飲食店の困った!を解決相談所大分:変わりゆく忘年会のあり方
もうコロナ過で迎える忘年会シーズンが完全に3度目になった。
10月、11月の夜間の予約状況は、
平日が埋まりにくく、週末が埋まっている。(12月1日現在)
しかも、この予約は「本予約」であっても、メンバーが感染すれば、
「即キャンセル」になる「仮予約」の要素が強い。
コロナ禍の3年間を総括して、グループ宴会の変化をまとめてみた。
■少人数4人以下の利用が多い
よく見かけるのは、2人連れ、3人連れの利用です。
中には、6人以上の予約も耳にしますが、客層の良い方達が来るお店です。
例えば、
自分の体調が悪いと思えば、参加者の方に迷惑かけたくないと考えて、
酸化を控える配慮を進んで行う方達が利用するお店は、5人以上の利用も
あると聞いています。
中心はやはり1組2人~3人の利用が多いと思います
■身近な人だけでの利用が多い
家族や友人、知人、会社の同僚、趣味のグループで親しい人などの
身近な人たちの間での利用が多い。
やはり、感染うんぬんがあっても、許せる間柄の人たちの繋がりの
利用です。
会社の宴会は「半減状態」。感染の広がりでもっと減る恐れも。
経営者サイドでは、個人的に外食には出ても、会社では忘年会をしない
というところが多い。
1人が感染すると、納戸接触者だらけになり、会社の機能がマヒするから
というのが理由でした。
■短時間利用が多い
コース料理を出すお店の利用でも、2時間も3時間も長時間利用をする
方達が減ったように感じます。
今まで、利用できなかっただけに、利用できる環境になった開放感が
ありますが、まだ、一方で感染を避けたい気持ちも働いています。
総じて100分くらいの利用で満足されていると思います。
■忘年会の回数減少
私もほんの数年前は、5件や6件の忘年会は参加していましたが、
この3年間は、ほぼ家族的なお付き合いのところだけの1回だけになりました。
ただし、40歳以下の人たちはある程度、年末ということもあり、
利用回数は多いのではないかと思います。
■高予算化客と低予算化客に2極化してきた
主に中高年齢客は、外食の利用回数が減った分だけ1回の利用金額が
10%~20%予算が増えてもいい感じで利用しているようです。
それに反して、20代~30代中心の外食客層は、家庭でのコストアップの影響を受けて、
限られた予算の中で、いっそう魅力的なコース(元が取れる内容)でないと予約を入れていないようです。
要するに、渋めの緊縮予算で楽しむ傾向が強くなっています。
■お店利用とテイクアウト、デリバリー利用に
ニーズが分散している
第8波の高まりとともに、直接忘年会に出かけることも控えるように
なり、テイクアウト利用やデリバリー利用のホームパーティー的な利用も
増えるのではないかと思います。
「楽しみたい」と「感染に気をつけたい」の両方を満足させる選択肢を
選ぶ傾向は来春迄続くと見ています。
忘年会で外食に出ない人達のための商品づくりも必要です。
23年2月末までは、需要はあると思います。
■節約志向の高まりは23年へ続く
一般家庭においては、野菜や基本調味料、チーズなどの食材の高騰と
光熱費(電気・ガス)の高騰を受けて、節約志向がもっと強くなります。
真っ先に、外食の手控えや予算削減、コンビニ食の利用手控えにつながってくると思います。
今後は、コンビニ食から「自前おにぎり」「「自前の弁当」が増えると
予測しています。(ふりかけや弁当用の簡単レンジおかずが売れる)
来年のうさぎ年は本来なら、人に優しく、飛躍の年でもあると思うのですが、来年の2023年は、
ウサギの三段跳びのような食材価格や光熱費の高騰の年と見ています。
もう10%台の値上げでなく、生存を賭けた20%、30%の値上げを
チャレンジしてくる時代です。
まるで高さ40m、50mの押し寄せる津波のようです。
否応なく、この大きな激変を乗り越えた飲食店でないと、
次世代には生き残れないのです。
真剣にどう生き残るようにするかを、今一度考える時です。
■本来いただくべき価格を維持しながら、
臨機応変に「販促キャンペーン」を行うこと
いくら売上が厳しくなっても、利益システムとしての
「値上げ売価」と「設定した原価率」を変更してはいけません
この売価を売上づくりをするために引き下げてデフレ価格に
してしまうことは、間違いなく「完全赤字店」を作ってしまいます。
そして、
運転資金が枯渇した時点で命がつきます。
そうしない為には、価格を下げて食材原価率を上げないこと。
約30年間続いたデフレスパイラルの時は、今よりずっとあらゆるコストが
低い状態でしたが、
今同じ手法でチャレンジして売上を上げても、それを賄う利益は
得られません。それくらいに「高コスト時代」になっています。
●臨機応変に10%~20%以内の割引キャンペーンを
2日~5日以内の短期間だけ実施して需要を喚起!
●ポイント付与
●食べログ投稿でワンドリンクサービス、または
100円~200円値引き(販売促進費で経費になる)
もう何があっても、自分のお店は「生き抜く」と覚悟して手を打たないと
本当に生き残れなくなる時代です。
まさに、激動の23年が目の前にあります!