麻生田町大橋遺跡 土偶A 15:光の中の鍵を持った手
豊川市御津町(みとちょう)の穴観音古墳から南東1kmあたりに位置する御津船山古墳に向かうことにしましたが、そこに向かう前に、穴観音古墳の東北東500m以内に国府七福神があることに気づいたので、寄っていくことにしました。土偶と関係の深いものとみている弁財天が祀られている可能性があるからです。穴観音古墳と国府七福神の間は自然林で塞がれており、南側から東側に迂回して戻ってくる感じで向かうしかありませんでした。
林道に入り、ちょっとした峠を越え、丘陵の麓にある住宅街に降りて行くような形で住宅の点在する場所に下り、西に向かうと、住宅の間を抜ける非常に複雑な道となり、道路はスイッチバック状に国府七福神に向かって下っていた。
その入り口のように西に向かう道路の右手に常夜灯とその根元に三州瓦の小祠が置かれていた。
銅板葺の常夜灯の竿には「国府七福神」と刻まれている。
常夜灯も小祠も、さほど旧いものではないようだ。
常夜灯から先に10数mで、やはり道路の右脇に「国府七福神霊場」と刻まれた、まだ新しい石標があり、高さ50cmほどのブロック塀が築かれ、その塀越しに7体の石像の後頭部が並んでいた。
地形は奥に向かって低くなっており、公園や住宅が見える。
そこからさらに常夜灯が点在する丘陵の中腹に沿った道を140m近く走って住宅の間に入り、戻ってくる形で、さらに100m以内で、さっき見えていた公園の入り口に着いた。
愛車を公園沿いに駐めて、公園内に入り、突っ切ると、整地されていない草原となっており、その入り口脇にも「国府七福神霊場」と刻まれた石標が立てられ、奥の丘の上に、さっき後頭部を見てきた石像が7体並んでいた。
草原を登って行くと七福神の石像が基壇の上に並んでいた。
石像に汚れはほとんど無く、近年になって奉られたものであることが解る。
それにしても石像しか無く、「霊場」の雰囲気はまるで無い。
弁財天像は右端にあり、琵琶を弾く立像だった。
小生の知人に琵琶奏者の女性がいる。
彼女は夫の転勤で幼児と3人で、仙台から東京の石神井(しゃくじい)にある社宅に引っ越してきたのだが、夫がリストラとなり、社宅を出なければいけなくなったが、金も宛ても無く、公団の抽選に申し込んだものの、当選する確証は無く、もし当選しなければ一家で路頭に迷う状況だったという。
彼女は信心の無い人で、神社に参拝する習慣は無かったというが、困り果てて石神井公園内にある厳島神社に参拝し、公団が当たるように祈ったという。
この厳島神社の本殿には市杵島姫命も祀られているが、境内には穴弁天が祀られている。
公団の抽選の発表がある前、彼女は夢を見た。
眩しくて真っ白な塊にしか見えない光の中から鍵を持った白い女性の手が延びてきたので、彼女はその鍵を受け取った。
見えたのは手だけで衣類は眩しくて見えなかったという。
非常に短い単純な夢だが、その鍵が公団の鍵であったことは言うまでもない。
そうした不思議な話はともかく、7体の石像の足元を見ると、割り取った基壇が像と一体になったまま残っており、どこかに奉られていた石像を、7体繋がった基壇のまま運べないことから、割り取って、1体づつ運んできたことが推測できた。
この7体の七福神像に関する情報は見当たらない。
この地は丘陵と音羽川(おとわがわ)によって、外部から隔離された傾斜地に存在するのだが、かつて昭和の終わりころまでは国府温泉(こうおんせん)が存在していたという。
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国府(こう)には温泉があったことから歓楽街があり、国府観音を始めとして寺院や半僧坊が奉られ、こうした環境からはクリエイターや芸能人が出やすいのだが、国府出身の俳優として渡辺いっけいという非常に癖の強い俳優がいます。
主人公を言葉で精神的に追い詰める憎たらしい刑事などを演じると、武田鉄矢と双璧をなす俳優さんです。
『ストロベリーナイト』で竹内結子演じる刑事課の班長を務める姫川玲子を「お嬢ちゃん」「お姫様」と呼んでパワハラを決めていた上司役など、代表的な役柄です。