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飲食店未来学112:新ワンオペ飲食店のメリット③~原価率が低い商売

この新ワンオペ飲食店とは、新たに増えつつある飲食店の負担をことごとくそぎ落とした形で「経営者と時々パート」で繁盛を続けるラーメン店、魚専門店、ふるさと膳料理店などのお店の謎を解明す10回シリーズです。

ワンオペ店の食材原価率が低い理由

■小さな個人店で、基本は経営者1人だけのワンオペ店は、

○店舗が狭く客席数も少ない(20席未満が多い)
曜日や天候、過去実績により、仕込み数の予測が立てやすいから食材ロスを抑えられる。

○人手がないからメニュー数が少ない
メニュー数が少ないから、オリジナルな差別化メニューとして開発できる。3アイテムの場合は、2アイテムはレギュラーメニュー、1アイテムは週替わりメニューにすると多くのメニューを必要としない。(ラーメン店など)

○必要な食材の種類が少ないため値上げの影響が少ない
中型大型レストランの10%~15%の食材の種類しか必要でなければ、そのお店の食材高騰率も当然下がります。この点がメリットです。

○売上高も大したことがない(およそ月商規模100万円前後)
従業員を雇用する売上にならないため、経営者の原価率意識の高低で、管理能力が違う。少ない売上だからこそ、食材を無駄にしない、できない。

○オーダーストップメニューをあえてつくる(数量限定メニュー)から仕込み過ぎロスが出ない
大型店と違い多くの客席数がないため、わずか3アイテムのメニューのうち、第2位や第3位の出数メニューが売り切れになっても、何ら店舗の人気度に影響しません。もし食べたいと思えば、次回来店時間を繰り上げて来店してくれますから。そこが安易に品切れにできない大型店と違います。

■生活費を少ない売上高から捻出するため、

○少ないメニューで売上を上げるため簡単調理、反復調理が基本となる

○仕入にお金を掛けられないから高級食材でなく一般食材が基本(高度な技術があれば別)

○比較的食材原価率の低い利益を稼げる料理が中心になる
多くのワンオペ店では「本能的に」そういう業種を選んでいます。

またなかには、肉料理に惚れて、肉料理店(ワインも豊富)というお店もあります。この肉料理のお店は、低温調理器を使い省力化調理を導入していました。しかしこのお店でも高級食材ほどスモールポーションにしているため、食材原価率は33%以下でした。

こういう条件が背景にあり、食材原価率を低減できています。

では、どんな業種が良いか

外食人口の減少、外食客の高齢化、外食価格の高騰によりいま飲食産業は土壇場に追い込まれています。どちらかというと、低価格系の薄利多売業態が苦戦して同士討ちを繰り返しています。(半数が滅び、資本力のある半数が生き残る=自由経済の基本、これが結果として進化の原動力となる)

節約志向を背景として見直されてきている業種があります。いずれの業種も食材原価率の目安は「34%」以下です。

焼鳥店・・・居酒屋利用からの切替え需要が多い傾向
おでん店・・前仕込みができる少人数業態。コンビニにより日常化した。
カレー店・・これも前仕込みが可能。売切りメニューも可能。
単品丼ぶり店・・自分が一番惚れぬいた丼ぶりを売る(中、大、特大)
肉うどん店・・いろいろ市内で、肉うどんだけを売る。牛肉のBC級部位を使って、大目に美味しい肉を盛る。(おろししょうがを加える店もある)

調理が簡単で提供時間が短い、もしくは事前仕込みができて加熱だけで提供できる商売が新ワンオペ店に向いています。


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(了)




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オードリー7|🥕フードビジネスクリエイター
飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします