食べ塾:確実に変わる飲食業界の8つの新常識!?ご存じですか?
経営者や支援するコンサルタントは、関わる会社や組織が繁栄することを目的に日々知恵を絞って努力を重ねています。
今や、長期に渡り飲食業界の常識だったものが、
どんどん常識でなくなってきていることに気づかされます。
ひとつひとつ検証してみましょう!
貴方はどのように思いますか?・・・・・・・・・・
■変化1:「店舗が大きくないと儲からない」
はコストの下がらない仕組みに変わる!
確かに月商1000万円以上のお店は、店舗が大きくないと
週末のピーク時の需要を取り込んで売上に結びつけるためには、
大きな店舗でないと売上が上がりませんし、利益も多くありません。
しかし、大まかには坪数50坪未満の個人店や小規模グループ店に
おいては、店舗が小さくても売上も利益も上げることができます。
●営業時間の変更と売上対策
〇営業時間短縮と作業効率化~人件費と水道光熱費の節減。
, 及び集中的な個数売上アップ対策を行う。
*メニュー数を2~3種類に絞って店内とテイクアウトで集中販売。
半分の数量をスマホ予約で販売したい。(来店・テイクアウト)
〇営業時間延長と多角経営化~昼だけ、夜だけ、深夜だけ最小人数で、
テイクアウト・デリバリーをプラス営業する。
●定休日の廃止~日商平均値計算で月商が「13%」アップする。
●売上の減少時代に入ってきているので、売上が下がれば家賃比率が
相対的に10%比率を超えてくると危険水域です!
現状の売上ベースで家賃比率が10%の場合は、先々10%を超えてくる
と、利益分が消滅してくることになります。
売上高100万円 家賃 10万円 比率10%
〃 85万円 〃 10万円 〃11.76%
*繁盛営業店舗の家賃適正比率は「売上対比8%~10%」が目安です。
家賃の総額(税込)が「適正か重すぎないかを見極める」必要が
あります。
重すぎる場合は、もっと売上を上げて10%比率以下にするか、
賃料の低い場所へ店舗の移転を行うかの選択が必要になります。
→ 退店意向を伝えると、賃借料が20%~30%下がる例もあります。
■変化2:「従業員が標準人数いないと仕事が
できない」は贅沢人件費の仕組みになる!
まさしく昭和の時代と平成25年くらいまでの考え方と思います。
今や売上が変動しても、従業員の大きな変動(削減・雇用)は
許されません。
アルバイト1名確保に数十万円、社員1名確保に数百万円かかる時代です。
確保するために大金を使っても、辞める時はメールひとつです。
人事募集費は必要経費ですが、「純利益」からの捻出経費になります。
従業員さんを「少人数」で仕事を行えるように、仕組みを変えるべきです。
職場の仕組みを大胆に「半分のボリューム」にすべきです。
*煩雑な仕組みをシンプルにすることで、スキルダウンしてもこなせる
くらいに単純化することが、これからは必要になります。
(従業員さんが多ければ多いほど)
●生活できる給与絶対額の支給が必要です
●スキルアップのための教育費・人事管理費がかかります
●責任者が個別の相談にのれる時間がなかなか取れないのが実情です
●職務のポジションが多いほど兼務できる人は少ないのでシフトの配置に
困ることになります
従業員さんが潤沢にいなくても売上できて、利益が取れるためには、
「メニューの内容と仕組みを少人数型に変更する」ことが必要です。
■変化3:「厨房機器も空調機器も壊れるまで
使う!」は電気代垂れ流しに変わる!
ダメ押しで加えた項目です。儲からないから節約するは、
本来良い考えと思っていますが、
「10年前の機種は今の省エネ型機器の1/3~1/4の消費電力」
ということを考えれば、
ほぼ家賃と同クラスの「電気料金」など水光費を半減させるためには、
機器の入替え(リースも)と照明のLED化は行うべきと思います。
高齢の経営者の方ほど、
自分の経営期間はこれでいいと、変えない判断をされる方が多い
と思います。
よって、身の回りには、会社が古い、店舗が古い、従業員が高齢者が多い
機器が古い、運営システムが古い、「古さの詰まった」お店が多くなり、
そのしわ寄せがすべて後継者にのしかかる「構造」になってきている
と感じています。
■変化4:「食材原価率35%以上はかけないと
いけない」は放漫経営と判断される時代になる!
お客様が多人数際限なくご来店される時代は、35%でも40%でも
食材原価率をかけても、大きな利益が出ていました。
なにしろ、飲食店舗数も今の半分以下なので、競合店もさほど多くなかった時代です。
でも、今は食材原価率を30%~33%にして「利益を出す」時代です。
●欠員の従業員の補充できる自人件費のねん出ができない
●何年たっても、給与も時給も上げる金銭的余裕がない
●故障の多い機器や設備を修理の繰り返しで我慢して使っている
●従業員の教育研修も行える資金の余裕がない
●少ないスタッフで休みも満足に取れない
ことになり、
お客様目線で見ると、料理満足感は35%以上かけると保てますが、
従業員の調理力・接遇力・モチベーションのあり方での満足度が下がれば、
結局、リピート力の低下になってしまいます。
■変化5:「メニュー数は多ければ多いほど儲かる」
は非効率でロスの多い考え方と言われます!
「好きな料理が多くのメニューからいくらでも選べる」ことは、
本当は良いことです。
これを作り上げたオーナーシェフはこなせます。
これを作り上げた調理長はこなせます。
でも、後継者や後継調理長には負担の大きい話です。
●食材の仕入れ管理が大変
●食材の鮮度管理が大変
●美味しさの維持と均一さが大変
●仕入れ価格の変動に対応する売価管理が大変
●より多くの食器をストックするのが大変
こんな大変さを抱えると、次に受け持つ人が「合格ラインの働き」を
してくれないと、メニューを大幅に縮小せざるを得ません。
本来は、
調理スタッフの技量、店舗の席数、客層に適正なメニュー数で、
「当店のおすすめはこの料理群です!」というのが、
メニューに表示する内容と思っています。
■変化6:「実務に強ければ計数管理ができなくても黒字経営できる!」がそうじゃなくなる!
もう10年でなく20年も前から、事業の計画性と見通しがなければ
健全な成長と収益を得られない飲食業界なのですが、
私の知っている年商8億円の会社は、未だに「短期経営計画」すらも
ありません。
あるのは、「今年度の売上目標」だけです。
●短期経営計画 向う3~5年間の事業計画(ビジョンと利益計画)
●中期経営計画 〃5~8年間の 〃
●長期経営計画 〃10年間の 〃
年数設定のニュアンスの差はあっても、
経営者の意向や会社のしての意向を反映して、
「飲食企業だからこそ」(水に流されないために)作成すべきです。
高齢経営者ほど、
過去の成功事例に依存し、古い経営感覚に重きを置いた「どんぶり勘定」
感覚を主軸にした経営をされていることが多く見受けます。
*よって、事業承継のバトンタッチ期間に、経営者と後継者の確執が
ほぼあることは、あって当たり前と思います。
■変化7:「飲食業界は3K(きつい・汚い・危険)
と長時間労働は当たり前の業界だ!」が
一般企業と同列の労働条件に変わる!
これはもう、若い経営者にどんどん世代交代している飲食業界に
おいては、大きく改善されつつあることです。
しかし、個人の単独店レベルでは、なかなかそうもゆきません。
●給与レベル ・・・収入の差をなくし、応募と定着を図る
●休日のあり方 ・・・各週休2日制~完全週休2日制に
希望休日制重視ほか
●労働時間の短縮 ・・・12時間が10時間に、そして9時間以下に
●労働環境の整備 ・・・社会保険、作業場の温度管理、休憩時間管理
などが、中堅飲食企業以上の店舗から、一般企業に準じた雇用の総合条件に
変わりつつあると思います。
■変化8:「できるだけお金をかけずに儲かるように
経営する」方法で、利益を生む時代になる!
◆お金をかけたらいけないところ
●店舗の内装費用
ローカルエリアの計算でも、1坪当たり40万円~100万円はかかる
ことになります。
目標は、半分の経費でいかにつくるかです。
そして、今の外食客の多くは、「店舗の内装度」は金額に反映しない
無縁なものととらえる傾向があります。
●厨房設備費用(空調機器も)
これも、すべてネットや専門業者の中古品でまかなうところもあります。
冷蔵・冷凍・製氷機・食洗器などは、品番で検索して、
製造後5か年以内のものであれば良いかと思います。
(*10年を経過したものは、1年以内に壊れることがあります)
◆お金をかけないといけないところ
●お客様の目線の高さの装飾物(絵・タペストリー・ウォールライト等)
●食器 (お客様が手に触れるから)
●カトラリー・シルバー類・箸・グラス類・レンゲ (同上)
●メニューブック (売上を作る大切なグッズです)
●女性用トイレ
●データの取れるレジスター(エアレジでもOK)
経営方針を決める際の詳細な計数データが手に入ります。
●省エネ、省力化機器
人間の応援をしてくれて、カバーしてくれる機器。
ひとつでも、そうだなと思ったら、変更することを考えてみましょう。
(了)