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飲食店未来学75:鰻の成城の21世紀型経営の現代性と物足りないところ


鰻の成瀬 (松)2,600円 鰻一尾(日本鰻の海外産使用)

もう鰻を食べられた方も多いと思います。2023年末までの2年間で70店舗出店を成したフランチャイズビジネスインキュベーション株式会社が経営する鰻の成瀬が注目されています。

既存の国産のうなぎ専門店のうな重に比べて、価格が55%~60%のお得なうなぎ専門店です。

この企業に興味を持ったのが、コロナ後のコストアップ時代において競合を避け、売上を切り取ってゆくしくみをちゃんと実現しているところです。私の飲食業の成功理論と一致している点があるから一層興味を持ちました。

メイン食材が一つ

海外産のニホンウナギ使用とあります。養殖の現地は中国。中国企業による中国産でなく、日本企業が委託した養殖を行う中国産ということです。

現地のセントラルキッチンでさばいて開いた生身の冷凍を日本に輸出したものを使用している。

これを店舗で「うなぎの自動焼き機」に入れて仕上げている。

メニューが少ない

●うな重 梅(うなぎ半身)   1,600円
●うな重 竹(うなぎ3/4身) 2,200円
●うな重 松(うなぎ一尾)   2,600円

鰻の量と価格設定のバランスが上手。初来店者が松を多く注文するように工夫されているところが今風の工夫が効いている。

半身の2倍は3,200円。3/4身の価格に400円足せば一尾が食べられる。ちなみに客単価は約2,000円とのことなので、オーダー全体から見れば、若い客層が多く、半身のオーダーが多いと推測できる。

20席前後でワンオペ経営が可能

席数が少ないお店ですから、繁忙時でも店主ひとりでできます。鰻は機械の自動焼きなので、店主は、仕上げと商品提供や会計、食器洗いが仕事です。

別府店の店内 21席


別の店舗


これもまた別の店舗

居抜き中心店舗なので開業費用が少ない

店内の景色が違うので、フランチャイズでありながら、個店風なイメージが逆にあります。見る限り、床や壁天井はクロスの張替えとテーブルやカウンターはWEBで注文できるDIY型の一番安価な造りをめざしている。

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