御用地遺跡 土偶 7:スターマークは神か
もしかすると、ネットに繋がらない可能性のある山奥に1週間ほど行く予定があったので、読破するのに時間のかかる書籍を借りようと、超久しぶりに中央図書館に向かいました。
下記の図版にあるような、後頭部結髪(けっぱつ)土偶の顔面に入っている入墨とみられる✖️に横棒が1本加えられた文にはどんな意味があるのか気になっていた。
図書館で「古代」の棚を眺めていると『最古の文字なのか?』という気になるタイトルが目に飛び込んできた。
手に取って見ると、表表紙や背表紙に後頭部結髪土偶の入墨文と共通する記号が入っていた(下記写真:表紙左上)。
ここでは✖️に縦棒が1本加えられた記号(「Asterisuk」星形とネームが付いている)が取り上げられているが、横棒が1本加えられている記号も存在する。
表表紙と裏表紙の書名や著者名などの他の部分は様々な記号で埋め尽くされていた。
『最古の文字なのか?』と問われたものは表紙に飾られたヨーロッパ各地に存在する氷河期の洞窟に残された32種の記号だった。
『最古の文字なのか?』の著者ジュネビーブ・ボン・ベッツィンガーはヨーロッパ全体、368ヶ所の氷河期の間に洞窟に残された記号を初めてデータベース化した結果、記号の数は下記の32種の記号に収劍されるという結論を得るが、その氷河期の長さというのは実に3万年なのだ。
ヨーロッパ全体に分布していた人類は例外的な(地域特有な?)記号を除けば、3万年もの間に、たった32種類の記号しか使用しなかったことが判明したのだ。
氷河期の間、ヨーロッパの人類は32種類以外の新たな記号を必要としなかったのだ。
ただ、このことに関してはなぜという答えは出ていない。
上記図版内の「フィンガーフルーティング」とは指で擦って描いた記号のことだ。
ちなみに、上記の記号の中で最古の記号は「手の陰画」だというが、この記号は1,3000年前には使用されなくなったという。
✖️に縦棒が1本加えられた記号(以下「星形」)は壁画以外のものに、例外的に見つかっている。
1,6000年前、一人の25才の女性が現在のフランスで亡くなった。
この時代は日本列島では縄文時代最初期に当たる。
当時は現在のフランス北部まで高さ1600mの氷河が押し寄せていたという。
その女性は蛇行する川を見下ろす、見晴らしの良い斜面の岩陰の奥にある墓に手厚く葬られていた。
副葬品は刻印具や食べ物など多種だったが、彼女の首には71本の鹿の歯で製作された首飾りが巻かれていたが、その歯には以下の写真のように星形の記号が刻まれているものが2点含まれている。
この女性の関係者が同じ記号を記入している洞窟の存在も判っている。
ところで、「星形の記号」は何を意味するのか。
それは『最古の文字なのか?』では判明していなかった。
ただ、ベッツィンガーは、なぜ太陽と月が記号化されていないのか不思議がっている。
氷河期が終わった100万年後、中近東で最古の都市文明シュメールが興った。
このシュメールには楔形文字が存在するが、その中に以下中央のような✖️に十字形を加えた楔形文字が存在する。
この文字は「ディンギル」と呼ばれ、「神」を意味する。
この文字の原型となっているのは、私見では日本の弁財天やイザナミと関係があると見ているイナンナの系譜と地母神の血を引く女神イシュタルを表す記号だ。
「星神」とも呼ばれることから、ヨーロッパの氷河期に使用された「星形の記号」と同じ系譜のものとみることもできる。
「星形の記号」を「神」と解釈するなら、32種の記号の中に太陽と月が含まれていなくても不思議ではなくなる。
氷河期に天体の記号は必要とされていなかった。
氷河期の暗黒の洞窟内で認識できる光は天体の星ではなく、自分の内なる光だったのかもしれない。
そして、ディンギルと同じ系譜のものは現代にも存在する。
フォントの約物(意味を持つ記号)である「アスタリスク」だ。
アスタリスクの言語の意味は「小さい星」(ラテン語経由の古代ギリシア語)で、日本では「星印」などと呼ばれ、「約物*」のように脚注の対象となる字句の右肩に付けて使用される。
ところで、32種の氷河期ヨーロッパの記号の中で現代の電話のダイアルに記されているのが「星形」と「格子形」だ。
300万年前の記号、あるいはその記号と相似な記号はこんなところに生き残っていたのだ。
日本ではスターマークを以下のように呼んでいる。
星形=米印(正しくは「スターマーク」)
格子形=シャープ
正確には米印は「※」である。
そしてスターマークは後頭部結髪土偶の顔面入墨と相似な形状だ。
他にもブルガリア発祥のキリル文字(ロシア語アルファベット)の中にスターマークに似た文字「Ӿ」が存在する。
『最古の文字なのか?』では古代人と現代人を結ぶツールが紹介されている。
それは“トランス状態”だ。
知識や体験に左右されないトランス状態になった状況は古代人と現代人の間に差が無いから、時代を超えて同じものを感じたり、見たりできる可能性がある。
最近の神経心理学研究によれば、トランス状態(意識変容状態)にある人には一定の抽象図形が見えることが判明したという。
つまり、氷河期に壁画を描いている人間がトランス状態を経験していれば、壁画の記号にトランス状態で見えた記号を記録する可能性があることになる。
デイヴィッド・ルイス=ウイリアムズらが氷河期の芸術にシャーマンの視覚現象から生まれたものであるという考えの根拠として挙げた、内視現象で観られる七つの幾何学図形が以下だ。
上記の七つの幾何学図形は、全部ベッツィンガーの整理した32種の記号に含まれていると見ていいだろう。
この七つの幾何学図形を見ていて、透視やテレパシーの実験に使用されるESPカードと共通しているのではないかと思ったので以下に確認してみた。
5枚のカードのうちで七つの幾何学図形にも32種の記号にも存在するのが「ジグザグ」であり、32種の記号の中の「円」はESPカードにも存在することが判かる。
星形はESPカードに存在するが形態が大きく異なる。
つまり、40%が内視現象で観られる七つの幾何学図形と一致していることになる。
上記の記事を書いて10日後、32種の記号、内視現象で観られる七つの幾何学図形、ESPカードの3つに含まれる「ジグザグ」が自分の星座、水瓶座のマークであることに気づいた!!
◼️◼️◼️◼️
ダイアルの米ボタンが神である可能性があったとは。
『最古の文字なのか?』に出会うまでは後頭部結髪土偶の入墨紋と相似な記号が自分の携帯電話のボタンに記されていることに思い当たることは無かった。
ところで、個人的には瞑想中に見たと言えるものは七つの幾何学図形のうち、半円と点かもしれない。
しかし、自分の体験ではトランス状態(?)で見えるものは流動的な映像であり、こうしたくっきりした記号ではない。
ただ、意識が変容していく状態の中で見えるものを人に説明しようとすると、七つの幾何学図形のように提示するしかないのかもしれない。
映画を記号で説明するようなものだからだ。
映画を楽しんでいる時は現実には起きていないことを意識を変容しながら、受け止めているわけなので、トランス状態に似た状況であることは確かだと思われる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?