生残りの選択肢💛格安店と高級専門店の2つの路線を比較してみた!=飲食店の困った!を解決相談所大分
外食人口の減少や変動、今から強まると予測される節約志向が働くと、
一見、これからは「格安店」の方が「専門店」より有利かと思えます。
果たしてどうなのでしょうか?
私なりに、これから明確に分かれてくる3つの外食客層を軸に、
ワンコイン(500円)飲食店や、ツーコインの999円以下の飲食店と、
高級料理店の将来について、メリットとデメリットを考えてみました。
🍎これからは3つの外食客層に集約される
*以下の記事は、職業や収入の差別化をして客層を分けているわけでは
ありません。今後の外食客層が3つの層に分かれるという予測説明です。
①上級外食客層(専門店志向・個室志向)
富裕客層、高級店客層、上級公務員、経営幹部層、外国観光客層
美味しい目的料理を食べるためなら、必要なお金を支払う層。
●利用頻度は、それぞれ異なる。
●また、コースで料理を食べる日と、単品とお酒を好む日に
使い分ける。
●顧客度が高い(お気に入りのお店を長期で愛する)
気に入ったお店を簡単には変えないが、より気に入れば乗り替える
クォリティーの高さが大切。
👂食材や調理技術の専門度が必要
👂気配りが必要(接遇の内容に細かく厳しい)
👂客席の密室性が求められる。(会話を聞かれない為)
(誰と会っているかを知られたくない為)
②中級外食客層(中心層・条件で使い分ける)
普段の生活では、男性はワンコインランチや1000円未満ランチを利用
しており、女性は1500円ランチをたびたび利用する一番多い客層。
自分ご褒美の日や、家族の記念日、親しい友人との会食には、高級店
専門店をたまに利用する外食客層。普段は節約ベースの外食利用。
👂女性が主導権を握っている場合が多い
👂女性の方が客単価が高い(50代~70代前半)
👂女性のクチコミ力がすごい
👂ヤングファミリー、ミドルファミリーで組単価が50%変わる
(子供が小学生以下か、中学生以上か、で分けられる)
👂マイハウスのローンがあると、節約志向はより強くなる
(購入後10年間は金利払いで元金が減らない為、余裕がない)
③下級外食客層(コスパが大切)
安い・美味しい・目先を変える新メニュー作り
収入が伸びずに、スーパーでの買い物や、外食費を減らして、
日ごろの節約生活を余儀なくされる外食客層。
節約することにより、少しでも「余裕資金」を確保する傾向がある。
(断捨離生活をしている私も普段はこの部類ですね)
👂割引弁当を買う
👂スーパーで割引シールの商品を買う
👂特売やクーポン、ポイント利用を好む
ランチにしても、美味しさがほどほどあれば、
安さと満腹感がある商品を優先利用する外食客層。
給与前の10日間、何かで出費がかさむと、
飲食店での外食を離脱して、格安のデリバリー弁当、カップラーメン、
おにぎり、パンなどでランチを済ませる。
または、ごはんと簡単おかずの自家製弁当を利用する層。
👂男性が多い。 満腹感があれば食べ物に感心がない人も多い。
👂必要な家計費を引いた残りが、月間の小遣いや食事代になる。
この客層が、主に「店内客層」➡「離脱客層」となり、
テイクアウトや、デリバリー、コンビニ食で賄う方向になる。
離脱を防ぐには、
安く大量に仕入れができる安定した「肉食材」が必要です。
🍎格安店の将来性、メリットとデメリット
<低級外食客+中級外食客>
以前のデフレスパイラル時代と大きく違う点は、
上級外食客に限らず、中級外食客や低級外食客も、
「いざという時の外食予算」は、普段よりも何倍も使う意思を持っている
ことです。
私の考えでは、
食材の高騰がこの先もずっと続くため、
1人分の食事メニュー料金が999円(税込)以下で売れる
限界の時期までは、「格安店」が強い
ワンコインフード店では、
最高680円以下のランチまでが売れる限界値
と考えています。
<メリット>
1,節約志向、外食費の予算縮小傾向が強まるごとに、「客数」の
自然増がある
<デメリット>
1,食材の高騰で、月間の食材原価率が「40%」に達すると、格安飲食店
の業態破壊が始まると考えています。
人件費や水道光熱費が今以上に上がれば、食材原価率が40%に達する
前に、その飲食業態はビジネスモデルとして成り立たなくなります。
2,客単価が低いため、客数の多少で黒字店、赤字店に分かれます。
採算点に達する客数を確保できたお店は黒字になり、達しない人気の
お店は、赤字のままになる。
3,値上げ比率が高くなると、離反客が出やすくなる
価格の安さが魅力の為、「値上げ率」が高いと客は慣れを起こしやす
い。
・ワンコイン客の上限・・・・「680円」まで
・ツーコイン客の上限・・・・「999円」まで
4,利益幅や利益額が小さいため、店舗の改装費までは出にくい。
大きな設備投資がしにくい。
5,食材の高騰が何年も続くと、使える食材が限定されてくる
🍎高級専門店の将来性、メリットとデメリット
<上級外食客と中級外食客>
高級料理店(イメージとしては、客単価5000円~15000円)と
いう範疇で考えてみます。
高級料理店は、
●食材の良さ、安全性が高い
●食材の仕込み技術、調理技術に優れている
●客層が1~2の客層であり、バッティング(客層の競合)が起こりにくい
●接遇が一般的に丁寧
将来の外食産業を支えるコアな部分は、この専門性のある人たちが
いなくては、「日本の飲食業がすたれる」と思います。
工業的な技術職人さん達や建築の大工さんなどと同じことです。
むかしは食べられたレアな料理を上手に作る人がいなくなっている
からです。
日本のあらゆる食材を活かし、調理技術を駆使して、
「食の楽しさ」を味合わせてくれるのは、
専門店の使命と思います。
<メリット>
1,食材を活かしきる、美味しさを存分に引き出す専門店料理
は、外食の大きな楽しみになる
個人的には、飲食業が喜びのない業種になると、衰退すると
危惧しています。
2,客単価が高い
調理の技術料やおもてなしに関わる人のスキルが高い分だけ
コストアップになり、メニュー価格も上がります。
3,予約客が50%前後まで確保できる(中級店クラス~)
近頃は予約100%で何か月も埋まっているお店もありますね。
4,食材原価率が低い
高級食材を少量使う料理を多くすると可能。
5,小型店でも高い売上が見込める
売上高に比べて家賃比率が低くなる(6%程度)
6,「10%程度」の値上げでも通りやすい(年1回目度)
価格が上がっても、他店より優れていれば、通る価格になる。
<デメリット>
1,予約のある日と、ない日では売上差が10倍以上になる
例えば、15,000円と150,000円。
私も居酒屋経営時代に、15倍のひらきの経験があります。
2,高級食材のロスが出やすい
予約率100%のお店が良いが、それでもキャンセルがあると
食材の処理に困る
3,食材管理を厳密に行わないと食材原価率が上がりやすい
4,仕入れ代金の金額が大きい
他店に比べて高級食材店は、請求書の絶対額が大きい。
5,多店舗化が難しい
食材の品質の見極め、仕込み技術、調理技術の習得に多くの時間
を要するため。
6,QSCに落ち度があると評価が落ちやすい
商品力、接遇おもてなし力、店舗の快適さ、居心地力
外食客の1人の食事の客単価が999円が主流の時代までは
「格安店」が強く、
その金額を超えてくる時代になると、
「専門店」が強くなると見ています
どちらも飲食業界では必要なお店です。
「あなたは、どんなお店に将来も残って欲しいですか?」
(了)