私の音楽との出会いの軌跡
好きなものやことについて、これまで語ってきたことが多いので、今回もその流れで、好きなように語ろうと思う。今回は音楽について。私が聴いてきた音楽を履歴みたいに語っていく。
そもそものはじまりはMUSIC TOMATO JAPANだった。
中学生の頃、夕方に再放送していた、ひたすらMVを流す番組。そこで私は久保田利伸さんの「流星のサドル」という曲に出会った。のびやかな歌声とグルーブ感にすっかり引き込まれた。
それまでテレビの音楽番組で流れているような曲しか聴いてこなかったけれど、久保田利伸さんの曲に出逢ったことで、そこから派生して久保田利伸さんのルーツとなったと本人が紹介している音楽や、彼が好きな音楽を聴くようになり、スティービーワンダーやアースウィンド&ファイヤー、ジェームスブラウンなどブラックミュージックにハマっていった。ディスコサウンドが流行していた時期でもあり、今よりはブラックミュージックがラジオからも流れていて、特集されることもあり、それをカセットテープに録音して聴いていた。その中で最も気に入っていた曲、ジョセリンブラウンの「Somebody Else's Guy」を、数年前にYou Tubeで見つけた時は、長年の念願が叶ったと感じてとても嬉しかった。すぐにCDを探して購入した。初めて聴いた時から30年くらい経っていた。ダンサブルで力強い歌声の素晴らしい曲。今聴いてもちっとも色褪せない、最高にグルーブな名曲だと私は思っている。
今はすっかりブラックミュージックを追わなくなったけれど、それっぽいグルーブ感のある曲を聴くと、今でも体を揺らしてノってしまう癖がある。やはり心地いいから。
久保田利伸さんの音楽を好きになって、日本の音楽雑誌を買うようになった。その音楽雑誌の記事から気になって聴くようになったのが、崎谷健次郎さんだ。彼はブラックミュージックとクラシック音楽をルーツにPOPなサウンドを作る作曲家であり、歌手。初期はほとんど作詞を手がけていなかったけれど、次第に作詞もされるようになった。彼のバラード曲はやはりクラシックの影響を受けていて、特にストリングスが美しい。転調の妙も彼の特徴で、一時期本当にハマってコンサートに出かけていた。
崎谷さんが好きだというAORを聴きはじめたのはこの頃で、ボビーコールドウェルを特に気に入ってアルバムも買ったりしていた。またクラシックも崎谷さんの影響で聴きはじめた。サティやラベルなど。どんどん聴く音楽が広くなっていった。
同じように雑誌の記事からハマったのが村松健。インストゥルメンタルのピアノ曲。アルバムを何枚も買った。小説を書くときなど、集中するときは歌詞のある曲を聴くのは難しいけれど、なにか流したい。雰囲気にひたりたいときにぴったりで、ずいぶん執筆のおともにさせてもらった。旋律の美しさ、叙情的な雰囲気が好き。
大学生の頃にまたもやMVを流す番組を観ていてハマったのが、JIGGER'S SON。力強い歌声、なによりも歌詞がしっかりと届くことがいちばんハマった理由。ロックサウンドも楽しかった。
大学の友人が聴くから聴きはじめたキリンジやくるり、SPAIRAL LIFE。車に乗るようになってから聴きはじめたFM802もまた私の聴く音楽を広げてくれた。ヘビーローテーションでかかる曲で気になった曲にハマって聴くようになったのが、GREAT3やACO、スピッツ、サニーデイサービスなど。社会人で趣味に使えるお金も多かった時期なのもあって、車で20分くらいの場所にある個人経営のCDショップによく通って購入していた。店主の方と音楽の話をするのも楽しかった。
インディーズのバンドにハマって、月に3回くらいライブハウスに通っていたのも、その頃。家から30分くらいで行けるところでインディーズバンドの野外ライブイベントがあって、ふらっと聴きに行ったそのイベントでそのバンドの曲を聴いて、ひと耳惚れしてしまったのだ。「TAB」というバンドで、2年くらい追っかけて、バンドが解散した後にVo.とDr.に新メンバーで結成された「ザ☆ミラクルズ」というバンドも2年くらい追っかけた。結局解散してしまったけれど。今でも好きな声で、音源はたまに聴く。
関西から鳥取県に引っ越してからはライブへ行かなくなり、ひたすら地味にCDを聴くだけの日々になった。この頃聴いていたのはクラムボンやハナレグミ、JIGGER'S SON解散後の坂本サトル。そしてBUMP OF CHICKEN。まだ、ただ聴くだけで深く追っていなかったBUMPに深くハマり出すのには、二度の機会があった。
一度目は10年ぶりくらいに大学時代の友人に会って、BUMPのアルバムが良かったと感想を聞いた「orbital period」。そこからアルバムが発売されるたびに必ず買うようになった。なによりもVo.の藤原さんの紡ぐ歌詞が気に入って虜になった。二度目は「RAY」初回特典だったDVDのライブ映像を見て、はじめてBUMPのライブに行ってみたいと思うようになった。実際に初めて行けたの「Butterflies」のツアー。初めての京セラドームだった。私の書く140字小説の言葉選びは、少なからず藤原さんの歌詞から影響を受けているのは、間違いない。今もこれからもずっとBUMPは聞き続ける。そんな気がしている。
BUMPのmixiコミュニティで出会った方が気に入っているバンドと教えてもらったのが「Goodbyeholiday」。ちょうどNHKみんなのうたの曲「弱虫けむし」がこれから流れるというタイミングで聴いて、歌声と素直な歌詞の世界観、ギターのもりしの奏でる音色に惹かれた。聴いてみればドラムの躍動感も好み。ベースのまさはるさんの歌詞の世界観もおもしろい。そこから一気にハマってライブに行ったり、CD聴いて、ラジオが始まればメッセージを送ってみたりとかなり熱を上げていた。ハマってから2年で解散してしまうことになって、かなりショックだったけれど、Vo.とGt.が別の方たちと一緒に組んだバンド「ゴホウビ」が始まって、すぐに夢中になって聴きはじめた。杉恵ゆりかさんがまだソロ活動していた頃、ぐっほりのVo.とDr.がLINEライブのゲストに出演し、杉恵さんとのコラボで歌ったハーモニーが本当に素敵で、いつか一緒にライブで歌ってくれたら、なんて思っていたらバンドを組むことになるなんて、とても嬉しいはじまりだった。ゴホウビは主に関東で活動しているから、ライブに行ったことはあまりないのだけれど、前バンドのぐっほりとはまた違うPOPなサウンドは、また新しい音楽の風を私にくれた。そして少しだけ崎谷さんを思い出したりしていた。転調とかシンセの音とか、ちょっとどこか懐かしい、シティポップっぽさもあったりして。本人たちはタウンポップと言っている。そう思っていたら、ゴホウビのメジャーデビューのレーベルが、崎谷さんが昔所属していたポニーキャニオンだとわかって、ものすごくびっくりしたと同時に嬉しかった。
以前はそんなに聴かなかったのに、あるとき急に聴きはじめることもある。社会人になってすぐに流行った中村一義さん。当時はあまり聴かなかったのに、歌声が少し解散してしまったインディーズバンドのVo.に似てるかもと思いはじめてから、急に聴き出してアルバムを買ってみたりした。
たぶんGREAT3の検索をしたときにでてきたバンド名に覚えがあり、プレクトラムを聴きはじめた。その昔、インディーズバンドのTABと対バンをしたりして、2回くらいライブで聴いたことがあって、メジャーデビューしたときにちょっと聴いたきり、10年以上忘れていた。バンドがまだ続いているのを知って嬉しくなり、そこから聴きはじめた。
チャイのレシピのツイートからバンドを知って聴きはじめたのは、odol。そのあたりからスカート(澤部渡さん)を知り、ちょっと聴いたりもした。
私のツイートにいいねしてくれたひとにインディーズバンドの方がおられて、聴いてみたらとてもいい歌声で、ツインボーカルの奏でるハーモニーが素敵だったから聴きはじめたこともある。The swifttersというバンド。いつかライブで聴けたらいいのだけど、拠点が福岡だし、活動が少し減っているから難しいのかも。
https://youtu.be/gTqO6_Qt_pw
今はBUMPとゴホウビを軸に、その時々で気になった音楽をYou Tubeで聴いたりすることが多くなった。気になった音楽を検索して気軽に聴ける時代になったけれど、たまにラジオを聴いて、それまで気にとめなかったバンドの曲に触れたり、情報番組の中でインフォメーションしていたバンドの曲が思っていたよりよくて聴きはじめたり、観はじめたドラマの主題歌やエンディング曲でいいなと思って聴いてみたり。あちこちに音楽を知るきっかけは広がっていて、いつでも好きになるきっかけはもらえている。
たぶんそのアーティストの音楽を好きでいつづけることのほうが、難しい気がする。 いつか聴かなくなってしまうことがあっても、あのとき大好きだったあの曲を忘れることはない。好きだった気持ちも思い出せる。何かのきっかけでまたふわっと記憶が浮かび上がってくる。音楽ってそういうものだから。
(YouTubeのリンクで、ラベルについては当時きいていたものがわからなかったので、お気に入りの曲はそのままに、最近私が気に入っているピアニストさんの演奏のものにした)
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