食べ塾:鶏料理の人気3傑=チキン南蛮、唐揚、チキンカツ&店舗の新メニュー開発のコツをお伝えします!
★巻末に主に居酒屋系で提供される鶏料理の使用部位別リストを掲載して
います。 ご参考にどうぞ!
■令和時代にぴったりの鶏料理の利点
1、とにかく1kg当たりの仕入価格が肉類で一番安い!
4月の東京市場価格で、鶏モモ肉が680円/kg、ムネ肉が310円/kg
あたりで推移しており、この価格に1kg当たり50円~150円加えた価格が
飲食店に業務卸価格で納入されています。
内臓肉(レバー、すなずり、ハツ、もつ)と皮などは業務卸価格でも、
1kg当たり300円台~400円台で仕入れることができます。
2、旨い料理が多い
一番身近な食肉であり、しかも使用される多くは「国産鶏」です。
半数は冷蔵で流通し、半数は冷凍で流通していると思います。
多くのお店で数多くの料理が開発されて提供されています。
3、調理がシンプル
焼く、揚げる、炒めるなどの加熱一工程で出せる便利さがあります。
4、好き嫌いが少ないオールマイティー食材
鶏肉そのものもクセがなくタンパクで栄養豊富な食材であり、
生後50日~150日、長くて180日くらいで出荷されています。
生育期間が短く、肥育飼料代も他の家畜に比べて安いために、安価な価格で
流通していることになります。
老若男女を問わず、多くの人に好まれる食材です。
5、大量一括肥育をするのでほぼ価格が安定しています
九州では宮崎県の児湯郡を中心とした肥育や、鹿児島の肥育が
大規模肥育県と思います。
宮崎県では、昨年の鶏インフルエンザの猛威で、ムネ肉が1kg当たり
50円~100円近く値上がりした状態になっています。
日本はモモ肉中心の消費、ヨーロッパは癖がなく、より栄養価の高いムネ肉
中心の消費傾向と聞いています。
私は、個人的には、とり天やチキン南蛮そして禁断の唐揚げにも、
「ムネ肉」を使うことをお勧めしています。
6、肉の部位が多く、料理の種類が豊富
モモ肉、ムネ肉、手羽(手羽先・手羽中・手羽元)、せせり(首の肉)
モミジ(足・中華料理に使う、大分県日田市には甘辛に焚いて出す郷土料理あり)、トサカ(刺身にする)、内臓の鶏レバー、すなずり、ハツ
(心臓)、鶏もつ、卵など豊富にあります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★知っている限りでは、日本の鶏の肥育では、肥育の期間が短いことも
あり、個体の検査はされていません。(牛や豚はかなり検査されています)
一般的には、大量生産される若鶏系は、病気の防止のための抗生物質と
肥育を促進させるためのホルモン剤を与えていることは、一応知って
おいてください。
★特別に飼育管理(水、飼料、肥育環境)されている地鶏や銘柄鶏は
肥育期間も長く、もっと良い肥育環境にあると受け止めています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
鶏料理3傑~1 チキン南蛮
大分県内のHPから拝借した画像です。
チキン南蛮は宮崎県日向市のお店が最初に出したと言われています。
宮崎県内のお店に劣らず、大分県の飲食店でも大半のお店がチキン南蛮を
出しており、FRのジョイフルさんが自社のメニューに加えて、さらに
全国に広まったのではと思います。
チキン南蛮は、
揚げ物なのに、酢の効いた南蛮だれに揚げたてをジャボンと浸けて、
引上げてすぐに熱々をカットして盛る、さっぱり美味しい料理です。
・・・差別化要素は、
●自家製タルタルソースかどうか?
●タルタルソースがたっぷりかどうか? です。
<チキン南蛮は2種類の形状あり>
鶏のむね肉を使いますが、1枚物でも立て半割で120gあたりでも
充分にボリュームがあります。
お店によっては、モモ肉も使います。
●形状1 1枚物で出す ボリューム感を出す形状(カットして出す)
●形状2 3~4カットしたものを揚げて出す(盛るだけ)
*ハンバーグのデミソースのように手前半分にたっぷりタルタルを!
<メニュー展開>
●チキン南蛮定食
●ワンプレートランチ →チキン南蛮+(生姜焼き、ピカタ、海鮮フライ等)
●チキン南蛮丼
●チキン南蛮のせカレー
●チキン南蛮のせピラフ
●チキン南蛮弁当
●チキン南蛮サンド
鶏料理3傑~2 唐揚げ
唐揚発祥地の宇佐市関連のHPから拝借しました
私が業務販売の唐揚げを知ったのは、40数年前のまだ飲食店に冷蔵庫が余り普及していない時代に、
中津市耶馬渓でおばあちゃんが一人で唐揚げを売っていて1か月に100万円の
大儲けをしているという話を聞いて、仕事の合間に買いに走ったのが
最初でした。(*中津市の森山唐揚の前身だったお店です)
当時では、
冷蔵庫がないお店ですから、にんにくをたっぷり効かせて肉の鮮度劣化を
胡麻化して売っている状態?で、しかもその当時は、骨の付いたモモ肉の
ぶつ切りを揚げたものでした。(*美味しいかったですね)
<唐揚げの組み方バリエーション>
●国産鶏モモの唐揚 100g売りで200円~220円が多い
●ブラジルなど輸入鶏モモの唐揚 〃 1900円台以下が多い
●国産鶏ムネ肉の唐揚
●国産鶏モモ肉とムネ肉のMIX
<味つけの傾向とバリエーション>
初期から10数年はにんにく醤油ベースの唐揚げでしたが、近年は塩唐揚げに
中心が移ってきており、しかも健康志向の影響で、
「旨味を加味して塩気を減らす」方向の塩唐揚に変わりつつあります。
(*専門店になるほど冷めてもおいしいをモットーに塩を効かせすぎ)
●にんにく醤油味 ニンニクの使う度合いが少ない~多いあり
●塩味 使う潮の種類のこだわりあり
●ピリ辛 コチュジャン系、四川豆板醤系、チリペッパー系
●カレー味
●ゆず胡椒味
●青海苔味
など様々に創作できます。
唐揚丼、唐揚げを使った酢鶏(酢豚の唐揚げ版)も重宝です。
鶏料理3傑~3 チキンカツ
肉のやまよしさんのHPからお借りしました(衣パリサクッ!)
チキンカツというと人によってはなーんだ!という方もいるかもしれませんが、
鶏の新鮮なむね肉を魔法の水(塩と砂糖と水の調味液)に浸漬させたものを
低温揚げ+高温揚げにして、パン粉も自家製生パン粉にこだわれば、
「立派な料理作品」になります。
<売れてるお店の名称の打ち出し方>
●ジャンボカツ
●わらじカツ
*チキンと表示していない方法の所が多いかもしれません。
<メニュー展開>
●ジャンボカツ丼
●ジャンボカツカレー
●わらじカツ3段重ね丼
など。
新メニュー開発のコツ
1、短期で一挙に売上げる「短命型メニュー開発」のコツ
オリジナリティーを強く打ち出す方法にする
①大きさを大きくする→ジャンボサイズ・大盛にする
②味わいと濃く・強くする
③価格を相場価格イメージより20%以上安く売る
2、長期にジワジワ売上貢献度を増す「長命型メニュー開発」のコツ
来店客の80%の人が料理をイメージできる料理をベースにする
①みんなが慣れ親しんでよく知っている料理をベースに、プラス
「ここがうちのオリジナルなところです」を加えて完成させる。
②その地域しか手に入らない銘柄食材を使う
③オリジナルな商品名にする
④こだわりの味や手間暇かけるタレ、ソース、味づくりをアピールする
*知名度づくりを「年単位」で作り込む(*5年以上かけるとOKレベル)
鶏料理部位別参考メニューリスト
新たなメニュー作りのご参考になれば幸いです。(オードリー7)
(了)
飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします