために、一からスキルの再構築を
新人に立ち返った気持ちで3年間くらい仕事の見直しと再学習をしました。
このおかげで、59歳~62歳ごろもそこそこの需要がいただけました。
個人事業主の経営コンサル業にとって、とてもありがたいことでした。

60歳代は、50歳代で築いた実績で、上昇はしなくてもより遠くへ水平飛行
できる年齢かと思います。

70歳代まで現役で仕事ができれば、自分をほめてあげるといいと思います。
何よりも、実務をこなす気力体力と、我が身の健康があってこその
経営者人生になります。

一応の経営者人生は、75歳めどというのが合理的かと思います。
なぜかというと、この世にバイバイするまでの5年や10年は、
好きなことやって生きてきたご褒美感を味わいたいからです。
別にお金がどうこうでなく、全てから解放された人生がいいですね。

■新規出店は何歳まで行うか?

  これは、一応のめどは持っておいた方が良いと思います。
私の経験では、多くの飲食店経営者の方が新規出店に抵抗がない年齢は
「55歳以内」という風に統計的な実感を持っています。

・新規借入の大半を自分の代で払いたいから
・体力、気力、経営力に自信が持てるから
ということがあるからだと思います。

なかには、60歳以上でも新規出店意欲の強い経営者の方もおられます。

別の会社では、
創業者がワンマン権力を振り回して経営危機の兆候を出してしまい、
役員会で代表取締役の席を引きづり降ろされた例もありました。

可能な限り、自分の能力と相談しながら ということになります。

■借入潜在能力は何歳までか?

   一般的には、経営のできる能力があり、現状で通常の経営が
できていれば、「70歳めどまでは大丈夫」
ということになるかと思います。

じゃあ、70歳超えたら借り入れは無理かというとそうではありません。
「後継者候補の存在と、
 後継者になる方が1年1年経営者になるべく研鑽を積んでいる」

という金融機関の安心感があれば、大丈夫と思います。

■小さな失敗大きな成功の道をすすむ!

小さな失敗とは → 取り返しのつく程度の失敗です。
          傷ついても修復可能という失敗のレベルです

大きな失敗とは → 人間に例えると、重体・危篤・死の病という
          事業の存亡にかかわる失敗のレベルです

   文字に表すとすごく簡単ですが、
若い時の経営者ほど経験がない分を自分の意志で押し切ろうとします。
それでうまくゆく場合も当然ありますが、
反対にうまくゆかない場合もあります。

この失敗例を体験した時に、2つの判断が生じます。
・たまたま失敗したのは運が悪かった、〇〇さんのせいだ とか。
・なぜ失敗したか冷静に分析判断して、この点は次は注意しよう!
 と考えるか 

 これを5年、10年続けると経営者の能力は5倍くらい差が出ると思います。

■経営交代の10年前には「事業承継」を考え始める!

   事業承継のロードマップ作りは、事業の経営よりも難しいのです。
まだまだやれる と思っている自分を置きながら、
次の時代のことを考えなければなりません。

1つの飲食店の事業でなく、甲斐の国を統治する武田信玄のように拡大すると事業承継の必要性がはっきり見えてくると思います。

・事業承継は経営者自身の我欲との戦い
・後継者選びは、親族経営だと公私ともにドロドロの戦いになる
 1番:親族  2番:幹部社員 3番:売却(M&A) だと思います。

 計画的に進めないと、1円にもならず、ただの清算で消滅になります。

ひとつの例:
①経営者自身が何歳まで経営するか決める
②事業承継の大まかな進め方をレイアウトする
  後継者選び(1~3人)
  後継者候補の経営者教育期間(3年~10年)
    *いきなり役員は重荷です 大企業でも主任、課長、部長で昇進
  幹部社員や社員との折り合い
  銀行関係のお付き合いの熟知と顔つなぎ
  取引先とのおつきあいの熟知と顔つなぎ
  経営者と役員としての経営移行期の設定
    *事業の引継ぎもドライビングスクールと同じことです。
     教官と見習いの生徒がいて熟練ができます。
③借金の引継ぎ
 事業内容によっては、膨大な金額と思います。
 しかし、
 事業承継においては、行政の相続税に対する恩典や金融機関の支援もあり
 個人の借入のように「全額返す」ことが姥久手にする必要はなく、

 「きちんときめられた金額を毎月返す」ことをすれば一切構いません

 会社も持続し、代表者も持続して、借入金返済も持続しますので、
 仕組みが壊れない限り大丈夫です。

事業の大変さや借入金の多さで後継者候補が辞退することは、
現実にはあります。

■最後まで現場に立つ経営者か、
 マネジメントに徹するように1本化するか決める!

  経営者のあり方は千差万別です。
現場が好きな人は年商3億円規模以下の時代の方に多いかと思います。
さすがに、5億円、10億円、20億円以上になると
経営の現状の把握だけでも大変な作業量になるかと思います。

現場に立ってもたたなくても、
人を一番大きな自社の宝として大切に扱い、育て教育することが大切
と思います。

私自身は、
多くの現場に立つ頑固な経営者の方に多くのことを学びました。
終生感謝の気持ちは変わりません。
もう半数くらいの人がお亡くなりになっていると思います。

20代、30代、40代の経営者の方にも参考になれば幸いです。

攻撃は最大の防御なり
先手必勝

(了)


  



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