たべものコンサル日記114:料理極めるなら「天ぷら」と「串焼き」だ!
コンサルを昼間しながら、夜を居酒屋店主として営業していたことがあります。年齢で言うと、55歳~59歳の4年間です。
これを始めた動機は、
「いつも他人の為にメニュー作りしているから、人生に一度は自分の為に
メニュー作りして、自分の作った料理を食べてくれてお金をいただける」
体験をしたいと思って4年間営業しました。
結果としてこの経験は、理屈と数値で100%のコンサルの世界の判断に、来ないお客を待つ辛さや、洗い物を夜中に2時間もすることなど、とってもお金には代えられない貴重な体験をしました。
一人調理は
タレ・ソース・自家製調合調味料を持つと便利!
一定の美味しい味でブレない味を出し、短時間調理で料理を仕上げるためにはこれらの液体や調合味噌、焼鳥のたれ、地鶏焼きのたれなど13種類を毎月仕込んで使っていました。
*ご希望の時はnoteで公開します。
この時に注意したのが、
●地元の醤油と味噌を使う・・慣れ親しんだ味が一番美味しく感じる為
*仕入の安さで他地域の味を使うと美味しさが伝わりにくくなる
場合があります。
●味りん風みりん、料理酒風料理酒、業務用おろし生姜(防腐剤臭さが美味しさを損ねる為)は使いませんでした。
*業務用のおろしにんにくは玉ねぎのおろしを増量剤としているので
使う時は2~3倍量入れていました。
この4年間で毎日追求したのが天ぷらと串焼きです。
天ぷらはおもしろい!
こんなに奥が深くて底なし沼の様な未知の世界がどこまでも広がっているのは、やってもやっても答えが出て来ないゴールのない世界です。
●油を選ぶ・・・ サラダ油、白絞油、綿実油、ゴマ油、オリーブオイルな
ど好みとコストで色々選べます。
●素材を選ぶ・・ 魚、野菜、肉、加工品など何でも揚げられます。
●天粉・・・・・ これもブレンドしたり、食材によりとろみの濃さを
変える面白さ、難しさがあります。
●火加減・・・・ 一つの食材を入れ始めは弱火、中火、強火と変えたり
2~3回は火加減の調整をします。
温度が高くなると火を切ってネタを入れる時もあります。
*唐揚などは3分程度の間を置いて2度揚げしたりします。
専門家の本には、天ぷらは「脱水作用」と言っています。
「揚がる音」と「見た泡の大きさや量、出方」を天ぷら鍋の中の食材と
お見合いして観察して、揚げネタの心を感じ取ることだと思います。
これが何度やっても難しい!
居酒屋4年間のうち、3年間毎日勉強と思って色々なものを揚げましたが、
日ごとの食材ごとに「揚げた結果が違う」難しさを体験しました。
今も週末や食べたいときに天ぷらを揚げています。
我が家では、とり天、チキン南蛮、鯵の南蛮、ササミカツ、季節の野菜の
天ぷらなどが多いです。
串焼きも奥が深い!
串に刺した食材を火入れしますが美味しい「火」には
ランクがあります。
一番美味しい火・・・・炭火(有名な備長炭ですが、今は中国産も〇〇備長
炭というように名前を使っています)
遠赤外線効果でふっくら焼けます。乾いた熱です。
*温度管理が難しく、悪い炭はパチパチと炭の粉をはじきます。
二番目に美味しい火・・電気ヒーターの火(メーカーはヒゴグリラー)
スイッチ一つで急速加熱でき、管理が簡単ですが、
機器の価格が高く、塩気でヒーターが痛む為、定期
的に交換が必要です。
遠赤外線効果があります。同じく、乾いた火です。
三番目に美味しい火・・ガス火(半円のガラスやステン製のカバーがついて
います)わずかに輻射熱があります。
湿った火で、微妙にガス臭さが残ります。
*街中で一番多いのはこのガス焼きです。
”火が通っているのに全く焦げていない感じ”とい
う達人級のお店も多々あります。
●食材のこだわり・・・鮮度、大きさ、切り方、加工の仕方、種類など
●塩のこだわり、たれのこだわり
●火のこだわり
●焼き加減のこだわり・・焼き手が一番美味しいと思う焼き加減で
焼く作業をストップします。
私も居酒屋をしていた時は、自家製の焼き鳥のたれを作っており、中国産の備長炭風の一番良い炭を使っていました。
60歳を過ぎてから、すべての仕事をやめた時に、5人しか入らない串焼屋をやって好きなお酒をちびちび飲みながら、来られたお客と会話したいと
思うことが度々ありましたが、
今はもう頭の中だけ営業中ということにしております。
床はござ敷で隅には時代劇で出てくる旅籠(はたご)の行灯(あんどん)の光があるだけみたいなお店です。
今日も取り留めないお話でした。
2200文字読破していただきありがとうございます。
いまから奥さんと玄関の蜘蛛の巣掃除をします。
(了)
焼鳥と串焼きの違い?
私なりの理解かもしれませんが、
本来の焼鳥は、鶏の赤身や内臓を串焼きにしたものです。
九州はおおむね焼鳥屋は鶏肉ベースですが、唯一福岡県の久留米市は
関東と同じく豚肉ベースです。
大分県でも、北九州でも、鶏肉、豚バラ、野菜、えび、イカなども焼鳥屋さんのメニューにあります。