飲食店未来学2:専門料理部門をつくる、特定食材料理専門店になる、特定料理の専業店になることで活路がひらけます
🍉飲食店で食事をすることは対価を払って 「贅沢な時間を過ごす」時代になる
●江戸時代中期以降~幕末まで
武士やお金持ちの町人は、茶屋、料亭を利用していた。
魚料理屋、鍋料理屋、手打ちそば屋(来店してからそばを打つ)など。
庶民は「屋台」や「煮売り屋」(初期の居酒屋業態みたいなもの)を
利用していた。(二八そば、にぎり寿司、鰻焼きなど)
●昭和後期~令和4年春まで
コロナの3年間とウクライナ戦争の1年間でまったく飲食業の環境は変わりました。
●令和5年の今
飲食業界を応援する身としては、「外食は敵だ」(お金を使う対象)とまではまだなっていませんが、収入が乏しくなった高齢者層や子育てにお金のかかる若年世帯主家庭ほど、外食はしなくなったと思います。
<令和5年夏の特徴>
1,お金を使わない
①外食回数が以前より減った
②外食予算を以前より抑えめにしている
③2軒目以降のハシゴをしなくなった
2,値上げが止まらない
①値上げしても1年持たない、また原価が上がる悪循環
②何度も小刻みに仕入価格が上がるからきりがない
③令和4年度よりも5年度の方がもっと値上がりしている
3,家計のエンゲル係数がどんどん上がっている
①スーパー1回の食材購入が1000円~1500円増えた
(私の個人的な実感です)
②肉も魚も野菜もすべて価格は高止まりしている
③外食予算はますます先細りする
🍉食事の仕方を5分類してみた
あなたのランチのタイプはどれですか?
おおむね、1,2,3は1食あたり「500円」以下です。
コンビニの駐車場で弁当やおにぎり、パンやカップ麺を食べている風景もよく見ます。
皆さんしっかり我慢しつつも予算内でいろいろ工夫しています。
おにぎり2個だけというのも見かけます。(自家製もありですね)
🍉食材値上げでますます食事は2極化する
500円以下食と1000円超え食に分かれると予測しています。
●2のコンビニ食や3の職域デリバリー弁当、テイクアウト弁当が、
食材の値上がりとともに、500円の壁を越えてくると、
金銭を使えない、使わない人達は、
パン食やおにぎり食、格安職域デリバリー食(499円以下)に向かうと
予測しています。
●4の外食予算999円以下食は、吉野家さんや松屋さん、すき家さんのような 使い勝手の良い業態が、500円の壁を越えてくると利用者減が予測されます。
「牛丼で500円以下だからお値打ち感がある」
それが「親子丼」だったら、わざわざ行く必要もない。
急激な食材の値上げで「業態破壊」が起こっています。
牛丼店も、ファミレスも、回転寿しも
その業態破壊の波を受けて苦戦しています
「食材の高騰」と「再値上げできない苦しさ」の
2つの壁で挟まれているのです
ではどのようにして切り抜け、未来へ進むことができるのか?
これからが結論となる本論です。(長い文章ではありません)
🍉一般店・総合的メニューの飲食店から
脱皮する
ここ数年間飲食店の先行きを研究してみてわかったことは、
埋没を避けて、外食人口が半分になっても「行きたいお店」に
なることだと、いろいろな方面からの傾向見ても
同じ結論に行き着きました
●専門店的メニュー部門をつくる
多くの食材を使って、多くの調理手段があるのに、1~2人で懸命に
料理をつくる仕組みは、あまりに事業の継続性が希薄です。
多くのメニューを30%~50%減らして、特定の食材を使った
専門料理の1部門を立ち上げましょう。
売上を落とさずに、店舗の魅力を強化するためです。
●特定食材料理専門店になる
銘柄月の牛の句、豚肉、鶏肉、ジビエ、羊肉、特定の魚名などの
特定の食材に的を絞った「料理専門店」にする。
もすでにこの業態は多くありますが、いずれも苦戦しています。
なぜでしょうか?
原因は2つあります。
・団体の宴会受注志向がある
・酒類依存型売上志向がある
この旧来からの2つの思い込みが経営転換を阻んでいるのです。
また、ホールサービスをする女性や男性スタッフの人件費を
「有料サービス化」することも必要です。
・ホールスタッフの調理補助を求めるお客様
・ホールスタッフの補助を特別求めないお客様
に分ければ、ホールスタッフの1/2の人件費はお客様から
払っていただけます。
水が有料になっても目に見えないホールサービスは無料のままです。
●特定料理の専業店になる
すき焼きで有名なお店、鰻のかば焼きで有名なお店、親子丼で有名な
お店。厚切りのふっくらトンカツで有名なお店。
私が強いなと思う究極のお店は、一品の単品料理の売上が80%位になる
お店です。
・食材にこだわる
・作り方にこだわる
・売り方にこだわる(これは大切)*売れればどうでもいいはダメ
・売るお客様にこだわる(これは大切)*誰でも売れればいいはダメ
何十年も長く売り続けるためには、売り方にこだわり、売るお客にこだわらないといけないと思います。
50年、100年と息の長い老舗の飲食店は、これを守っておられます。
ホッとした休憩時間にでも、こういうことも考えてみてください。
食べログの飲食店向けお役立ちコンテンツは私も一部監修で参加させていただいているコンテンツです。
よろしければ、ご覧ください。
(了)