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麻生田町大橋遺跡 土偶A 32:符丁「×」
この回の記事で豊川市砥鹿神社(とがじんじゃ)奥宮参拝は最終回です。
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砥鹿神社奥宮拝殿前からの眺望は社叢に遮られていたが、その隙間から東方向だけは見下ろすことができた。
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自動販売機や手洗いを探すために、拝殿東脇を抜けて、本殿の裏面に向かうと、その参道は11年前に参拝に来た時の脇参道であることが確認できた。
本殿裏面の石垣の下には荒羽々気神社(あらはばきじんじゃ)とは真逆な大己貴命和魂(オオアナムチのみことニギタマ)を祀った守見殿神社(もりみでんじんじゃ)が祀られていた。
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拝殿の向いている環境の良い場所に、大己貴命荒魂(荒羽々気神社)が祀られているのに比して、大己貴命和魂は本殿裏の隙間に祀られているようで、理不尽な感じがする。
守見殿神社の頭上には高い石垣の上に檜皮葺流造の奥宮裏面が望める。
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守見殿神社のすぐ先に自動販売機や手洗い、県警宿舎などがあった。
県警宿舎前の石垣に腰掛けて、予定していた本宮山山頂まで登るかどうか検討した。
ここから山頂までは地図上の距離では500mに過ぎないのだが、路面がどんな状況になっているのか不明で、自分の両脚はとっくに限度を超えていた。
山頂にまで登ってしまうと、往復の1kmで1時間近く掛かってしまう可能性もあり、下山の途中で陽が落ちてしまう可能性があると考えた。
で、山頂は登ったことが無いので登りたかったのだが、下山を選択した。
下山のコースは国見岩や岩戸神社に寄って下山する別コースを予定していたのだが、荒羽々気神社にお神酒を上げなければならないので、登ってきた表参道を戻ることにした。
それで、脇参道の様子は11年前の写真で以下に紹介する。
と言っても、見るべきものは鳥居と社号標と社叢しか存在しないが。
奥宮の北側には本宮山スカイラインが通っており、その周辺に参拝者用の駐車場が存在する。
大きな砥鹿神社奥宮の案内板のある駐車場から奥宮に向かうと、芝生の張られた美しい広場があり、森の入り口に朱の鳥居が建てられている。
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この一ノ鳥居をくぐると、社叢内にある石鳥居と社号標が見えてくる。
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二ノ鳥居をくぐると、参道は右手に少し折れ、行く手に朱の大鳥居が見えてくる。
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この大鳥居は表参道の一ノ鳥居や里宮の大鳥居より大きく、おそらく、本宮山スカイライン開通に伴って建てられたものだろうか。
もしかすると、本宮山スカイライン、あるいは本宮山山頂から望めるのかもしれない。
奥宮拝殿前の石段に戻り、下山を開始した。
途中、登ってくるときには気づかなかった、巨石に遭遇した。
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さらに下山をしたのだが、表参道の右手にあるはずの境内社荒羽々気神社と遭遇しなかった。
かなり、下って荒羽々気神社を通り過ぎたと確信を持てた時には、すでに再び表参道を戻るために登る気力は無かった。
荒羽々気神社の社殿は小さなものではなく、石灯籠も参道脇に立っているので、見過ごすことはあり得ないのに不思議だ。
脇を通った時、何か考え事に集中していたのだろうか。
ともかく、上げに来たお神酒は持って帰ることになってしまった。
今回は荒羽々気神に拒否られた感じだ。
何で?あんたにお神酒を上げに来たのに。
下山は踏む石が大きいことから、上りは難儀だが、下りのスピードは早かった。
ただ、そのぶん両脚へのダメージはすごく大きかった。
下山の途中、登ってくる時には気づかなかった石積があった。
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表参道を登るのに邪魔になる石を集めたのだろうか。
それにしては他にこういうものは見ていない。
もしかすると、動物の遺骸を埋めるための処置なのだろうか。
ここで、道具無しで穴を掘るのも、焼却するのも無理だ。
ネバダ州でホピ族の墓地を見た時、この何倍も大きいが、同じような石積みがいくつも並んでいた。
ネバダ州の砂漠は乾燥しているので、火葬の必要が無いのだが、火葬しようにも樹木は一切生えていない。
それでも各石積みには毎朝、美しい生花が生けられており、生花と乾燥した石積みの対比から、生涯で見た、もっとも美しい墓地だった。
生花を、いったい砂漠のどこで手に入れているのか謎だったが。
表参道の中で、もっとも脚にダメージを与えられた典型的な参道が以下の場所だった。
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階段状にはなっているものの、定まった法則は一切無く、どこを通るかは人それぞれの参道だ。
一方、もっとも美しい参道が以下だった。
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鼻歌でも歌いたくなるような小径だが、表参道の中でほぼ、平らだったのは、この150mくらいの間だけだった。
下山の途中、檜の根が他の根の上を通って伸びてX形になっている場所が複数あったが、この美しい小径の先に、もっとも明快なX形があった。
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思えば、三河ではX形の装飾のある複数の土偶や土製品と遭遇してきた。
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砥鹿神社奥宮表参道の一ノ鳥居手前の最後の6段の石段の上にたどり着いた時、左足は痛みで曲げられない状況になっていたのだが、ここまでは不規則な地形を逆に利用して降りてこられた。
だが、通常の規則正しい石段は上り下りするのに片足を交互に曲げる必要があるので、石段の上でしばらく、どうするか考え込んでしまいました。
結局、右脚1本で何とか6段を降りることができ、鳥居をくぐることができました。
往復、約4時間半の神社参拝となりました。
《この項 終》
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一ノ鳥居のある踊り場で足の甲の骨を緩めるストレッチをして、愛車の駐めてあるウォーキングセンターに向かいましたが、その手前50mほどの路肩に、何と、文字通り喉から手が出るほど飲みたかったジュースの入っている自動販売機が置いてありました。
そこにあったピーチ・ジュースが猛烈に美味しかった!!
今や、間違っても富士山登頂などという大それた妄想はしないようにしようと思っています。