食べ塾65:弁当の割引販売は、身を亡ぼす麻薬と同じ危険行為です!
私の知っている2店の弁当店は「売れ残りそうな弁当」をラストの
1~2時間で残った弁当を半額売りして、毎日売り切れたから良かった!と
安心しています。
しかし、一か所は20%の販売マージンがかかり、他方は17%の販売マージンがかかっている複合施設内の現場です。
これを良しとしている甘い経営感覚では利益は残らないと思います。
■弁当1個にかかる経費
1,食材費 ごはん・主菜・副菜・漬物・ふりかけなどにかかる費用
旧来型の小型弁当店で50%のコスト、最新の1000食以上売るお店で
30%~35%が目安と思います。
2,容器代 弁当容器の普及品タイプで蓋込み22円~25円
売価のおよそ5%~8%程度
3,包材費ほか 箸・ビニール袋・輪ゴム。お店により紙おしぼりなど。
総額5円以内かかっています。
・・・・この1~3の合計で私は45%以内が良いと考えています
4,配達費用 工場から売り場へ、お店から客先へなどの配達経費。
弁当1個当たり50円と設定してみても、1時間当たり数か所納品
して20個として1000円です。時給1000円のスタッフでチャラです。
配達事業者と契約すると35%~40%のマージンが発生します。
*距離や効率にもよりますが、自店配達で5%~10%かかると
考えてください。
5,販売手数料 自店で販売する場合は手数料はかかりませんが、
売り場に委託して販売する場合は、売上から20%などの販売の
マージンを支払うことになります。
委託先にもよりますが、販売手数料は15%~20%が相場です。
それ以外にも、人件費や光熱費などの基本経費が20%かかります。
■割引販売率30%のシュミレーション
この場合は総生産数の30%が割引販売であり、しかも食材と容器込みで43%というやや良い経費構造の場合のシュミレーションです。
それでも、食材+包材の原価率が43%→49%に変ります。
販売管理費用が20%別途にかかることを考えれば、20%割引が
「限界割引価格」とわかると思います。
■割引販売率40%のシュミレーション
この場合は総生産数の40%が割引販売です。
食材+包材の原価率が43%→52%とさらに3%アップします。
半額の250円で売った弁当にも「20%」50円の販売マージンが
かかります。
250円-50円=200円 食材包材原価が215円なので、マイナス15円です。
■割引販売率50%のシュミレーション
この場合は、割引販売時間に購入をする格安購入客が増えた場合の
シュミレーションです。
総生産数の50%が割引販売されています。
食材+包材の原価率が43%→54%と11%も増加しています。
この11%の中に「事業を継続させる原動力となる利益」がごっそり詰まっています。
■それでも行うべき対策は?
半額で売っても50%の利益が残る「超原価安弁当を開発する」ことです
単純にわかりやすく言うと、食材原価率25%以下の弁当を開発すれば、
割引販売現場でも利益が残るということになります。
1,格安なメイン食材を選ぶ
牛豚鶏のホルモン系や豊漁の安いトロ箱魚を年間契約する
2,容器はやや豪華にする
3,売価は499円以下にする
4,本日の天候・曜日・月・季節観・景気動向を見て本日の製造数量を
決める
令和の時代は、売れる分だけしか作らない会社
しか利益が残らない と考えましょう!
無駄になることは一切切り捨ててゆきましょう。(*人以外はです)
(了)