食べ塾:飲食の仕事は「好きじゃないと絶対続かない」大変な仕事!ちょっとした考え方のコツお伝えします!
■飲食業は”食材”を人手を使って、”加工調理”して
「原価×3倍」して経費と利益を確保する商売です!
好きこそものの上手なれ という言葉がありますが、
飲食店経営ほど「たべもの商売が好き!」でないと、長くは続けられない
面倒くさく、やりにくく、他の業種よりよりも儲かりにくさのある商売
だと思います。
頻繁に経営者の方から聞く言葉は、
●「いてほしい人が辞める」 ・・・人材の悩み
●「食材がまた値上がりする」 ・・・仕入れ価格の高騰の悩み
●「お金が足りない」 ・・・資金繰りの悩み
●「後継ぎがいない、うまく育たない」 ・・・後継者問題での悩み
●「新メニュー作りが大変」 ・・・知識も技術も必要
●「売上が上がらない」 ・・・売上維持、売上アップが課題
こんなことは毎年、毎月、毎日雨あられのごとく、あって当たり前が
飲食業の世界です。
ではなぜ?
飲食業を始めるし、経営を続けると思いますか?
■手早く、簡単に、小さい資本で「経営者になれる」
「お金が手に入る」が新規参入の理由です!
最近の新規参入の方の特徴は、資金を投入して飲食店を開業する割には、
経営する飲食業態の「修行も、勉強も、試作も」ほんの少しする程度で
参入してきます。
ですから、競争力もオリジナリティーもありません。あるのは「運」だけ。
コンサルの世界でも言い方はまちまちですが、
私は3年間で50%減という概念よりも、
「1年間でつぶれる運命と生き残る運命に分かれ、つぶれる店は開業から
3年以内につぶれてしまう!」
というのが鉄則のように思います。(実際に見てきてそう思います)
つぶれるという予感がしても、なかなか閉店しにくく、
6ヶ月~1年間は借金でつないで経営を継続し、親兄弟、親族からの借り入れや金融機関・高利の金融迄を借りまくり最後に閉店します。
<閉店店舗の一例>
開業時の初期投資金800万円+運転資金200万円、閉店までの
赤字の補填資金1000万円→合計2000万円を1年間で使い果たし、
無残にも閉店しました。
開業から「5年」経ったら、サバイバルゾーンを
脱した! と喜んでください!
特に1年~3年間は経営ノウハウも固まらず、
お店の無駄のない仕組みも固まらない時期ですので、
なおさら利益が出にくいのです。
開業から5年経つお店は2年目、3年目で黒字化できており、
開業から12年~15年は継続できるお店です。
(*儲かりすぎて放漫経営は別です)
■お客様の「喜びの声」があればこそ頑張れる、
”自助努力の世界”を納得できる人が、
続けられる天職の仕事です!
●来る日も来る日も「今日お客様が何人来るかわからない」けれど、
毎日、決まった量を仕入れて仕込を行います。
(*仕入れ量の調整はしますが、見込み仕入で代金が発生します)
●従業員の勤務シフトを組んで、調理に必要な人手を揃えます。
ホールの接客サービスに必要な人手を揃えます。
(*売上高に関係なく人件費の支払いが発生します)
●機嫌よく働いてくれていた人が突然辞めるという、
元気に働いていた人が入院するという・・・など人事案件の
目まぐるしさは常にあります。
●売上づくりに「安心感」はありません。
天候、不景気、疫病の余波(牛豚鶏の病気)、調理責任者の退職
人手不足、店舗の補修、機器の故障などさまざまです。
これら全部を
「あって当たり前!」と割り切れる人が
飲食業で生き残れる人達です!
お客様に「美味しかった!また来ます!」
の言葉でまた明日も頑張れる仕事です!
飲食業が、3K・5Kの職場であることは
経営者が一番よく知っています!
*最初の経験者ですから
「大変さよりも喜びの方が勝つから続けられる!」
この一言に尽きると思います。
■小さい資本投資から始められる飲食業が、
野望の第一歩という「事業家ビジネス」の開業!
この形での新規開業も多いですね。
私の身近な例としてはファミレスのジョイフルさんがあります。
今は200店舗減らして500店舗体制に切り替えているようですが、
私が関与しているときは、
創業1店舗・2店舗目~30数店舗までの「成長期の10年間」と
横浜のハングリータイガーさんをコピーしたハンバーグレストランなどの
新業態開発などで関わりました。
多くの方が、名を成す前の「立ち上げ業態」として、飲食業を行なう事は
大変よくあることになります。
飲食業で、人の欲望と金銭の動きと日銭という現金のありがたさが
実感できるからです。 (*学ぶ要素が多いと思います)
■食材卸売り業からの「飲食業参入」が、
近年すごく増えてきています!
●食肉卸の会社が「焼肉店」を開業する
●水産会社が「すし店」を開業する、「魚料理居酒屋」を開業する。
●野菜の生産グループが「農家レストラン」を出店する。
かっては、卸業に徹していた会社も、出来る限りの配慮を顧客先に
行いながらも、ライバル店となる飲食店経営を始めています。
卸小売り先の多くは同意しますが、少数は反発しています。
卸業の「薄利」と「翌月現金」では、もう卸業も利益が出ないのです。
ある意味では、
卸業だけでは将来が危ういし、自社の強みを生かした新事業への進出
という形が、新規出店に繋がっています。
卸業務会社は、
一般飲食店よりも10%~15%安く入れられることが強みですが、
これをすべて吐き出さずに売上を上げると、黒字店になります。
飲食業界の関与年数40年の私が正直に感じていることの感想です。
参考になれば幸いです。
新規参入での成功は、
●前準備(開業前までの取り組み内容)で50%の成功率
●開業後6か月~12か月の軌道修正で50%の成功率
併せて100%になります!
(了)