食べ塾:見えてきた令和時代を生き抜くタフな完全黒字飲食店のあり方!詳細にご説明します
noteクリエイターのキクリン@飲食業界に携わる人の投稿で知った
「百食屋国産牛ステーキ丼専門店」(京都)の中村朱美氏のお店の考え方や飲食店の経営方法が、令和の時代の新たな飲食店のあり方を模索する身にとって、すごくヒントになりました。(写真は閉店中のすき焼き専科の定食)
*閉店店舗の時期を見ての再開と商品の通販開始を希望します!
飲食店経営のプロがみんなこぞって思っていること、
それは
従来型の 「売上を上げて、利益を増やして、強い会社を創る」
という仕組みを、大きく根本から見直してみるきっかけになったのです。
要は、
<売上が上がらないことが当たり前の時代に変わる>のです!
店舗規模も半分以下、スタッフ数も半分以下、
メニュー数は最小限度、食材数も最小限の仕組みに変えるが、
「売上高は80%でも採算の取れるスリム経営をする」
という考えをこれから実行して行こうとするものです。
以下に、人材、食材、店舗、売上づくりについて詳述します。
■改革1:従業員数は50%減・人件費は50%減
の仕組みに変える!
一部の少数幹部の方を除き、ダイバーシティー経営(あらゆる多様性の人材を受け入れて、自店の戦力として活用する経営)も含めて、
短時間労働 かつ高能率経営を目指す方向付けが必要になってきました。
一挙に百食屋さんのように、短時間労働、得意分野を担当できて、
好きな日に就労と休日が取れる仕組みに変えることはできませんが、
「従業員さんが意欲を持って働ける飲食店づくり」
という視点での取り込みはある程度は改善できると思っています。
ここからの仕組みを作ればいいと思うわけです。
これからの人材確保は、
働く人の生活と労働に対して「ワークバランス」を考慮することが
最も大事だと思います。(例:都合の良い1~5時間勤務)
百食屋さんでは、100食(1人20食目標)で、14:00以降は
翌日の仕込に入るそうです。
この場合でも、一つの仕事に習熟した人が2つ目、3つ目と
習熟した分野が増えれば、おのずから、マルチ戦力になるので、
時給アップになると思います。
人件費を大きく落とすためには、
メニューの仕組み・調理の仕組みの変更と作業オペレーションの
単純化・省人化が必要になります。
(*以下の投稿も参考にされてください)
■改革2:食材数とメニュー数を「最低数」にして、
専門店として継続できる売上づくりを考える!
百食屋さんのステーキ丼のお店は「ステーキ丼」をメインにして、
端材をミンチにして活用したハンバーグという
「同一食材で2パターンの料理分野」が原型でした。
●調理がシンプルだから、短期日で調理担当ができる
専門の高度な調理技術が不要となります。パートさん調理でOKです。
●メニューのアイテム数(品数)を最小限に抑えて「完売」を目標にする
商品数を絞り込み、お得感を加えることで、オーダーを集中させて、
完売により、フードロスをなくす仕組みに変わることが必要です。
●短時間就業なので、賄い職の必要がありません
売れ残った分を賄い食で食べたり、責任者が毎日まかない食を作って
いれば、年商のおよそ1.5%の利益が賄い食で消えます。
●省スペース、省機器、省キッチンスタッフ数になる
食材を絞り込み、メニューを絞り込むことで、3つの投資負担が、
大きく半減されます。
●メニューの絞り込みで「一般店」から「専門店」に脱皮できます
専門店になると販売価格が10%~50%高く評価されます。
(*それなりに器の変更・具材の変更・売価の変更が必要です)
百食屋さんのように、さすがに冷凍庫なしはできないと考えますが、
最小限度の「食材の冷凍保存」で済むようにはできると思います。
(*毎日配送できる業者さんの食材ストックは、基本2営業日分です)
●ドリンクは、満足のゆくものを素早く提供するために容器入りにする
大半のドリンクを、
・「ボトル商品」(注がなくていい、提供のみ)
・「缶入商品」(注いでから提供)
に置き換える。
要するにパントリー業務スペースとその労力がいらない仕組みを
目指したと理解できます。
■改革3:店舗面積を50%~70%に縮小した
ランニングコスト軽減店舗に変える!
<家賃軽減・人件費軽減・店舗経費軽減>
積極的に検討する!
これからの店内の席数の一つの目安は、
店舗面積1坪当たり1.2人~1人 が適正値だと考えます。
(*かっての東京・大阪は1坪2人だったと記憶しています)
メニュー数の変更も、食材数の変更も、スタッフ数の変更も
経営者の考えで変更可能ですが、賃借店舗の場合は、
家賃だけは基本、変えられない経営要素になります。
●経営効率が一番良い「店舗規模」がどれくらいかを検討する
自店の飲食業態で、
最大効率の売上高を上げるための店舗面積はどれくらいか?
を見極める必要があります。
①店舗が少し縮小できれば、その店舗面積での席数を満席にする
人数も縮小できます。
②店舗面積が小さくなると売上が減るとダイレクトに思う
必要はありません。とれる対策があります!
・デリバリーを始める
・テイクアウト商品を開発する
・営業時間を「2時間程度」延長する隙間を見つける
(*アイドルタイム営業、朝の時間帯営業、閉店時間の延長等)
お客様が料理を楽しめる客席間がどれくらいか見直します。
そして、省スペース店舗で、客単価、客数、営業時間のあり方を
変えることで、「最大売上高」がどれくらいに見込めるか?
考えてみたらよいかと思います。
■改革4:効率よく売上をどう作るか?
じっくり説明します!
1,ランチもディナーも単一メニューの通し営業をする
メニューが昼夜同じであれば、手順の変更もありませんし、
料理提供のための調理技術レベルの変更もありません。
フードロスも一番出にくいと思います。
料理が早く提供できます。
少ないスタッフ数でも、効率よく動くことができます。(例:焼肉ライク)
2,ランチ基準で「お1人様客単価=メイン料理(本体価格)1000円」
を基準にメニュー作りをする
お客様お1人様から、最低売上高1000円を獲得できれば、
1日のランチで100人の利用があると、ランチ日商10万円になり、
25日営業で250万円、30日営業で300万円の月商になります。
3,食事系料理の食材原価率を「3~5%」増やしてお得感を増す
食材原価率33%の料理は38%にする。35%の料理は40%
(この業態の上限原価率と思います)にする。
1000円の3%で30円、5%で50円の予算獲得になります。
<この予算の活用例>
・1品50円原価のデザートを定食にサービスでつける
・1品30円~40円原価の野菜サラダをつける
・1品30円~40円原価の茶わん蒸しをつける
・1品30円~40円原価の女性好みの小鉢をつける
こんな工夫で利用客が増えて売上が上がるようになります。
また、
メニューアイテム数が必要最低限度の数に絞り込むと、
キッチンスタッフ数、ホールスタッフ数が少なくて済み、
人件費の軽減が少なくとも「5%」行なえれば、その5%をフードコスト
に置き換えられることになります。
お得感を増すことで、お店の固定客はますます増えることになります。
4,今からの飲食店は、店売り70%、テイクアウト10%、
デリバリー売上20%を目指す売上構成づくりが
必要です。
やがて時代とともに、デリバリー売上は、40%~50%と
シェアーを広げるようになると予測しています。
飲食店のあり方も、もうすでに昨年の中ほどから「変異」し始めており、
元通りには戻らない・・・と考えた方が順当!と思います。
5,店舗管理は社員1名で、サービスはPA1名と省力化機器、
プラス セルフサービスで運営するようになる!
●券売機、セルフレジ、予約システム・ご案内システム等
●オーダーエントリーシステム・デジタルサイネージの活用
●デジタルサイネージメニューの導入(配信型)
●料理提供のロボット活用
等です。
中高級店でも、人との接触が最低限度になり、
プライベート性もより重要視されることになりますので、
飲食店向けの支援機器はもっと導入が進むと予測しています。
6,競合しない料理、価格で比較されないオリジナル料理で
独自の売上を作る仕組みに変える!
口で言うほど簡単ではありません。
しかし、何気なくふと思いついたことを実際に試作してみると、
「意外とうまくゆくかもしれない!」と思えることはたくさんあります。
●1流の食材・・・・・・・最小限度の分量で使用する
●少し高い1.5流の食材・・・ちょっぴり高級感もあり売価も頂けます
●2流の食材・・・・・・・・鮮度が良ければ堂々と使いましょう!
●3流の食材・・・・・・・・× お店の信用を無くします
(*鮮度はよくなく、美味しくもない)
食材を使い分けて、どこにも負けない料理を作ってみましょう!
1.5流の食材とは、
1流の和牛ではないけれども、2流のホルスタインよりも美味しい交雑牛(両方の合いの子)の様な食材のことです。
探せばいろいろ発見できます。
(*遊び心と熱心さと、美味しい料理が好きという気持ちが必要です)
7,この仕組みを作ったうえでも、売上を増やしたい方法が2つあります
①その1つの方法は、
1クルーで5~8時間の営業を行うとして、
●ワンクルー運営店(24時間で一番良い時間帯を最大8時間営業)
1つの店舗運営チームで効率よく8時間営業をする。
●ツークルー運営店(クルー2組で2交代制、最大16時間営業)
2つの店舗運営チームで、昼中心のメニュー業態と夜中心の
メニュー業態に分けて営業する<2毛作業態>
●スリークルー運営店(最高立地で24時間営業)
昼中心業態、夜中心業態、深夜テイクアウト業態など
に特化して営業する。<3毛作業態>
②もう1つの方法は、
●同規模の小規模店舗を、シャチハタスタンプのように
「商圏をかぶらさせずに」複数店舗を円周上に展開する!
ことです。
10人に一人でも理解していただきたいと思います。
100人に一人でも、考えるだけ考えてもらいたい。
1000人に一人でも少しだけは実行してもらいたい。
そうしたら、
飲食業は明日もまた「不滅」になれます!
(了)