わたしが経験した在宅医療
【現役産婆うっしーの神官見習い日記.20】
朝晩の空気がようやく秋めいてきましたね。
8月のあたまに義母の体調が悪くなってから義母の希望を汲んで
家での看取りを選択しました。
在宅医療
これまで、私は人の人生の最初のステージ「いのちのはじまり」の部分でお仕事してきました。
なので、「いのちのおわり」のステージはあんまり縁がなくてですね……
出産には1000名以上立ち会ってきたのに対し、
患者様の呼吸と心臓が目前で停止するという「死」の瞬間には、
実はまだひとりも立ち会った経験がナイのです。
「おくりびと」ではなく「むかえびと」
今回こそは、「義母の今世のいのちが終わる瞬間を一緒に見届けられる」と思っていました。
だけど、
義母はひとりで静かに眠るように息を引き取りました。
在宅医療のDrは、予め私たち家族に説明してくれていました。
「たとえ、息を引き取る瞬間に立ち会えなくても、ひとりで逝かせてしまったと思い悩まなくていいんですよ」と。
ひとりで穏やかに、静かに迎える最期もある。
そこに至るまでにご本人が苦痛なく、好きな場所で、好きなように最期を迎えられるようにしてあげること。
そうすることで、安心させてあげられると。
こんな感じの事を言ってもらえていたので、
実際に義母はひとりであっという間に旅立ってしまったものの、
「最期にそばに居てあげられなくて残念」とか、「ひとりで逝かせて申し訳なかったな」とか、そういう感覚にはなりませんでした。
まぁ、そもそも、思い立ったら周りが何と言おうと、
さっさと実行する方でしたから(;^ω^)
きっと、動けなくなった自分のカラダをゆらゆらと幽体離脱しながら眺めてみて
「あら、このカラダ、もう動けないじゃないの?じゃ次に行きましょう!」
って
決めたらサクッと80年間使ってきたカラダから離れたんだと思います。
「決めたら動く!」竹を割ったような性格だった、義母らしい最期でした。
今回義母の意向をきっかけに在宅医療について知ることができました。
義母本人だけでなく、私たち家族をもしっかりサポートしてくれた訪問診療・訪問看護チーム、ケアマネさん、医療福祉用具担当、生活支援のヘルパーさん、薬剤師さん、訪問入浴の事業所の方々など、
ほんとにたくさんの方々が在宅医療を支えてくれていることを知りました。
私たち家族が安心して介護できるよう食事のことやオムツ交換、身体拭き、洗面、歯磨き、痛みやだるさを取る薬を使うタイミングのアドバイスまで、
徹底的に行き届いた支援を受けられたので、なにも不安を感じることがなく過ごせました。
そして、定期的に来て下さる看護師さんとも医療職あるあるのぶっちゃけた話しができ、
私が同時期に抱えていた学会発表の進捗状況や学会に参加できるか?というプライベートな相談まで乗っていただき、ほんとに助かりました。
特に、義母の住んでいた地域には在宅医療にかかわる若いDr達が自主的に研鑽を積んで地域に貢献するべく、
進化した在宅医療チームをつくって実践されているという事をお聞きしました。
そのチームワークの情報伝達の素早さ、的確さは秀逸でした。
義母と家族がどんな状況であるかをどのスタッフも把握してくれていたので
私たち家族も何度も同じ話をする必要もなく、とてもラク。
訪問診療に何度も来てくれたチームの中心となっているDrが1冊の本をプレゼントしてくれました。
なんとめでたいご臨終②
「家で笑って生きたいあなたへ」
日本在宅ホスピス協会会長 小笠原文雄著 小学館
この書籍には、在宅医の選び方や在宅医療にかかる費用についても詳しく書かれています。
ここに書いてある様なチーム医療を目指していると。
とてもココロがあったかくなる在宅医療のケースがたくさん載っていました。
日本全国どこの地域でもここに書かれているようなケースばかりではないとは思いますが、
大切な人を笑顔で、住み慣れた自宅で見送りたいという人たちの願いを叶えようと日々邁進し、活躍している医療関係者・コメディカルスタッフがいることを知っていただけたら幸いです。
この場を借りて
義母の看取りをきっかけに「いい仕事してるな~」と感じさせてくれた
楠本内科医院さんの在宅診療チームに心より感謝いたします。
分野は違えど、私も医療関係者のひとりとして感銘を受けましたので
わたしも今後の仕事に活かしていきたいと思います。
ありがとうございます。
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