息子が急性散在性脳脊髄炎になって倒れた話4

15分程で転院先の総合病院にたどり着き、緊急輸送口から先生同士が手早く引き継ぎをしている中、看護師さんが一人案内してくれ、離れた個室へ移動するよう指示を受けた。

治療前に長男へPCR検査を実施すること。

検査結果がすぐに出る日なので、（検査結果が分かる曜日が決まっているとのことだった）息子に新型コロナウイルスの感染が認められなかった場合は一般の待合室に移動出来ますと説明を受け、外の様子がわからない、隔離された診察室で夫の到着待った。

夫も同じ部屋に通され、お互いを励まし合ったり、両家の実家に連絡を取ったりしながら1時間半程待ったが、救急の方々からの声掛けは無かった。

次男を保育園に預けたまま来ていた為、看護師さんに事情を説明したところ、PCR検査は陰性だったので、外出許可が出た。

夫に次男の迎えとお世話を託し、そのままの部屋で長男の処置の説明を待つ。

そこからさらに1時間が経過した頃、シーンと静まり返った部屋に「コンコンッ」という軽いノックの音が響いた。

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転院先の救急センターの医師はとても穏やかな声で

PCR検査の結果は陰性だったこと

転院先でもいくつか検査はしたが、今のところ「急性散在性脳脊髄炎」として治療方針を決めているところであること

もう少ししたらPICU（小児集中治療室）に移動して、そこで24時間管理体勢で治療を進めていくこと

詳しくはPICUの医師と神経内科の医師から後ほど説明があること

という内容を簡潔に説明し、総合受付に移動してくださいと言って部屋を出て行った。

私は、息子が今どのような状況でいるのか、どんな治療が待っているのか、果たして本当に目を覚ましてくれるのか？

本質的なことが何もわからないことの不安を纏いながら、とにかく大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせ続けた。